尾崎竹詩会長

会長 尾崎竹詩
事務局長 芳賀陽子
事務局
郵便番号 237-0063
所在地 横須賀市追浜東町3-86
TEL 0468-65-4307

 

 

 

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◇4ブロック  (2020年12月11日追加更新)

【横浜ブロック】

【川崎ブロック】

【湘南ブロック】

【西部ブロック】

◇役員構成

会長挨拶 尾崎竹詩

 平成31年3月3日の定時総会において神奈川県現代俳句協会の会長を拝命することになった尾崎竹詩です。当協会は今年37年目を迎え伝統と目覚ましい歴史を誇っています。現在までの神奈川県現代俳句協会を創り、育ててこられた先輩方の知恵と努力の結晶であることは間違いありません。その第八代会長という重責を担うことになりました。とても個人で担いきれるものでないことは明白です。現在の役員、会員そして俳句をこよなく愛する同志がなければ継続発展できるものではありません。私は神奈川県現代俳句協会という『座』を通して俳句に親しみ、人生を楽しみたいと思っています。
 現在の当協会は深刻な課題を抱えています。会員の高齢化と会員の減少傾向です。この二つの課題の根っこは一つだと思っています。この解決策は「現代俳句の楽しみ方」「現代俳句の面白さ」を多くの人に知ってもらうことではないでしょうか。「現代俳句」がこんなに楽しいものだということを発信していきましょう。そして私たち会員一人一人が俳句を楽しみ、会員同士が研鑽と親睦を深めていきましょう。笑顔のあふれる場所には人が集まってくると思います。あたたかく示唆に満ちた場所は離れたくないのではないでしょうか。
 金子兜太亡き後の現代俳句協会は、兜太ロスになりかかっています。しかし、兜太が背負ってきたものを一人で担うのは困難です。現代俳句には『座』という莫大な財産があると思うのです。この『座』が新しい理念を生み、活力を作るのではないでしょうか。松尾芭蕉を生んだ蕉門があったように、金子兜太を育てた現代俳句協会があったのです。令和の現代俳句協会を創るのは、私たち一人一人の知恵と努力次第だと思っています。さあ、新しい令和の時代に新しい現代俳句を探しに行きましょう。

 

【 行事 】

4ブロックの活動と予定 (2020年12月11日追加更新)

神奈川県現代俳句協会では会員相互の活発で密接な活動を支援する為、県全体での活動とは別に4ブロックに分けての活動を毎月実施しております。これにより、より綿密な会員サービスが可能となります。今後とも、各ブロックの活動に積極的にご参加くださいます様、お願い申し上げます。

【横浜ブロック】 ブロック長:なつはづき

横浜ブロックは、毎月第1月曜日に相鉄線星川駅「かるがも」で主に活動をしており、その他に年に1度の川崎ブロックとの合同吟行会、年に2度の懇親会でメンバー同士の交流を深めています。句会は2部制になっており、1部では4句出し(兼題なし)の通常の句会、2部は1部で高得点だった句からの1字読み込みの席題を1~2句短時間で仕上げて句会をします。苦労も多いですが、とにかく力が付きますし、参加者の皆が親切に句に対してコメントをしますので、大変有意義な句会だと思っております。またブロック長のなつはづきが夏雲システムによるネット句会の幹事も兼ねており、ネット上での活動の普及も目指しています。実際の句会とネット句会、両輪で幅広い活動を目指しております。是非ご参加下さい。 
〔なつ はづき 記〕

星川句会
・10月(令和2年10月5日)
ぽいと通草日のぬくもりが掌へ   麻生  明
小鳥来て紙ナプキンの飛び立てり  江原  文
この犬は道草が好き赤い羽根    桐山 芽ぐ
秋の蚊を優しくたたく傘寿かな   栗原嘉一郎
神仏も拍手喝采今年米       菅原 若水
千代紙の折り目ほどいてゆく愁思  内藤ちよみ
晩年のははの手紙を読む良夜    渡辺 順子
冬瓜や言えぬ言葉が重くなる    なつはづき
・11月(令和2年11月2日)     
無花果を押して命をへこませる   麻生  明
掃き寄せる朝のねむたき落葉なり  江原  文
赤とんぼ歩道の左右海であり    桐山 芽ぐ
筆先に般若心経望の月       栗原嘉一郎
名刀に切れ味竜淵に潜む      菅原 若水
竜淵に潜む音なき楽器店      内藤ちよみ
横笛にうねり大きく芒原      渡辺 順子
一葉忌我になるまで髪を梳く    なつはづき
◎毎月第1月曜日(かるがも)
相鉄線星川駅下車「かるがも」(保土ケ谷区福祉保健活動拠点)で行います。なお、部屋の定員が12名の為、ご参加希望の方はご一報ください(令和3年の3月、4月は場所未定)。〔なつ はづき報〕

夏雲句会(インターネット句会)
・6月
夕立や離ればなれに湯屋の椅子   堀口みゆき
混沌の水へこませて水馬      麻生  明
水圧の強き蛇口や沖縄忌      江原  文
枇杷の実を盗んでいった夕日影   町野 敦子
螢火の三尋(みひろ)四尋(よひろ)や薬指 本田 詠遊
青嵐駆け込み乗車してしまう    桐山 芽ぐ
蝙蝠は夜のドラマの仕掛人     石川 夏山
一瞬の空中遊泳鮎釣らる      尾崎 竹詩
澱のごとたまりし憂さや青嵐    菅原 若水
サンバよりルンバの好きなてんと虫  長谷川昭放
手紙なら真面目になれるソーダ水  なつはづき
・7月
梅雨の蝶切り株といふ明るき死   江原  文
金魚藻に泡のぼりゆく自由な日   堀口みゆき
花氷時を溶かして白昼夢      菅原 若水
向日葵や姿勢正しくして疲れ    桐山 芽ぐ
夏至の夜の水に溺れる深海魚    杉  美春
夏足袋に押し込んでいる非日常   町野 敦子
大和撫子芯に炭素繊維あり     佐々木重満
長き梅雨陽射しの匂い探しをり   奥村 純子
妻の夢覚えておこう古浴衣     栗原嘉一郎
火の国の昼は分厚き鰺フライ    麻生  明
円相の蠅ガリレオの遠めがね    本田 詠遊
青梅雨や翼塗りはじめる模型    なつはづき
・8月
大いなる空背泳ぎの耳静か     杉  美春
太刀魚の海の暗さを釣り上げる   町野 敦子
銀河濃しなにも語らぬ旅鞄     渡辺 順子
魂に断面図あり天の川       菅原 若水
無花果のどこを割ってもある本気  麻生  明
握り飯でっかく見えて夜釣りの灯  桐山 芽ぐ
畳みたるタオルの白に今朝の秋   江原  文
同心の結び玉なれ流れ星      本田 詠遊
港よこはま艀だまりに晩夏光    長谷川昭放
星涼しエレベーターは人待てる   堀口みゆき
老いて帰す心の家の鶏頭花     奥村 純子
雑踏の野毛に秘密の鮭が来る    石川 夏山
白粉花踊り明かそう夜明けまで   佐々木重満
カレンダー一枚全部夏休み     尾崎 竹詩
子規の忌の切株ばかり多い森    なつはづき
・9月
二の腕に子のぶら下がる鯊日和   杉  美春
満足な空を見ている破案山子    町野 敦子
秋のななふし経年劣化する身体   芳賀 陽子
ばったんこ時間の見える用なき日  麻生  明
神疑ふ日の鶏頭の黒い種      江原  文
秋草のいっぽんに声透きとほる   堀口みゆき
胡桃割る自我の塊り砕くごと    長谷川昭放
影を持つひとつやふたつ秋日傘   本田 詠遊
しかたなく斧上げている蟷螂は   石川 夏山
右の風左へ送る踊りかな      渡辺 順子
秋夕焼賽の河原の物語       菅原 若水
指揮棒のボレロに乗りて夜の秋よ  佐々木重満
待ち合わせ所在無さ気な秋の蝶   奥村 順子
声かけて人違いとは!秋扇     桐山 芽ぐ
曼珠沙華隠しておきたい過去がある  尾崎 竹詩
月光やかつては人魚だった泡    なつはづき
・10月
抱き合いし地蔵に木の実降りしきる  長谷川昭放
紅葉山罠かもしれぬ木のベンチ   麻生  明
秋の水眼のない魚とすれ違う    町野 敦子
黒鍵の一音ひびく水の秋      堀口みゆき
猪狩の戻らぬ犬を待っており    桐山 芽ぐ
投入れの秋草匂ふ蛇笏の忌     杉  美春
残る秋詩の銃身に弾丸を込め    菅原 若水
足跡の追いかけて来る露の芝    奥村 純子
豊作の礼にひれ伏す捨案山子    本田 詠遊
発情した桜も今は裸木に      石川 夏山
波音を耳に沈めて鷹渡る      なつはづき

 

◎インターネット(夏雲システム)で行っています。投句と選句の間に1週間ありますので、余裕をもって選句できます。参加希望の方は、現代俳句協会のお問い合わせフォームに「神奈川夏雲句会参加希望」という件名でご連絡下さい。
なお、連絡等はすべてメールにて行います。
〔なつ はづき 報〕

【川崎ブロック】  ブロック長:加賀田 せん翠

句会場の川崎市総合自治会館が8月より新しいビルに移転しました。
住所:神奈川県川崎市中原区小杉町3丁目1
電話:044-733-1232
最寄り駅: 武蔵小杉駅[南口1(東急)]から徒歩約6分
※今回掲載できなかった句会報は次回に掲載します。

【湘南ブロック】  ブロック長:堀口 みゆき

湘南ブロックサンシャイン句会の前身は、神奈川青年俳句研究会でした。毎月の句会並びに作家研究を現代俳句協会青年部に属していた神奈川県在住の会員を中心に活動。現在の会場にて運営委員長故須藤徹を中心に、金子弓湖、長野史代、堀口みゆきが運営委員として携わっていました。
その後、ブロック制の導入により青年俳句研究会の名称は変更され、渡辺和弘ブロック長のもと、サンセット句会が発足。
第1金曜17時~という異色の時間帯で活動。
昨年2月より、昼間の時間帯への要望が多く第2金曜14時から名称もサンシャイン句会に改称。堀口みゆきブロック長、渡辺正剛副ブロック長、荻野樹美副ブロック長の体制で活動しています。
〔堀口 みゆき 記〕

サンシャイン句会
・第62回サンシャイン句会 
6月12日(金)藤沢市民活動センター2階会議室
当季雑詠5句(うち席題1句「落」)
田に水を張って輝く青田かな    安藤  靖
きつねのかみそり稀有なる色を怪しめり  稲葉 喜子 
黒南風ややつと着きしアベノマスク  大山 賢太
梅雨晴間力で落す鍋の焦げ     荻野 樹美
街半死ひとしお一人静かなり    金栗トモ子
自粛から自衛の国家虫干す     内藤ちよみ
落書のフローチャートや南風    堀口みゆき
行く春を見送る影も茜色      宮永 武彦
田一枚植えたる爺の一日かな    渡辺 正剛 
・第63回サンシャイン句会 
7月10日(金)藤沢市民活動センター2階会議室
 当季雑詠5句(うち席題1句「風」)
風鈴や加減しながら自己主張    稲葉 喜子
温暖化豪雨強風梅雨の雷      大山 賢太
風を待つグラジオラスの白き波   荻野 樹美
青き茅匂う茅の輪を風通る     田畑ヒロ子
草刈機池畔に青き音立つる     堀口みゆき
光年の恋情を咲き夕顔は      宮永 武彦
水芭蕉歩みしものみな幻に     渡辺 正剛
・第64回サンシャイン句会 
8月14日(金)藤沢市民活動センター2階会議室
当季雑詠5句(うち席題1句「炎天」)
句集編む炎の色となる柿熟し    安藤  靖
夜も更けてみんみん蟬か耳鳴りか  大山 賢太
ウイルスに翻弄さるる炎暑かな   荻野 樹美
コロナ禍の救世観音も夏マスク   金栗トモ子
木馬から音楽流れ終戦日      堀口みゆき
炎天や牛舎に牛のいない午後    馬来まち子
西日落つ今日を限りの礼文島    渡辺 正剛
・第65回サンシャイン句会  
9月11日(金)藤沢市民活動センター2階会議室
当季雑詠5句(うち席題1句「薄」)
すすき萩すっきり挿して外科病棟  稲葉 喜子
芒の原そっと狸の現れる      大山 賢太
秋暑しスマートホンまで誤作動す  荻野 樹美
芒原神も仏も隠れんぼ       金栗トモ子
晴れわたる薄の風を総身に     堀口みゆき
奥の院へさらに石段法師蟬     馬来まち子
珈琲に君の孤独を溶かす秋     宮永 武彦
芒原二人入れば何か変       渡辺 正剛
・第66回サンシャイン句会  
10月9日(金)藤沢市民活動センター2階会議室
当季雑詠5句(うち席題1句「柄」)
ばった飛ぶ柄にも合わず後退り   荻野 樹美
花柄のブラウス映える初秋かな   金栗トモ子
山粧ふ軽き音たて置柄杓      堀口みゆき
小鳥来る村に一つの診療所     馬来まち子
寒き都市人間という毛皮着て    宮永 武彦
はっとする口座泥棒穴惑      渡辺 正剛
・第67回サンシャイン句会 
11月13日(金)藤沢市民活動センター2階会議室
当季雑詠5句(うち席題一句「枯」)
川の鳥追ひつ追われつ冬ぬくし   安藤  靖
よもすがら小柄で孤独望の月    稲葉 喜子
来た道を真っ直ぐ戻る櫨紅葉    荻野 樹美
駅裏という昭和枯すすきかな    金栗トモ子
葉鶏頭プリマドンナという背筋   芳賀 陽子
七五三大きな口で飴もらう     保利よし枝
玻璃越に十字架の屋根寒波来る   堀口みゆき
托鉢の僧の白足袋冬に入る     馬来まち子
枯れ尽し前途多難な女郎蜘蛛    渡辺 正剛  

※今後の予定  毎月第2金曜14時~17時、藤沢市民活動センターにて開催します。
会場の都合により日時変更の可能性あり。お問い合わせ下さいますようお願いします。
〔堀口 みゆき 報〕
 
【西部ブロック】 ブロック長:長谷川昭放

「元気をもらいました。」「命の宿りを感じた」「作者の心情が伝わって来ます。」「紙上句会にて教えられること多々。」以上の声は、西部ブロックの丹沢句会がコロナ禍の中で5月~10月に実施した、通信句会の一句選評の中からの抜粋です。毎回23人の方々からの投句がありました。有難うございました。
1,丹沢句会は11月より句座に戻りました。毎月第3(金)於:秦野市立西公民館 午後1時~
11月、12月の参加者には安納芋を無料配付します。
2,只今、西部ブロック通信句会を取組中。締切りは12月31日です。投句お待ちしています。
当面の活動を先に述べましたが、当ブロックの設立は2004年。身近で俳句が楽しめ且つ研鑽になる場を提供、そして会員の拡大を実践中です。
〔長谷川 昭放 記〕

丹沢句会
・7月句会(順不同)
新緑やもう散髪に行くべきか     安藤  靖
もぎたての胡瓜食みたりスティホーム 飯田美枝子
手水舎の柄杓一杯夏の水       石井 秀稀
一握の水着にひらく少女かな     岡本  保
窓開けたぐらいのスペース梅雨晴れ間 尾崎 竹詩
徘徊は俳諧ごころ花藻揺る      加藤かほる
青空の一つは鯨梅雨晴れ間      加藤 三眠
人形の群行き交へる大西日      川村 研治
何を悟るか汗をかきかき阿吽像    北村 文江
人の訃の留守電に来る梅雨の蝶    酒井 敏光
夜盗虫白昼夢でも彫刻家       佐々木重満
土偶の眼うつすら閉づる薄暑かな   佐野典比古
栗の蕊ほとんど無用男子なぞ     渋谷  徹
蟬しぐれ止むや瞬時の耳低圧     菅沼とき子  
級友に一人か二人行々子       高橋 姜子
総立ちをすなり深夜の黴どもは    佃  悦夫
炎天を割る一撃はダリの髭      内藤ちよみ
有耶無耶もよしほうたる追うもよし  中山 妙子
玫瑰の海をながめている時間     芳賀 陽子
半年の半分無為に過ぎて夏      羽田 勝二
とんぼとんぼ眉間あかるく、さぁ遊行 與   起
自堕落に拍車をかけて梅雨に入る   渡辺 正剛
無数とは蟬穴のことがらんどう    長谷川昭放
・8月句会(順不同)
生涯に進退いくつ稲光        安藤  靖
二人とも方向音痴遠花火       高橋 姜子
朝蟬や近頃静かな町の辻       飯田美枝子
丹沢の里山わたる威銃        石井 秀稀
眼の赤く映りし写真原爆忌      岡本  保
天運も尽きてひたすら草むしる    渡辺 正剛
蟻は蟻の大きさの声で話し中     尾崎 竹詩
瑠璃とかげ仮面舞踏会も自粛とや   加藤かほる
ひまはりや何処へ忘れし己が影    加藤 三眠
蟬時雨五重塔の影に入る       川村 研治
青葉闇底なしの沼ありとせば     北村 文江
消えそうな島でも領土雁渡る     酒井 敏光
点点と天の寿ぎ水引の花       佐々木重満
大団扇地球は自転公転す       佐野典比古
国家などいらぬ今年も原爆忌     澁谷  徹
炎天や気障な奴から溶けてゆく    菅沼とき子
突然に青葦と入れ換わるかな     佃  悦夫
混沌が浮き沈みして大海月      内藤ちよみ
妄言多謝で終わる文章天の川     中山 妙子
みんみんや急かされて書く申請書   芳賀 陽子
くもにくももくもくもくもくなつのくも 羽田 勝二
水蜜桃かな長恨歌かな 腕の中    與   起
混沌のうつしよ整然と青田      長谷川昭放
・9月句会(順不同)
ページめくるような秋の気配かな   飯田美枝子
大空をぐるぐるしたい鰯雲      石井 秀稀
綾取りのどこまで続く虹の橋     伊藤  梢
手をはなすやうに一葉の落ちにけり  岡本  保
戦後とは戦前である虫時雨      尾崎 竹詩
地球のカオスに月光のコスモス    加藤かほる
魂の如滝が放てる白き鳥       加藤 三眠
空蝉のなかに忘れてきたるもの    川村 研治
秋扇忘れ上手に生きて母       北村 文江
父に久し母の死化粧天の川      酒井 敏光
様々にコロナ禍残し八月尽      佐々木重満
水槽の魚向き変える今朝の秋     佐野典比古
縄のれん新豆腐には塩を振り     澁谷  徹
石榴割れ天平の恋幻と        菅沼とき子
集落の皆同姓や秋ざくら       高橋 姜子
來迎の二十五菩薩裸足かな      佃  悦夫
若冲の鳥と張り合う羽抜鶏      内藤ちよみ
空もよし寂もまた良し桐一葉     中山 妙子
残暑見舞い低き螺鈿の文机      芳賀 陽子
空の広さを死ぬとき初めて蝉は知る  羽田 勝二
おとこのこもりうた かるかやに風からむ 與   起
身を躱す術なし齢炎天下       渡辺 正剛
爽やかや封じ手解かれ飛車捨てる   長谷川昭放
〔長谷川 昭放 報〕

 

§ 神奈川県現代俳句協会令和元年度定時総会記 §

 令和2年2月28日 於・かながわ県民センター

令和1年度総会は、令和2年2月28日、新型コロナウイルス感染の拡大とその予防のために、政府から26日に2週間の全国的なスポーツ・文化イベントの自粛、27日に春休みまでの学校の休校の要請が出されるという日本社会が揺れ動くなかで行われた。当会も、前日までに懇親会は中止としていたが、当日に一句会も中止して開かれた。

総会は、田畑ヒロ子副会長が開会のことばを述べて開始された。芳賀陽子事務局長からは、参加者は41名であるが、委任状は164通で、合わせて会員の4分1以上となるので、会が成立したことが宣言された。尾崎竹詩会長の挨拶では、来賓の方々が大変な時期に神奈川までおいでいただいたことに謝意を表すとともに、一句会、懇親会を取りやめにしたことが説明された。

続いて、来賓の千葉県現代俳句協会会長並木邑人氏、東京都現代俳句協会副幹事長小高沙羅氏、東京多摩地区現代俳句協会副会長永井潮氏、横浜俳話会副会長衣川次郎氏から心温まるご祝辞をいただいた。そのなかでは、神奈川県はブロックに分かれて大変活発な活動をされており、これからも神奈川、東京と連携していきたい(千葉県)、新型コロナウイルスは大変不安であるが、このようななかでも俳句でのつながりは大切にしていきたい(東京都区)、明治の中頃まで多摩は神奈川県の一部であり、現在でも多摩の俳句大会には神奈川県の人が多数参加されている、地続きでの俳句の土壌があり、今後もよろしくお願いしたい(東京多摩地区)、神奈川の現代俳句協会と横浜俳話会は兄弟のようなもの、これからも競い合い、手を取り合って俳句づくり、仲間づくりをしていきたい、というお話をいただいた。

総会議事に入る。議長に角田大定氏、副議長に岡田恵子氏が選出された。2019年度事業報告が芳賀陽子事務局長からあった。会報の発行は113号から116号の4号、3月には総会を開催し、参加者は64名、6月の横浜吟行会の参加者は73名、11月の俳句大会の参加者は96名、募集句は1549句であったという報告があった。引き続き2019年決算報告が平田薫経理部長からあり、中山妙子監査役から正確である旨報告された。2020年度事業計画案は芳賀陽子事務局長から説明があり、6月6日の横浜吟行会、11月23日の俳句大会などの計画が提案され、また、2020年度予算案は平田薫経理部長から説明があり、両案とも拍手で承認された。

次に役員改正の提案が芳賀陽子事務局長からあり、新任として、副会長に大本尚氏、田中悦子氏、内藤ちよみ氏、事務局次長に岡田翠風氏、総務部長に佐々木重満氏、事業部長に佐藤久氏、編集部長に杉美春氏、経理部副部長に三上泉氏、幹事に金栗トモ子氏、佐野典比古氏、星由江氏、西部ブロック長に長谷川昭放氏、西部ブロック副ブロック長に加藤かほる氏、北村文江氏、さらに、監査役に麻生明氏、顧問に鈴木和代氏、西野洋司氏、参与に田中亜美氏、つはこ江津氏、松下カロ氏が推挙され、拍手で承認された。

また、規約改正の提案が尾崎竹詩会長からあった。それは、会員の高齢化と減少への対策のひとつとして神奈川県現代俳句協会に新たに地区会員制を導入するもので、そのための規約改正の提案であった。会員数は平成25年が628名であったが令和1年には450名に減少し、それに伴い、会の運営予算、繰越金も毎年減少しているということである。地区会員は、年会費2,000円、特典として①会報の配布、②総会・俳句大会・吟行会・俳句研究会等への参加、③会員から幹事等への推薦は同等とする、という提案であった。この執行部の提案に対し、会場より、①正会員をやめて地区会員になるという人も想定され正会員の増加につながらない、②協会の価値、役割は何か、結社との関係はどうあるべきかということがある。結社の役割には初心者の教育もあるが、俳人協会は結社からの推薦で会員になる制度があるために会員数を保っているが、現代俳句協会は個人会員が主であるため減少する。③横浜俳話会も年会費二千円なので競合する、という意見があった。また、他の方よりその意見には道理があり、横浜俳話会とは同じ金額であり競合する、結社との関係もどうなのかと思う、今日は参加者が少ないし、一年かけて検討した方がよいのでは、という意見があった。そのほか、神奈川県現代俳句協会にとってはよい案だが現代俳句協会を考えると疑問があるなど、多くの会員から賛否、確認、また検討の必要性などについて、さまざまな意見があった。執行部の提案を本日決定するか、継続で検討するかで挙手による賛否をとった結果、前者が17名、後者が16名で提案は可決された。しかし、議長団から、提案は承認されたが、僅差で、委任状も多いため、1年間の暫定の改正にして、来年度の総会で見直すという付帯意見があった。

各ブロックの活動報告に移り、横浜ブロックなつはづき氏、川崎ブロック加賀田せん翠氏、湘南ブロック渡辺正剛氏、西部ブロック佐々木重満氏から報告があった。その後、新役員の紹介があり、川村研治副会長の閉会のことばで終了、散会となった。難しい社会状況において、参加者が少なめとはいえ総会が成立し、会員が活発に意見を述べ合う雰囲気、環境は今後も大切にしていきたいものだと思われた。
【レポート・石川 夏山】

§ 第37回神奈川県現代俳句協会俳句大会 §

令和元年11月23日 於・かながわ県民センター
レポート・佐藤 久 作品記録・尾澤慧璃
 昨日から冷たい雨が続く中、第37回の大会が開催されました。暖房が入るのは12月からとの規定で、たいへん寒い中での大会となった。あとは参加者の熱気で埋めるしかありません。生憎の天候で参加者は95名と少な目でしたが、活気に溢れ内容も濃い充実した大会となりました。
 当日の席題は「実」と「紙」。例年一つは季語であることが多かったのですが、さてこの変化球の席題をどう受け止めて活かしたものか、各位が思案に沈みます。12時過ぎ、総合司会の渡辺和弘氏の口切り、鈴木和代副会長の開会宣言でいよいよ大会が始まる。大本尚実行委員長の挨拶の中で、事前投句の目標1500句に対し1594句の実績となった旨報告があり、会員全員で大会を盛り上げて頂いたことへの謝意がありました。また、尾崎竹詩会長のご挨拶に先立ち、尾崎会長の句が第56回現代俳句大会賞を受賞されたとのタイムリーで嬉しい報告もありました。これに対して尾崎会長はいつものユーモアで返し会場が和みます。会長からは神奈川県現代俳句協会という座を大切にしようとのお話を頂き、ラグビーのジェイミージョセフヘッドコーチの「俳句」と称した五行の文の紹介からバーナードショーの名言で締め、「俳句をやるから年をとらない」との言葉が印象的でした。
 続いて、ご来賓として千葉県現代俳句協会幹事長の徳吉洋二郎氏、東京都区現代俳句協会幹事長の山本敏倖氏、東京多摩地区現代俳句協会副会長の戸川晟氏、横浜俳話会会長の梶原美邦氏、川崎市俳句連合会会長の福原瑛子氏の各氏よりご挨拶を頂き、温かいご祝辞を頂戴した。
 本日の講演会の講師は俳文学者で神奈川現代俳句協会会員の川名大氏。演題は「名句で読み解く表現史ーナラトロジーの視点からー」というもの。ナラトロジーとは「物語論」と言われるもので、物語や語りの技術や構造について研究する学問である。講演では主に俳句における「作者」と作品上の「語り手」の関係性の観点で歴史的な名句を分析解釈するお話を頂いた。新しい視点で俳句の構造を読み解くことはたいへん興味深く、俳句実作においても示唆に富む内容でした。
 講演終了後、当日句の選句用紙が配られ、選句時間を兼ねた休憩となる。参加者互選で三句選。毎度のことながら百句近くの中から三句のみ選というのは中々たいへんである。2時頃より一句会が始まった。披講は鹿又英一氏、菅沼とき子氏、内藤ちよみ氏の三氏。いつもながらの会場に通る声で選が読み上げられる。終盤になるにつれ、点が拮抗する句が読み上げられると会場から小さなどよめきが上がる。さてさて、どの句が今日の最高点となるのだろう。採点係が集計をする間、芳賀陽子事務局長より新会員の紹介があった。今年度の新会員21名のうち7名の方が当日参加された。新会員7名が壇上に上がり、それぞれ力強く抱負を述べられた。続いて第39回現代俳句評論賞を受賞された武良竜彦氏の紹介があり、ご本人より受賞のご挨拶を頂いた。尾崎会長の大会賞、武良氏の評論賞と素晴らしい受賞が重なり、改めて神奈川県現代俳句協会の層の厚さを感じることとなった。続いて募集句の講評。森田緑郎特別顧問、尾崎竹詩会長、川村智香子顧問より講評を頂く。募集句全体として、昨年より俳句の幅が広がった印象とのお話もあり、その中で今後目指すべき俳句の方向性など示唆に富むお話を頂いた。当日句の講評は酒井弘司顧問、野木桃花参与、栗林浩参与、田畑ヒロ子副会長、川村研治副会長より頂いた。各氏とも三句に絞る難しさの中で視点を定めての選句。それぞれの読みの深さに感心するとともに、俳句というものの多様性、多面性を改めて感じることとなった。
続いて表彰に移り、田中悦子氏より事前投句の大会作品成績発表を頂いた。第1位の神奈川現代俳句協会賞には中岡昌太氏、第2位の神奈川県知事賞には衣川次郎氏。以下、第8位までの各賞の表彰を尾崎竹詩会長並びに各会代表のご来賓より頂いた。当日句会については、成績発表を長谷川昭放副実行委員長より、表彰は大本尚実行委員長より頂いた。第1位は事前投句でも第1位の中岡昌太氏。尾崎会長からは独占禁止法違反ではないかとのユーモアの言もあり会場が沸く。中岡昌太さんをはじめ上位入賞者には常連のベテランも多く、さすがと思う一方で来年は自分がとの思いを強くされた会員も多かったのではないだろうか。上位十10位までは表彰状と賞品を授与。以下、各順位賞・結社賞と多くの参加者が賞を得ることができた。拍手で受賞者を称え会場は和やかな熱気に包まれた。
最後に、川村研治副会長より閉会の言葉を頂き盛況のうちに大会はお開きとなった。実行委員の手際良い運営のお陰で予定通りに進行され、幹事全員で会場片付けを済ませた後、懇親会会場へ。懇親会も盛上がり参加者全員の協力で充実した大会となりました。

《募集句入賞作品》
神奈川県現代俳句協会賞
  死ぬまで戦後八月の咀嚼音    中岡 昌太
神奈川県知事賞
  眠るものみな眠らせて木の実降る 衣川 次郎
神奈川県議会議長賞
  草蜉蝣みんなどこかへ行く途中  小池 義人
神奈川県教育委員会教育長賞
  異論反論枝豆の殻積みあがる   かわにし雄策
神奈川新聞社賞
  蝌蚪の尾で繋がっている過疎の村 小林万年青
テレビ神奈川賞
  なめくじり試行錯誤の跡がある  川島由美子
横浜俳話会賞
  反骨のだれにもまけぬ唐辛子   岩城 庸子
川崎市俳句連合会賞
  過去よりも短かき未来日記買ふ  鈴木 幸生

《当日一句会》
 ―来賓作品―
  蓮の実飛ぶ秘めたる恋の速射砲  德吉洋二郎
  寒風を縫つて世に出る紙の舟   山本 敏倖
  実数はいつも少なめ柘榴爆ぜ   戸川  晟
  冬空へ悩みを破る紙ふぶき    梶原 美邦
  冬空に雲が絵を描く紙あげる   福原 瑛子
 ―入賞作品―
神奈川県現代俳句協会賞
  遺書いまだ白紙でありぬ冬銀河  中岡 昌太
横浜市長賞
  どの紙もひそとざわめく大試験  かわにし雄策
横浜市会議長賞
  ざくろの実叩けば夕日ちりぢりに 川名  大
横浜市教育委員会賞
  実印を作る雪女をやめる     なつはづき
テレビ神奈川賞
  列島は紙の方舟冬に入る     佐々木重満

∬ 神奈川県現代俳句協会主催 第36回横浜吟行会 ∬

 2019年6月8日(土)神奈川県現代俳句協会主催の横浜吟行会が開催された。場所は山下公園近くの波止場会館。大桟橋入口に位置するこの建物の5階ホールからは大桟橋と象の鼻パークがよく見える。梅雨入りしたばかりの当日は気温20度の霧雨だったが、役員たちが9時過ぎより集まって来て、役割分担に従って粛々と準備を進めた。
 傘をさす人が減ってきた10時30分より受付開始。担当は田畑ヒロ子副会長をチーフとする植田いく子・杉春美・関根洋子の三氏で、当日の参加者は73名であった。受付をすませた参加者たちは三々五々吟行に出かけた。この辺りは横浜の観光地の中心で、既にどこも多くの観光客で賑わっていた。見所は山下公園・大桟橋・みなとみらい地区・赤レンガ倉庫・マリンタワー・中華街など。
 12時30分に投句を締切り、岩田信参与の司会で吟行句会がスタートした。内藤ちよみ実行委員長の挨拶、鈴木和代副会長の開会の言葉、尾崎竹詩会長の挨拶と続いた。今年三月に会長に就任された尾崎氏の内外に向けての初めての公式なご挨拶となった。尾崎会長は、素晴らしいロケーションで吟行会が出来ることと酒井弘司先生のご講演が楽しみと述べられ、俳句の座を「神の座(くら)」になぞらえて座のもつ力を得て一生懸命に勉強していこうと話された。
 開始10分後には酒井弘司先生のご講演が始まった。演題は「眺望の俳人―森澄雄さんのこと」である。最初に人間探究派、新興俳句についてのご説明があり、その後、森澄雄の作品を年代を追って紹介された。ご親交があった方ならではの森澄雄の生活状況を具体的に話されながらの作品紹介には強い説得力があり、参加者は圧倒される思いで拝聴した。また森澄雄の句には「妻へのおもい」と「人間の生きている時間」という二つの大きなテーマがあると述べられ、最後に「自分はどのような立ち位置で俳句を書いているのかをハッキリさせることが重要」と結ばれた。
 神奈川が誇る強力な「晴れ女」のお陰で日射しが明るさを取り戻した頃、お待ちかねの句会開始。清記は村上友美幹事をチーフに中山妙子・稲葉喜子・比留間加代・堀口みゆき・吉野美和子・山田ひかるの六氏が担当。披講は川村研治・芳賀陽子・田中悦子の三氏、採点は望月英男幹事をチーフとする平田薫・荻野樹美・菅沼とき子・なつはづき・渡辺照子の五氏が行った。披講終了後、採点集計の時間を利用して10人の先生方にご講評を伺った。ご自身が採られた三句について選をされた理由をそれぞれ述べられ、参加者は良い勉強の機会を得た。以下、順に内容を簡単に記載する。

  1. 麻生明前横浜俳話会会長 「梅雨の海霧ランナー生るる大桟橋」映像が浮かんでくる。このランナーは多分原色のウェアを着た女性だろう。「ジャズ鳴らす波止場のヨーコ枇杷たわわ」歌の文句のよう。波止場のヨーコは一寸影のある女の人?ジャズと枇杷が上手く呼応している。「海に浮く白船梅雨を軽くせり」気持ちのいい句。まわりの雰囲気を軽くして抒情的にうまくあしらっている。
  2. 鹿又英一参与 吟行では吟行で見たものを出す事と、今の季節に合う季語を使うようにと力説された。「梅雨湿り浮桟橋に軋む船」浮桟橋にしっかりモノが見える。今の時期の旬の句。「三塔の見ゆる桟橋梅雨はじめ」固有名詞がしっかり出ている。「噴水の天辺に北斎がいる」この場所をしっかり捉えて場所に対して挨拶している。
  3. 渡辺正剛参与 「梅雨の海霧ランナー生るる大桟橋」今日は本当に大勢の人が走っていた。「黒南風やF点滅の電光板」F点滅が分かりにくかったが、入港を許可するサインと知り、横浜港らしい珍しいところを上手く捉えられたと思った。「一樹なき大桟橋の梅雨入かな」コンクリートで固めた大桟橋を「一樹なき」とうまく表現された。
  4. 川村智香子顧問 「眸の中は青水無月の雨の色」グレース・ケリーのような眸が浮かんだ。「青水無月」という語がとても綺麗で、美しく青い眸を思わせた。「船虫に密航のゆめ大桟橋」船虫は岩場にいて傍に行くとサッと逃げる。そんな船虫にも「密航のゆめ」がある、と納得した。「六月のかもめを抱いてくる少年」今日の特選句。色々なかもめがある中で、少し鬱陶しい六月に、かもめという希望を抱いた少年がやってくると解釈した。
  5. 中岡昌太顧問 「白南風や余生の長き氷川丸」今日の句に「白南風」はどうかと思ったが、中七と下五の措辞に強く魅かれた。「華人居て大きな声に梅雨晴間」華人というのは中華街の人ではなくて、みなとみらいを歩いている中国人観光客の一団だと思う。彼らは何処でも大きな声で話す。「噴水の天辺に北斎がいる」噴水を見ていると心の中にある色々なものが出てくる。天辺の崩れる所に北斎がいると感じたのは、やはり日本人ならではと思った。
  6. 酒井弘司顧問 「桟橋に林の匂い梅雨はじめ」林の匂いと強引に持ってきた。「一樹なき」の句と対照的で、桟橋に林を出したことに意外性を感じた。「梅雨に飽きフランスに行く蝸牛」なぜフランスなのか、イタリアでもイギリスでもよいのに。作者の心の中にあるフランスがここに出てきたのである。「噴水の天辺に北斎がいる」北斎の絵を自分の気持ちに置き換えて詠んだ。この三句の持っている内省が良いと思った。意外性に魅かれて採った。
  7. 渡辺和弘副会長 「桟橋に林の匂い梅雨はじめ」桟橋に立って林の匂いを感じたという。梅雨はじめだからこそ林の匂いを感じ取ったというところが私に響いて来た。「雨止めば呪縛がとける蝸牛」蝸牛と雨のイメージはくっ付いているが「呪縛がとける」という作者の想いがとても良いと思った。蝸牛をうまく生かしている。「六月のかもめを抱いてくる少年」読む者に詩を感じさせ強く心に響いてくる。六月という季語を生かしていて、今日の句の中でひと際響くものがあった。
  8. 鈴木和代副会長 「梅雨に入る肩寄せ合いて傘の行く」俳句の友達という濃い仲の優しさを感じた。「潮の匂ひ仲間の匂ひ梅雨曇」仲間の良さを詠っている。「サクランボ記憶たぐりて山手の恋」サクランボで可愛らしさを出し、「山手の恋」に優しさを感じた。
  9. 西野洋司副会長 「潮の匂ひ仲間の匂ひ梅雨曇」横浜でなくてもいいが「潮の匂ひ」に三好達治の「海の中には母がいる」の懐かしさがあり、「仲間の匂ひ」には香水にはない良さがある。「白南風や余生の長き氷川丸」今日は確かに白南風ではないが、この句には的確。氷川丸の今の様子を捉えていて、人間も船も同様に明るく表現された。「船虫に密航のゆめ大桟橋」この句は船虫でもっている。ゾロゾロっといる船虫は取って食う人もいないし虫自体に陰謀があるんじゃないかという気にもなる。
  10. 尾崎竹詩会長 今後、神奈川現俳がどのような方向を目指すのかという事を基準にして選句した。「雨止めば呪縛がとける蝸牛」吟行会だからこそ見えたもの。写生句として見た通りに出すだけでなく、「雨止めば」と蝸牛の関係が普通と逆になっていて、作者の想いが私に新しい発見をもたらしてくれた。「海月浮くもう人間には戻らぬと」人間に戻りたかったのは浮いてくる前。海の底にいた時には人間に戻りたいという煩悩があったが、浮いて来たことで解脱したようだ。「噴水の天辺に北斎がいる」北斎がいてくれたことで日本人として誇りが持てる。作者は噴水をよくよく見ていて天辺に北斎がいると思った。感銘を受けた句。

 講評後、望月英男幹事より成績発表があり、尾崎会長と内藤実行委員長により賞品の授与が行われた。川村智香子顧問の閉会の言葉をいただき、本日の吟行会が無事終了。各幹事は後片付けをすませ、懇親会会場の中華街へと参加者を誘導した。

【記録・伊藤 眠】

―当日の高点句―   高点順30位まで(同点の場合は清記順)
白南風や余生の長き氷川丸     関根 洋子
船虫に密航のゆめ大桟橋      長谷川昭放
六月のかもめを抱いてくる少年   酒井 弘司
雨止めば呪縛がとける蝸牛     内藤ちよみ
つばめ飛ぶ社交辞令のやうな雨   渡辺 照子
噴水の天辺に北斎がいる      麻生   明
ジャズ鳴らす波止場のヨーコ枇杷たわわ 大西   惠
海月浮くもう人間には戻らぬと   加賀田せん翆
水色の象いる六月のカフェテラス  芳賀  陽子
梅雨晴れ間波が置き去るプラ・芥  畑   佳与
眸(め)の中は青水無月の雨の色  稲葉   喜子
角振ってどこへも航(ゆ)かぬ蝸牛 渡辺  順子
病葉は全て風ですピエロです    金子    嵩
海に浮く白船梅雨を軽くせり    川村智香子
黒南風や海に真向ふ供養塔     川野 ちくさ
桟橋に林の匂い梅雨はじめ     佐藤   久
潮の匂ひ仲間の匂ひ梅雨曇     比留間加代
夏潮や今日は観光客の貌      なつはづき
腹の内開けっ広げの海月かな    宇佐見輝子
サクランボ記憶たぐりて山手の恋  藤方 さくら
薔薇の園ふと国籍を問うている   村上 友美
三塔を見据ゑ接岸梅雨の入り    桐畑 佳永
梅雨に飽きフランスに行く蝸牛   田畑 ヒロ子
梅雨空や今日も泣いてる赤い靴   菅沼 とき子
紫陽花の貧血気味の大さん橋    らふ亜沙弥
入梅や青磁の欠片めける波     広田 輝子
梅雨の海霧ランナー生るる大桟橋  若林つる子
百合百花文明開化の鐘がなる    山田ひかる
海音に旋律走る雲の峰       鈴木 和代
港町晴れ女いる梅雨の入      野澤代施美

【作品記録・佐々木重満】

§ 役員構成 § 〔令和2年2月28日現在【太字は新人事】〕

特別顧問:森田緑郎
名誉会長:𠮷田 功 (𠮷は土に口)
 副会長:大本 尚・川村研治・田中悦子・田畑ヒロ子・内藤ちよみ・渡辺和弘
(相談役:川村智香子)
事務局長:芳賀陽子
 同次長:岡田翠風
事務局付IT部長:伊藤 眠
 同副部長:石川夏山
総務部長:佐々木重満
 同副部長:岡田恵子・渡辺照子
(相談役:大本 尚)
事業部長:佐藤 久 
 同副部長:藤方さくら・村上友美
(相談役:内藤ちよみ)
編集部長:杉 美春
 同副部長:なつはづき
(相談役:田中悦子)
経理部長:平田 薫
 同副部長:関根洋子・三上 泉
(相談役:芳賀陽子)
幹 事:青島哲夫・秋山貞彦・石鎚 優・伊藤 梢・稲葉喜子・植田いく子(編集部)・宇佐見輝子・岡田典代・荻野樹美・尾澤慧璃(事業部)・加賀田せん翠・金栗トモ子・川名将義・桐山芽ぐ・斉藤すみれ(経理部)・佐野典比古・菅沼とき子(編集部)・塚田佳都子・山老成子・長谷川昭放・平佐和子(編集部)・比留間加代・福田洽子・星 由江・町野敦子・三沢容一・望月英男(編集部)・山田ひかる・横川はっこう・吉野美和子・吉村元明・らふ亜沙弥・若林つる子・渡辺順子 
4ブロック(相談役:田畑ヒロ子・渡辺和弘)
横浜ブロック長:なつはづき
 副ブロック長:桐山芽ぐ 
川崎ブロック長:加賀田せん翠
 副ブロック長:町野敦子・山田ひかる
湘南ブロック長:堀口みゆき 
 副ブロック長:渡辺正剛・荻野樹美
西部ブロック長:長谷川昭放
 副ブロック長:菅沼とき子・加藤かほる・北村文江
監査役:中山妙子・麻生 明
顧 問:朝広純子・綾野南志・荻田礼子・川村智香子・酒井弘司・佐々木英子・鈴木和代・瀬戸美代子・佃 悦夫・中岡昌太・西野洋司・藤田 宏
参 与:相川玖美子・綾野道江・岩田 信・小関邦子・鹿又英一・川嶋隆史・川名 大・川辺幸一・木村和彦・栗林 浩・河野 薫・小町 圭・衣川次郎・田中亜美つはこ江津・手塚玉泉・長島喜代子・野木桃花・日置正次・福原瑛子・松下カロ・三村凪彦・山田貴世・山元志津香・渡辺正剛
【伊藤 眠・報】