尾崎竹詩会長

会長 尾崎竹詩
事務局長 芳賀陽子
事務局
郵便番号 237-0063
所在地 横須賀市追浜東町3-86
TEL 0468-65-4307

 

 

 

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◇地区の予定

◇神奈川県現代俳句協会令和元年度定時総会記

◇4ブロック

【横浜ブロック】

【川崎ブロック】

【湘南ブロック】

【西部ブロック】

◇役員構成

会長挨拶 尾崎竹詩

 平成31年3月3日の定時総会において神奈川県現代俳句協会の会長を拝命することになった尾崎竹詩です。当協会は今年37年目を迎え伝統と目覚ましい歴史を誇っています。現在までの神奈川県現代俳句協会を創り、育ててこられた先輩方の知恵と努力の結晶であることは間違いありません。その第八代会長という重責を担うことになりました。とても個人で担いきれるものでないことは明白です。現在の役員、会員そして俳句をこよなく愛する同志がなければ継続発展できるものではありません。私は神奈川県現代俳句協会という『座』を通して俳句に親しみ、人生を楽しみたいと思っています。
 現在の当協会は深刻な課題を抱えています。会員の高齢化と会員の減少傾向です。この二つの課題の根っこは一つだと思っています。この解決策は「現代俳句の楽しみ方」「現代俳句の面白さ」を多くの人に知ってもらうことではないでしょうか。「現代俳句」がこんなに楽しいものだということを発信していきましょう。そして私たち会員一人一人が俳句を楽しみ、会員同士が研鑽と親睦を深めていきましょう。笑顔のあふれる場所には人が集まってくると思います。あたたかく示唆に満ちた場所は離れたくないのではないでしょうか。
 金子兜太亡き後の現代俳句協会は、兜太ロスになりかかっています。しかし、兜太が背負ってきたものを一人で担うのは困難です。現代俳句には『座』という莫大な財産があると思うのです。この『座』が新しい理念を生み、活力を作るのではないでしょうか。松尾芭蕉を生んだ蕉門があったように、金子兜太を育てた現代俳句協会があったのです。令和の現代俳句協会を創るのは、私たち一人一人の知恵と努力次第だと思っています。

さあ、新しい令和の時代に新しい現代俳句を探しに行きましょう。

 

【 行事 】

(2020年4月3日追加更新)

予定されている行事は、中止・延期になる場合があります。

地区の予定

【中止】4月5日(日)横浜・川崎ブロック吟行会(大本山総持寺)
受付:11時
投句締切:13時
講演会講師:宮崎斗士(現代俳句協会研修部長、「海原」副編集長)
会場:鶴見公会堂 JR鶴見駅より徒歩1分(西友フーガ1号館6F)
懇親会:予定あり
会費:句会=1,000円、懇親会=未定

【中止】6月6日(土)横浜吟行会(野毛山動物園ほか)
受付:11時
投句締切:12時30分
講話:麻生明(横浜俳話会元会長)
会場:横浜市健康福祉総合センター
懇親会:17時より(千年の宴)
会費:句会=1,000円、懇親会=4,000円

【中止】11月23日(月)祝日 第38回神奈川県現代俳句協会俳句大会
受付:11時
席題発表:11時10分
開会:12時
投句締切:12時10分
講演会講師:武良竜彦「小熊座」同人
会場:かながわ県民センター2F JR横浜駅西口徒歩5分
懇親会予定あり
会費:句会=1,000円 懇親会=5,000円

§ 神奈川県現代俳句協会令和元年度定時総会記 §

 令和2年2月28日 於・かながわ県民センター

令和1年度総会は、令和2年2月28日、新型コロナウイルス感染の拡大とその予防のために、政府から26日に2週間の全国的なスポーツ・文化イベントの自粛、27日に春休みまでの学校の休校の要請が出されるという日本社会が揺れ動くなかで行われた。当会も、前日までに懇親会は中止としていたが、当日に一句会も中止して開かれた。

総会は、田畑ヒロ子副会長が開会のことばを述べて開始された。芳賀陽子事務局長からは、参加者は41名であるが、委任状は164通で、合わせて会員の4分1以上となるので、会が成立したことが宣言された。尾崎竹詩会長の挨拶では、来賓の方々が大変な時期に神奈川までおいでいただいたことに謝意を表すとともに、一句会、懇親会を取りやめにしたことが説明された。

続いて、来賓の千葉県現代俳句協会会長並木邑人氏、東京都現代俳句協会副幹事長小高沙羅氏、東京多摩地区現代俳句協会副会長永井潮氏、横浜俳話会副会長衣川次郎氏から心温まるご祝辞をいただいた。そのなかでは、神奈川県はブロックに分かれて大変活発な活動をされており、これからも神奈川、東京と連携していきたい(千葉県)、新型コロナウイルスは大変不安であるが、このようななかでも俳句でのつながりは大切にしていきたい(東京都区)、明治の中頃まで多摩は神奈川県の一部であり、現在でも多摩の俳句大会には神奈川県の人が多数参加されている、地続きでの俳句の土壌があり、今後もよろしくお願いしたい(東京多摩地区)、神奈川の現代俳句協会と横浜俳話会は兄弟のようなもの、これからも競い合い、手を取り合って俳句づくり、仲間づくりをしていきたい、というお話をいただいた。

総会議事に入る。議長に角田大定氏、副議長に岡田恵子氏が選出された。2019年度事業報告が芳賀陽子事務局長からあった。会報の発行は113号から116号の4号、3月には総会を開催し、参加者は64名、6月の横浜吟行会の参加者は73名、11月の俳句大会の参加者は96名、募集句は1549句であったという報告があった。引き続き2019年決算報告が平田薫経理部長からあり、中山妙子監査役から正確である旨報告された。2020年度事業計画案は芳賀陽子事務局長から説明があり、6月6日の横浜吟行会、11月23日の俳句大会などの計画が提案され、また、2020年度予算案は平田薫経理部長から説明があり、両案とも拍手で承認された。

次に役員改正の提案が芳賀陽子事務局長からあり、新任として、副会長に大本尚氏、田中悦子氏、内藤ちよみ氏、事務局次長に岡田翠風氏、総務部長に佐々木重満氏、事業部長に佐藤久氏、編集部長に杉美春氏、経理部副部長に三上泉氏、幹事に金栗トモ子氏、佐野典比古氏、星由江氏、西部ブロック長に長谷川昭放氏、西部ブロック副ブロック長に加藤かほる氏、北村文江氏、さらに、監査役に麻生明氏、顧問に鈴木和代氏、西野洋司氏、参与に田中亜美氏、つはこ江津氏、松下カロ氏が推挙され、拍手で承認された。

また、規約改正の提案が尾崎竹詩会長からあった。それは、会員の高齢化と減少への対策のひとつとして神奈川県現代俳句協会に新たに地区会員制を導入するもので、そのための規約改正の提案であった。会員数は平成25年が628名であったが令和1年には450名に減少し、それに伴い、会の運営予算、繰越金も毎年減少しているということである。地区会員は、年会費2,000円、特典として①会報の配布、②総会・俳句大会・吟行会・俳句研究会等への参加、③会員から幹事等への推薦は同等とする、という提案であった。この執行部の提案に対し、会場より、①正会員をやめて地区会員になるという人も想定され正会員の増加につながらない、②協会の価値、役割は何か、結社との関係はどうあるべきかということがある。結社の役割には初心者の教育もあるが、俳人協会は結社からの推薦で会員になる制度があるために会員数を保っているが、現代俳句協会は個人会員が主であるため減少する。③横浜俳話会も年会費二千円なので競合する、という意見があった。また、他の方よりその意見には道理があり、横浜俳話会とは同じ金額であり競合する、結社との関係もどうなのかと思う、今日は参加者が少ないし、一年かけて検討した方がよいのでは、という意見があった。そのほか、神奈川県現代俳句協会にとってはよい案だが現代俳句協会を考えると疑問があるなど、多くの会員から賛否、確認、また検討の必要性などについて、さまざまな意見があった。執行部の提案を本日決定するか、継続で検討するかで挙手による賛否をとった結果、前者が17名、後者が16名で提案は可決された。しかし、議長団から、提案は承認されたが、僅差で、委任状も多いため、1年間の暫定の改正にして、来年度の総会で見直すという付帯意見があった。

各ブロックの活動報告に移り、横浜ブロックなつはづき氏、川崎ブロック加賀田せん翠氏、湘南ブロック渡辺正剛氏、西部ブロック佐々木重満氏から報告があった。その後、新役員の紹介があり、川村研治副会長の閉会のことばで終了、散会となった。難しい社会状況において、参加者が少なめとはいえ総会が成立し、会員が活発に意見を述べ合う雰囲気、環境は今後も大切にしていきたいものだと思われた。
【レポート・石川 夏山】
 

4ブロックの活動と予定

神奈川県現代俳句協会では会員相互の活発で密接な活動を支援する為、県全体での活動とは別に4ブロックに分けての活動を毎月実施しております。これにより、より綿密な会員サービスが可能となります。今後とも、各ブロックの活動に積極的にご参加くださいます様、お願い申し上げます。

【横浜ブロック】 ブロック長:なつはづき
・12月句会 令和元年12月2日
黄落の銀杏並木は泳いでいく    麻生  明
小春日や悩みを山羊に相談す    石川 夏山
鍋一杯短冊切りの冬大根      川島由美子
出発だ今日の気分はこの冬帽子   桐山 芽ぐ
さば缶が好物母の玉子酒      栗原嘉一郎
大雪やいのちの穢れ初期化する   菅原 若水
裏山の荒星つなぐ紐を折る     内藤ちよみ
夕空を軍用機ゆく蕪汁       藤原眞理子
富士山を仰ぎ眺めて年おさめ    細貝 昭吾
オリオン座両の小指の掛ける綾   本田 詠遊
冬薔薇の黄色心に乱反射      山崎美恵子
山眠るその懐に煮炊きして     渡辺 順子
人参や身体の芯が笑わない     なつはづき
・1月句会 令和2年1月6日
逆さまにテレビ見ている冬の蝿   麻生  明
俳人は知的で天然ポインセチア   石川 夏山
振り出しに戻るということ冬木の芽 川島由美子
詰めてつめて集合写真注連飾    桐山 芽ぐ
ビール党の亡き友偲ぶ冬の月    栗原嘉一郎
気風とは黄身が二つの寒卵     菅原 若水
独り言つこぼす徳利寒の入     内藤ちよみ
お経かと思えば校歌年の暮     早坂 澄子
鮪切る揃いの膳は黒漆       藤原眞理子
富士山を仰ぎ眺めて年おさめ    細貝 昭吾
遥拝の初富士は一寸の姫      本田 詠遊
数の子を嚙む一人が泣けば皆泣く  町野 敦子
元朝や朱塗り鎌倉彫の盆      山崎美恵子
煮凝や温度差消えてゐる二人    渡辺 順子
キーンと夜ツキノワグマが振り返る なつはづき
・2月句会 令和2年2月3日 
片言で値切る女の大マスク     麻生  明
冬ざれやアッカンベーをするミイラ 石川 夏山
べっ甲飴鬼の型抜く春立つ日    江原  文
大好きな靴は片減り春の野へ    川島由美子
ちらっと見た跳んでったのは野兎だ 桐山 芽ぐ
立ち読みの右手袋をくらえおり   栗原嘉一郎
人体の七割は水雪女        菅原 若水
暖冬や片栗粉減るふしぎふしぎ   早坂 澄子
片仮名の花の名ばかり春の庭    藤原眞理子
書初や先づ筆順を空に書き     細貝 昭吾
江の電に逃げ込んでくる鬼やらい  内藤ちよみ
成人の日やピーマンの気の満ちる  本田 詠遊
空白を余すことなく雪虫は     町野 敦子
梅が香や空き家の門の仁王立ち   山崎美恵子
湯たんぽや丑三つの地震知らずして 渡辺 順子
綿棒で闇をくすぐる春隣      なつはづき

◎毎月第一月曜日
・相鉄線星川駅下車「かるがも」(保土ケ谷区福祉保健活動拠点)で行います。
・4月は川崎との合同吟行会 (中止になりました。)
4月5日 鶴見公会堂(西友フーガ1号館6F) 受付11:00 投句締切13:00
嘱目2句 吟行地:総持寺 講演:宮崎斗士(現代俳句協会研修部長、「海原」副編集長)
【なつはづき・報】
 

【川崎ブロック】 ブロック長:加賀田せん翠 於:川崎市総合自治会館
・12月句会 令和元年12月21日
「ああ上野」これを合図に忘年会  青島 哲夫
待たされているものどうし冬木の芽 麻生  明
年末の買わずに過ぎる宝くじ    植田いく子
マスクして話がそれてしまいけり  加賀田せん翠
鳩時計十分早めに鳴く師走     佐藤 廣枝
年忘れみな一芸を持ち合はす    関戸 信治
短日に解く算数の一教科      ダイゴ鉄也
待ち惚け師走の空の昼の月     山老 成子
早朝の冬虹街を跨ぎけり      福原 瑛子
冬林檎遊び足りない足の裏     町野 敦子
恋人待つ至福の時間クリスマス   三沢 容一
いつまでもどこまでも待ち大海鼠  山田ひかる
安静と言われても主婦根深汁    吉居 珪子
・1月句会 令和2年1月18日
葉牡丹の渦の真ん中孫娘      青島 哲夫
どうどうと亭主がのぞく女正月   麻生  明
勾玉の深き眠りや寒満月      植田いく子
湧き出づるものあり雑煮食べてより 加賀田せん翠
花八ツ手よく鳴く猫へかがみ込む  佐藤 廣枝
沖を見つめる男目深に冬帽子    関戸 信治
雪もよい女ばかりのバスの中    ダイゴ鉄也
深夜二時のバス停ひとり空っ風   内藤ちよみ
浮寝鳥兵糧攻めのありし頃     町野 敦子
セーターを着る時脱ぐ時目をつぶる 三沢 容一
寒林の土の深きに夜明けきく    山田ひかる
深深ときれいなお辞儀春着の娘   吉居 珪子
待春の書き味深き万年筆      吉田香津代
・2月句会 令和2年2月15日
薬屋の前を過ぎ行く春一番     青島 哲夫
国境を越え来るものに春の風邪   麻生  明
故郷より吹いて来る風春寒し    植田いく子
春の月ノムさん妻を探し逝く    加賀田せん翠
東風抜ける指もどかしき駅ピアノ  佐藤 廣枝
雪原に橋や九戸の影沈む      関戸 信治
梅真白すこし敬意の冠木門     ダイゴ鉄也
花柄のマスク未だに人見知り    山老 成子
如月の空より音の急降下      町野 敦子
早春の雨後ほのぼのと人佇てり   三沢 容一
雛飾る今年の風を少し入れ     山田ひかる
ジャコメッティの男が吹かれ雪解風 吉居 珪子
指切りをするだけの指さえずれり  吉田香津代

◎毎月第1土曜日(川崎自治会館)
・4月は横浜との合同吟行会 (中止になりました。)
4月5日 鶴見公会堂(西友フーガ1号館6F)受付11:00 投句締切13:00

嘱目2句 吟行地:総持寺 講演:宮崎斗士(現代俳句協会研修部長、「海原」副編集長)
※今後の予定 毎月第三土曜、川崎総合自治会館にて開催。お問い合わせ下さい。
【町野 敦子・報】

 
【湘南ブロック】ブロック長:堀口みゆき 於:藤沢市民活動センター

・第59回サンシャイン句会 令和元年12月13日 当季雑詠5句(うち席題一句「煤」)
銀杏散る風の軌道は渦になる    稲葉 喜子 
朝時雨手に余りたるジャムの蓋   荻野 樹美
切株に酒呑童子の日向ぼこ     金栗トモ子
寒禽の争ひやすき漁りかな     河村 青灯
生涯を脇役という葱の白      田畑ヒロ子
白山茶花アリバイあるを口添えす  芳賀 陽子
姿見を磨けば来さう雪女      堀口みゆき
ポケットにさぐるのど飴冬の月   馬来まち子
冬青し観音の笑み白光す      渡辺 正剛 
・第60回サンシャイン句会 令和2年1月10日 当季雑詠5句(うち席題一句「湘or南」)
初鴉世直し議論かまびすし     安藤 靖
逗子葉山湘南海岸恵方道      稲葉 喜子
海と湖違え湘南冬日燦       荻野 樹美
七十路の心のうちに冬木の芽    金栗トモ子
寒稽古散らすは涙かも知れぬ    河村 青灯
冬銀河吟遊詩人になりすます    芳賀 陽子
湘南の名の増えてをり冬薔薇    堀口みゆき
湘南のモノレールより初日の出   馬来まち子
「死者の書」は古典めきたり読はじめ 渡辺 正剛
・第61回サンシャイン句会 令和2年2月14日 当季雑詠5句(うち席題一句「春」)
冴返る対話何度も噛みあわず    安藤 靖
来なくなった美人引売り焼芋屋   稲葉 喜子
梅真白見えざるものの恐ろしさ   荻野 樹美
寒明けは私を放し飼いにする    芳賀 陽子
意識下に始祖鳥の脚草萌ゆる    堀口みゆき
八十歳の旅券更新草萌ゆる     馬来まち子
春寒やおれおれ詐欺の電話来る   渡辺 正剛

※今後の予定  毎月第2金曜14時~17時、藤沢市民活動センターにて開催します。
会場の都合により日時変更の可能性あり。お問い合わせ下さい。
【堀口みゆき・報】
 
【西部ブロック】 ブロック長:田畑ヒロ子 於:秦野市立西公民館

・12月丹沢句会(第70回) 令和元年12月20日 ※清記順
センターを目指すアイドル冬北斗  石井 秀稀
日翳れば山茶花うすいうすいブルー 尾崎 竹詩
あり〼は女将の書体鮟鱇鍋     長谷川昭放
木の瘤の笑ってゐたるクリスマス  川村 研治
教皇の祈り 冬夜の爆心地     加藤 三眠
ポインセチアはんぶん本当はんぶん嘘 竹村 半掃
銀杏黄葉がまん強い子が残る    芳賀 陽子
加速する世に乗りきれず冬鴎    北村 文江
冬帽子離れられない仲になる    髙橋 姜子
デクノボー雨夜雪夜を美しく    二上 貴夫
白鳥の魂運びゆく青い闇      中尾 美琳
柚子風呂や私が私になる時間    加藤かほる
外套の膨らみ具合これは愛     内藤ちよみ
空瓶に組み込む船や虎落笛     酒井 敏光
野良猫の睥睨空き家の師走かな   飯田美枝子
権兵衛も政官もする頬被      佐々木重満
俳諧の笑ひいつしか師走かな    渡辺 正剛
枯れ草に火群まだまだ浮世人    菅沼とき子
曲ること知らぬか折れて枯蓮    岡本  保
白侘助利休思えば焔なり      田畑ヒロ子
極大に寝て双子座流星群      源  桃子
咲く石蕗の照らす夜道を独り行く  羽田 勝二
・1月丹沢句会(第71回) 令和2年1月17日※清記順
マスクよく売れ哲学書売れ残る   長谷川昭放
雪嶺にスピードダウン箱根号    立石 彩佳
再生は一度死ぬこと枯蓮      岡本  保
海光をカメラにをさめ四方の春   佐野典比古
七草粥遊びのように吹き与う    田畑ヒロ子
笑わない男にも笑み初鏡      桜庭 義昭
謎解きの手掛りとして冬林檎    芳賀 陽子
どんど火の賑わい果ててある時空  加藤かほる
獏まくら云わぬが花の中にあり   竹村 半掃
軽忽を戒む遺影寒牡丹       源  桃子
明星や初夕焼けを一人占め     石井 秀稀
羽毛布団殺生石となりにけり    佃  悦夫
七草粥五体に瑞穂の血巡る     佐々木重満
シクラメンごと売却の異人邸    内藤ちよみ
初御空鰓呼吸して脱皮して     尾崎 竹詩
席決まり先ずは昼食初句会     加藤 三眠
一月や寝そべってゐる水平線    川村 研治
左義長や裸一貫酒匂ふ       渡辺 正剛
雪富士の淑気真近に田舎駅     飯田美枝子
初春を母と祝いつ来年も      羽田 勝二
人病みて庭荒れ門の梅固し     酒井 敏光
とつおいつ年は立ちけり波静か   菅沼とき子
シクラメン白は飛天の翼とも    北村 文江
ほんとうは笑っているの枇杷の花  髙橋 姜子
・2月丹沢句会(第72回) 2月21日 ※清記順
落ち椿私は迷うことばかり     加藤かほる
初桜誑(たばか)る女を友とする  渡辺 正剛
花ひらくぶつぶつ南無阿弥陀佛   佃  悦夫
亀鳴くや墓に備へし名刺入れ    岡本  保
梅真白人生これからパートⅡ    北村 文江
朗報は早いほど良いイヌフグリ   髙橋 姜子
伸びあがり我も早咲き桜なり    川村 研治
ポストボックス梅の小枝に手紙添え 芳賀 陽子
遠山にハンカチ程の早桜      加藤 三眠
青饅や貧の昭和の故郷よ      佐々木重満
冬銀河静かに腐って行く地球    酒井 敏光
されど友よ、紋白蝶が通せんぼ   與 起
春光や筋肉貯金・骨貯金      源  桃子
春あさきアサギマダラはまだ奄美  北村 文江
みちのくのワイン辛口春満月    田畑ヒロ子
ハンバーガーはみ出すレタスと若者と 尾崎 竹詩
蛇穴を出る疑心暗鬼の目玉     長谷川昭放
・西部ブロック通信句会(募集令和元年10月~12月) 結果報告
※句数256句、62人応募。入賞作品(20位まで、同点句の場合は句番順)
秋風やなんにもつかまるものがない 尾崎 竹詩
蛇穴を出る合鍵は錆びており    金栗トモ子
免許返納さくら紅葉のきれいな日  伊藤  梢
寒林の子やちりぢりに陽を砕き   佐藤  久
自分史の一行にある霧の村     木村 和彦
寒柝を叩けばずしんと闇がくる   渡辺 正剛
丸い背を影に叱られ花菖蒲     石井 清子
闇ひとつ抱えて眠るかまど猫    芳賀 陽子
悪役に徹する背高泡立草      髙橋 姜子
冬の虹老には老の立志あり     小澤 園子
それぞれの夢携えて山眠る     津田ミヤ子
募金箱のそばに団栗おいてある   鈴木かずみ
数え日の雑踏みんな生きている   川島由美子
父の背は不動の四番雲の峰     北村 文江
残照の海を遠くに冬苺       岡田 翠風
どんぐりを踏めば跳ねくる幼年期  守屋茂々子
シースルーエレベーター釣瓶落としかな 田畑ヒロ子
マスクにも白・黒・大・小始発駅  中山 妙子
風雅とはかぜの囁きこぼれ萩    長谷川昭放
総立ちの拍手喝采シクラメン    川村智香子
※西部ブロック通信句会本年も以下の日程で実施予定です。
句数:2句1組(1組千円)募集開始:10月下旬から 投句締切:12月末

【佐々木重満・報】

§ 第37回神奈川県現代俳句協会俳句大会 §

令和元年11月23日 於・かながわ県民センター
レポート・佐藤 久 作品記録・尾澤慧璃
 昨日から冷たい雨が続く中、第37回の大会が開催されました。暖房が入るのは12月からとの規定で、たいへん寒い中での大会となった。あとは参加者の熱気で埋めるしかありません。生憎の天候で参加者は95名と少な目でしたが、活気に溢れ内容も濃い充実した大会となりました。
 当日の席題は「実」と「紙」。例年一つは季語であることが多かったのですが、さてこの変化球の席題をどう受け止めて活かしたものか、各位が思案に沈みます。12時過ぎ、総合司会の渡辺和弘氏の口切り、鈴木和代副会長の開会宣言でいよいよ大会が始まる。大本尚実行委員長の挨拶の中で、事前投句の目標1500句に対し1594句の実績となった旨報告があり、会員全員で大会を盛り上げて頂いたことへの謝意がありました。また、尾崎竹詩会長のご挨拶に先立ち、尾崎会長の句が第56回現代俳句大会賞を受賞されたとのタイムリーで嬉しい報告もありました。これに対して尾崎会長はいつものユーモアで返し会場が和みます。会長からは神奈川県現代俳句協会という座を大切にしようとのお話を頂き、ラグビーのジェイミージョセフヘッドコーチの「俳句」と称した五行の文の紹介からバーナードショーの名言で締め、「俳句をやるから年をとらない」との言葉が印象的でした。
 続いて、ご来賓として千葉県現代俳句協会幹事長の徳吉洋二郎氏、東京都区現代俳句協会幹事長の山本敏倖氏、東京多摩地区現代俳句協会副会長の戸川晟氏、横浜俳話会会長の梶原美邦氏、川崎市俳句連合会会長の福原瑛子氏の各氏よりご挨拶を頂き、温かいご祝辞を頂戴した。
 本日の講演会の講師は俳文学者で神奈川現代俳句協会会員の川名大氏。演題は「名句で読み解く表現史ーナラトロジーの視点からー」というもの。ナラトロジーとは「物語論」と言われるもので、物語や語りの技術や構造について研究する学問である。講演では主に俳句における「作者」と作品上の「語り手」の関係性の観点で歴史的な名句を分析解釈するお話を頂いた。新しい視点で俳句の構造を読み解くことはたいへん興味深く、俳句実作においても示唆に富む内容でした。
 講演終了後、当日句の選句用紙が配られ、選句時間を兼ねた休憩となる。参加者互選で三句選。毎度のことながら百句近くの中から三句のみ選というのは中々たいへんである。2時頃より一句会が始まった。披講は鹿又英一氏、菅沼とき子氏、内藤ちよみ氏の三氏。いつもながらの会場に通る声で選が読み上げられる。終盤になるにつれ、点が拮抗する句が読み上げられると会場から小さなどよめきが上がる。さてさて、どの句が今日の最高点となるのだろう。採点係が集計をする間、芳賀陽子事務局長より新会員の紹介があった。今年度の新会員21名のうち7名の方が当日参加された。新会員7名が壇上に上がり、それぞれ力強く抱負を述べられた。続いて第39回現代俳句評論賞を受賞された武良竜彦氏の紹介があり、ご本人より受賞のご挨拶を頂いた。尾崎会長の大会賞、武良氏の評論賞と素晴らしい受賞が重なり、改めて神奈川県現代俳句協会の層の厚さを感じることとなった。続いて募集句の講評。森田緑郎特別顧問、尾崎竹詩会長、川村智香子顧問より講評を頂く。募集句全体として、昨年より俳句の幅が広がった印象とのお話もあり、その中で今後目指すべき俳句の方向性など示唆に富むお話を頂いた。当日句の講評は酒井弘司顧問、野木桃花参与、栗林浩参与、田畑ヒロ子副会長、川村研治副会長より頂いた。各氏とも三句に絞る難しさの中で視点を定めての選句。それぞれの読みの深さに感心するとともに、俳句というものの多様性、多面性を改めて感じることとなった。
続いて表彰に移り、田中悦子氏より事前投句の大会作品成績発表を頂いた。第1位の神奈川現代俳句協会賞には中岡昌太氏、第2位の神奈川県知事賞には衣川次郎氏。以下、第8位までの各賞の表彰を尾崎竹詩会長並びに各会代表のご来賓より頂いた。当日句会については、成績発表を長谷川昭放副実行委員長より、表彰は大本尚実行委員長より頂いた。第1位は事前投句でも第1位の中岡昌太氏。尾崎会長からは独占禁止法違反ではないかとのユーモアの言もあり会場が沸く。中岡昌太さんをはじめ上位入賞者には常連のベテランも多く、さすがと思う一方で来年は自分がとの思いを強くされた会員も多かったのではないだろうか。上位十10位までは表彰状と賞品を授与。以下、各順位賞・結社賞と多くの参加者が賞を得ることができた。拍手で受賞者を称え会場は和やかな熱気に包まれた。
最後に、川村研治副会長より閉会の言葉を頂き盛況のうちに大会はお開きとなった。実行委員の手際良い運営のお陰で予定通りに進行され、幹事全員で会場片付けを済ませた後、懇親会会場へ。懇親会も盛上がり参加者全員の協力で充実した大会となりました。

《募集句入賞作品》
神奈川県現代俳句協会賞
  死ぬまで戦後八月の咀嚼音    中岡 昌太
神奈川県知事賞
  眠るものみな眠らせて木の実降る 衣川 次郎
神奈川県議会議長賞
  草蜉蝣みんなどこかへ行く途中  小池 義人
神奈川県教育委員会教育長賞
  異論反論枝豆の殻積みあがる   かわにし雄策
神奈川新聞社賞
  蝌蚪の尾で繋がっている過疎の村 小林万年青
テレビ神奈川賞
  なめくじり試行錯誤の跡がある  川島由美子
横浜俳話会賞
  反骨のだれにもまけぬ唐辛子   岩城 庸子
川崎市俳句連合会賞
  過去よりも短かき未来日記買ふ  鈴木 幸生

《当日一句会》
 ―来賓作品―
  蓮の実飛ぶ秘めたる恋の速射砲  德吉洋二郎
  寒風を縫つて世に出る紙の舟   山本 敏倖
  実数はいつも少なめ柘榴爆ぜ   戸川  晟
  冬空へ悩みを破る紙ふぶき    梶原 美邦
  冬空に雲が絵を描く紙あげる   福原 瑛子
 ―入賞作品―
神奈川県現代俳句協会賞
  遺書いまだ白紙でありぬ冬銀河  中岡 昌太
横浜市長賞
  どの紙もひそとざわめく大試験  かわにし雄策
横浜市会議長賞
  ざくろの実叩けば夕日ちりぢりに 川名  大
横浜市教育委員会賞
  実印を作る雪女をやめる     なつはづき
テレビ神奈川賞
  列島は紙の方舟冬に入る     佐々木重満

∬ 神奈川県現代俳句協会主催 第36回横浜吟行会 ∬

 2019年6月8日(土)神奈川県現代俳句協会主催の横浜吟行会が開催された。場所は山下公園近くの波止場会館。大桟橋入口に位置するこの建物の5階ホールからは大桟橋と象の鼻パークがよく見える。梅雨入りしたばかりの当日は気温20度の霧雨だったが、役員たちが9時過ぎより集まって来て、役割分担に従って粛々と準備を進めた。
 傘をさす人が減ってきた10時30分より受付開始。担当は田畑ヒロ子副会長をチーフとする植田いく子・杉春美・関根洋子の三氏で、当日の参加者は73名であった。受付をすませた参加者たちは三々五々吟行に出かけた。この辺りは横浜の観光地の中心で、既にどこも多くの観光客で賑わっていた。見所は山下公園・大桟橋・みなとみらい地区・赤レンガ倉庫・マリンタワー・中華街など。
 12時30分に投句を締切り、岩田信参与の司会で吟行句会がスタートした。内藤ちよみ実行委員長の挨拶、鈴木和代副会長の開会の言葉、尾崎竹詩会長の挨拶と続いた。今年三月に会長に就任された尾崎氏の内外に向けての初めての公式なご挨拶となった。尾崎会長は、素晴らしいロケーションで吟行会が出来ることと酒井弘司先生のご講演が楽しみと述べられ、俳句の座を「神の座(くら)」になぞらえて座のもつ力を得て一生懸命に勉強していこうと話された。
 開始10分後には酒井弘司先生のご講演が始まった。演題は「眺望の俳人―森澄雄さんのこと」である。最初に人間探究派、新興俳句についてのご説明があり、その後、森澄雄の作品を年代を追って紹介された。ご親交があった方ならではの森澄雄の生活状況を具体的に話されながらの作品紹介には強い説得力があり、参加者は圧倒される思いで拝聴した。また森澄雄の句には「妻へのおもい」と「人間の生きている時間」という二つの大きなテーマがあると述べられ、最後に「自分はどのような立ち位置で俳句を書いているのかをハッキリさせることが重要」と結ばれた。
 神奈川が誇る強力な「晴れ女」のお陰で日射しが明るさを取り戻した頃、お待ちかねの句会開始。清記は村上友美幹事をチーフに中山妙子・稲葉喜子・比留間加代・堀口みゆき・吉野美和子・山田ひかるの六氏が担当。披講は川村研治・芳賀陽子・田中悦子の三氏、採点は望月英男幹事をチーフとする平田薫・荻野樹美・菅沼とき子・なつはづき・渡辺照子の五氏が行った。披講終了後、採点集計の時間を利用して10人の先生方にご講評を伺った。ご自身が採られた三句について選をされた理由をそれぞれ述べられ、参加者は良い勉強の機会を得た。以下、順に内容を簡単に記載する。

  1. 麻生明前横浜俳話会会長 「梅雨の海霧ランナー生るる大桟橋」映像が浮かんでくる。このランナーは多分原色のウェアを着た女性だろう。「ジャズ鳴らす波止場のヨーコ枇杷たわわ」歌の文句のよう。波止場のヨーコは一寸影のある女の人?ジャズと枇杷が上手く呼応している。「海に浮く白船梅雨を軽くせり」気持ちのいい句。まわりの雰囲気を軽くして抒情的にうまくあしらっている。
  2. 鹿又英一参与 吟行では吟行で見たものを出す事と、今の季節に合う季語を使うようにと力説された。「梅雨湿り浮桟橋に軋む船」浮桟橋にしっかりモノが見える。今の時期の旬の句。「三塔の見ゆる桟橋梅雨はじめ」固有名詞がしっかり出ている。「噴水の天辺に北斎がいる」この場所をしっかり捉えて場所に対して挨拶している。
  3. 渡辺正剛参与 「梅雨の海霧ランナー生るる大桟橋」今日は本当に大勢の人が走っていた。「黒南風やF点滅の電光板」F点滅が分かりにくかったが、入港を許可するサインと知り、横浜港らしい珍しいところを上手く捉えられたと思った。「一樹なき大桟橋の梅雨入かな」コンクリートで固めた大桟橋を「一樹なき」とうまく表現された。
  4. 川村智香子顧問 「眸の中は青水無月の雨の色」グレース・ケリーのような眸が浮かんだ。「青水無月」という語がとても綺麗で、美しく青い眸を思わせた。「船虫に密航のゆめ大桟橋」船虫は岩場にいて傍に行くとサッと逃げる。そんな船虫にも「密航のゆめ」がある、と納得した。「六月のかもめを抱いてくる少年」今日の特選句。色々なかもめがある中で、少し鬱陶しい六月に、かもめという希望を抱いた少年がやってくると解釈した。
  5. 中岡昌太顧問 「白南風や余生の長き氷川丸」今日の句に「白南風」はどうかと思ったが、中七と下五の措辞に強く魅かれた。「華人居て大きな声に梅雨晴間」華人というのは中華街の人ではなくて、みなとみらいを歩いている中国人観光客の一団だと思う。彼らは何処でも大きな声で話す。「噴水の天辺に北斎がいる」噴水を見ていると心の中にある色々なものが出てくる。天辺の崩れる所に北斎がいると感じたのは、やはり日本人ならではと思った。
  6. 酒井弘司顧問 「桟橋に林の匂い梅雨はじめ」林の匂いと強引に持ってきた。「一樹なき」の句と対照的で、桟橋に林を出したことに意外性を感じた。「梅雨に飽きフランスに行く蝸牛」なぜフランスなのか、イタリアでもイギリスでもよいのに。作者の心の中にあるフランスがここに出てきたのである。「噴水の天辺に北斎がいる」北斎の絵を自分の気持ちに置き換えて詠んだ。この三句の持っている内省が良いと思った。意外性に魅かれて採った。
  7. 渡辺和弘副会長 「桟橋に林の匂い梅雨はじめ」桟橋に立って林の匂いを感じたという。梅雨はじめだからこそ林の匂いを感じ取ったというところが私に響いて来た。「雨止めば呪縛がとける蝸牛」蝸牛と雨のイメージはくっ付いているが「呪縛がとける」という作者の想いがとても良いと思った。蝸牛をうまく生かしている。「六月のかもめを抱いてくる少年」読む者に詩を感じさせ強く心に響いてくる。六月という季語を生かしていて、今日の句の中でひと際響くものがあった。
  8. 鈴木和代副会長 「梅雨に入る肩寄せ合いて傘の行く」俳句の友達という濃い仲の優しさを感じた。「潮の匂ひ仲間の匂ひ梅雨曇」仲間の良さを詠っている。「サクランボ記憶たぐりて山手の恋」サクランボで可愛らしさを出し、「山手の恋」に優しさを感じた。
  9. 西野洋司副会長 「潮の匂ひ仲間の匂ひ梅雨曇」横浜でなくてもいいが「潮の匂ひ」に三好達治の「海の中には母がいる」の懐かしさがあり、「仲間の匂ひ」には香水にはない良さがある。「白南風や余生の長き氷川丸」今日は確かに白南風ではないが、この句には的確。氷川丸の今の様子を捉えていて、人間も船も同様に明るく表現された。「船虫に密航のゆめ大桟橋」この句は船虫でもっている。ゾロゾロっといる船虫は取って食う人もいないし虫自体に陰謀があるんじゃないかという気にもなる。
  10. 尾崎竹詩会長 今後、神奈川現俳がどのような方向を目指すのかという事を基準にして選句した。「雨止めば呪縛がとける蝸牛」吟行会だからこそ見えたもの。写生句として見た通りに出すだけでなく、「雨止めば」と蝸牛の関係が普通と逆になっていて、作者の想いが私に新しい発見をもたらしてくれた。「海月浮くもう人間には戻らぬと」人間に戻りたかったのは浮いてくる前。海の底にいた時には人間に戻りたいという煩悩があったが、浮いて来たことで解脱したようだ。「噴水の天辺に北斎がいる」北斎がいてくれたことで日本人として誇りが持てる。作者は噴水をよくよく見ていて天辺に北斎がいると思った。感銘を受けた句。

 講評後、望月英男幹事より成績発表があり、尾崎会長と内藤実行委員長により賞品の授与が行われた。川村智香子顧問の閉会の言葉をいただき、本日の吟行会が無事終了。各幹事は後片付けをすませ、懇親会会場の中華街へと参加者を誘導した。

【記録・伊藤 眠】

―当日の高点句―   高点順30位まで(同点の場合は清記順)
白南風や余生の長き氷川丸     関根 洋子
船虫に密航のゆめ大桟橋      長谷川昭放
六月のかもめを抱いてくる少年   酒井 弘司
雨止めば呪縛がとける蝸牛     内藤ちよみ
つばめ飛ぶ社交辞令のやうな雨   渡辺 照子
噴水の天辺に北斎がいる      麻生   明
ジャズ鳴らす波止場のヨーコ枇杷たわわ 大西   惠
海月浮くもう人間には戻らぬと   加賀田せん翆
水色の象いる六月のカフェテラス  芳賀  陽子
梅雨晴れ間波が置き去るプラ・芥  畑   佳与
眸(め)の中は青水無月の雨の色  稲葉   喜子
角振ってどこへも航(ゆ)かぬ蝸牛 渡辺  順子
病葉は全て風ですピエロです    金子    嵩
海に浮く白船梅雨を軽くせり    川村智香子
黒南風や海に真向ふ供養塔     川野 ちくさ
桟橋に林の匂い梅雨はじめ     佐藤   久
潮の匂ひ仲間の匂ひ梅雨曇     比留間加代
夏潮や今日は観光客の貌      なつはづき
腹の内開けっ広げの海月かな    宇佐見輝子
サクランボ記憶たぐりて山手の恋  藤方 さくら
薔薇の園ふと国籍を問うている   村上 友美
三塔を見据ゑ接岸梅雨の入り    桐畑 佳永
梅雨に飽きフランスに行く蝸牛   田畑 ヒロ子
梅雨空や今日も泣いてる赤い靴   菅沼 とき子
紫陽花の貧血気味の大さん橋    らふ亜沙弥
入梅や青磁の欠片めける波     広田 輝子
梅雨の海霧ランナー生るる大桟橋  若林つる子
百合百花文明開化の鐘がなる    山田ひかる
海音に旋律走る雲の峰       鈴木 和代
港町晴れ女いる梅雨の入      野澤代施美

【作品記録・佐々木重満】

§ 役員構成 § 〔令和2年2月28日現在【太字は新人事】〕

特別顧問:森田緑郎
名誉会長:𠮷田 功
 副会長:大本 尚・川村研治・田中悦子・田畑ヒロ子・内藤ちよみ・渡辺和弘
(相談役:川村智香子)
事務局長:芳賀陽子
 同次長:岡田翠風
事務局付IT部長:伊藤 眠
 同副部長:石川夏山
総務部長:佐々木重満
 同副部長:岡田恵子・渡辺照子
(相談役:大本 尚)
事業部長:佐藤 久 
 同副部長:藤方さくら・村上友美
(相談役:内藤ちよみ)
編集部長:杉 美春
 同副部長:なつはづき
(相談役:田中悦子)
経理部長:平田 薫
 同副部長:関根洋子・三上 泉
(相談役:芳賀陽子)
幹 事:青島哲夫・秋山貞彦・石鎚 優・伊藤 梢・稲葉喜子・植田いく子(編集部)・宇佐見輝子・岡田典代・荻野樹美・尾澤慧璃(事業部)・加賀田せん翠・金栗トモ子・川名将義・桐山芽ぐ・斉藤すみれ(経理部)・佐野典比古・菅沼とき子(編集部)・塚田佳都子・山老成子・長谷川昭放・平佐和子(編集部)・比留間加代・福田洽子・星 由江・町野敦子・三沢容一・望月英男(編集部)・山田ひかる・横川はっこう・吉野美和子・吉村元明・らふ亜沙弥・若林つる子・渡辺順子 
4ブロック(相談役:田畑ヒロ子・渡辺和弘)
横浜ブロック長:なつはづき
 副ブロック長:桐山芽ぐ 
川崎ブロック長:加賀田せん翠
 副ブロック長:町野敦子・山田ひかる
湘南ブロック長:堀口みゆき 
 副ブロック長:渡辺正剛・荻野樹美
西部ブロック長:長谷川昭放
 副ブロック長:菅沼とき子・加藤かほる・北村文江
監査役:中山妙子・麻生 明
顧 問:朝広純子・綾野南志・荻田礼子・川村智香子・酒井弘司・佐々木英子・鈴木和代・瀬戸美代子・佃 悦夫・中岡昌太・西野洋司・藤田 宏
参 与:相川玖美子・綾野道江・岩田 信・小関邦子・鹿又英一・川嶋隆史・川名 大・川辺幸一・木村和彦・栗林 浩・河野 薫・小町 圭・衣川次郎・田中亜美つはこ江津・手塚玉泉・長島喜代子・野木桃花・日置正次・福原瑛子・松下カロ・三村凪彦・山田貴世・山元志津香・渡辺正剛
【伊藤 眠・報】