協会員様の本/妻恋坂書房
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柴田獨鬼『ままのまま』
懐かしき幽霊もゐて踊りの輪
俳句らしいおかしみと考えれば、奥深さを感じられもし、愉快です。
獨鬼さんの俳句は語彙も豊富で、叙情に充ちていて、確実に読む人を魅了します。
― 冨士眞奈美柴田獨鬼、第二句集
(東京四季出版サイトより引用)
作品紹介
【自薦10句】
生きなほすために死にたき涅槃変
永遠に加ふる一ト日春の夢
散る花のひとつを夢の筏とし
薄秋日うつそみ乗せて舫ひ舟
花野きてなほ揺籃の夢のなか
君亡くて螢のいのち疑はず
にんげんの未練のこしつ螢生れ
小春光無用老爺といふ矜恃
ほとびつつ花散る夜や愼爾の忌
年逝くやなほにんげんのままのまま
【著者紹介】
柴田獨鬼(しばた・どっき)
1953年秋田県生まれ、埼玉県育ち。「港」「らん」を経て「風琴」創刊同人。
2023年第一句集「あかときの夢」(深夜叢書社・埼玉文芸賞準賞受賞)
現在、現代俳句協会会員
工藤俊雄『幻肢』(げんし)
第一句集にして、これほど苛烈で、これほど広大で、しかもこれほど親しく深い句集は稀であろう。見えない手で失われたものに触れようとするように、工藤俊雄は一句一句を書いたに違いない。その手の疼き、その感覚の切実さが、この一巻の隅々にまで行きわたっている。『幻肢』とは、不在の痛みを抱えたまま、なお世界へ手を伸ばす俳句の力を、まざまざと証してみせる句集なのである。―川森基次(序文より)
作品紹介
【自薦10句】
一人静世のはじまりの水の音
胡麻ほどの虫突如飛ぶ底知れず
合歓の花路通と少し徘徊す
完市忌アンモナイトの朱一条
夕かなかな巨きな影が下りてくる
修二会の炎奔りて化現せり
命終のいろはにほへといぬふぐり
いつの間に平座に兜太居て涼し
かまきりの亡骸津軽方言集
草いきれ老いて何かの亜種となる
【著者紹介】
工藤俊雄(くどう・としお)
1931年 青森市に生まれる
1948年 青森県立工業高等学校卒業
寺山修司の去った青森句会に初参加
1952年 青森市苔桃句会(工藤克巳主宰)に入会
上京後も投稿で続ける
1982年 東久留米市句会NHK講師片伯部に師事
2011年 ムツオ氏のハガキを受け小熊座入会
2013年 病気と怪我で小熊座退会
2015年 「遊牧」に入会
田島実桐『空かぬ席』
わが「銀化」の仲間の中に彼女のようなシニカルな視点で世を眺めていた作家がいたとは。
驚きと快哉、そして敬服。
「銀化」主宰・中原道夫(帯文より)
『空かぬ席』の中には見立て、機智、感覚、情趣的諷詠など従来の俳句作品に見られる典型的な傾向に混じって時折どこか不思議な世界が立ち上がる。
不思議というより不穏な空気と言っても良い。
それはむしろ「詩」にとっては大切なこと。
個人的な息吹を感じさせる尋常ならざる風景にこそ「詩」の要諦なのだから。
「街」主宰・今井聖(跋より)
作品紹介
【自薦10句】
燐寸組み蜂の骸を荼毘に付す
夜行図に百鬼をらざる涼しさよ
昔日と変はらぬ鼻梁サングラス
日短か誰か死なねば空かぬ席
梅なんか見てこのままで終はるんだな
鵙高音悪い男でゐて欲しく
熊渡る前方二百メートルを
雨止んで干潟の昼をさみしうす
花火から気づかれぬ位置花火待つ
花屑の出るは出るはの旅鞄
【著者紹介】
田島実桐(たじま・みぎり)
昭和36年 福島県南会津郡生まれ
平成22年 「銀化」入会、中原道夫に師事
平成26年 銀化新人賞
現在 銀化同人、現代俳句協会会員
曾根毅『十翼』(じゅうよく)
第4回芝不器男俳句新人賞受賞!
第8回俳句四季新人賞受賞!
第4回芝不器男俳句新人賞・第8回俳句四季新人賞受賞者、待望の第二句集。
骨太にしてスケールの大きな俳句世界を展開する。
何でもないただの五七五で表された言葉が、技術を超えて、または抜きにして主張するとき、俳句そのものが機能しているといえるのではないでしょうか。
その俳句の骨格を踏まえて、既存の俳句に収斂しないことを意識しています。
──「後記」から(東京四季出版サイトより引用)
作品紹介
客観の一つは影や百日紅
鬼灯の内に骨やら髪の毛やら
英霊の犇めき合っている稲穂
アオザイの膨らんでいる蓮かな
ただ黒い輪郭のあるダリアの夜
囀りを返す淀屋の金襖
太陽の沈まぬ夜の傾斜かな
腰掛けて牡丹に近くなりにけり
青葉闇土偶の孔と繋がれり
寒月光松に習えば松に消え
【著者紹介】
曾根 毅(そね・つよし)
鈴木六林男に師事、「花曜」「光芒」「LOTUS」同人を経て現在無所属。
第四回芝不器男俳句新人賞、第八回俳句四季新人賞。
第一句集『花修』(深夜叢書社・2015年)
百瀬一兎『句集 酸欠の蝶』
第42回兜太現代俳句新人賞受賞!
第42回兜太現代俳句新人賞受賞の百瀬一兎による、待望の第一句集!
受賞作「火の聲」を含む全337句収録。
「句材や文体などに統一感がないことは自覚していますが、この”あっちこっちいく”句柄が、いろいろなことに興味がある自分のらしさだと思い込むようにしています。」―著者あとがきより
作品紹介
【自選10句】
ビー玉を失くしたままの二学期来
飴嚙めば鋭くなりて藤の下
蠛蠓のひとつひとつに有る引力
さくらさくら祖母を燃やした火はどんな
蛾の骸掃くうらがへる掃く毀れる
暖房を早めにつけるだけの愛
眠らざる嬰はひとすくひの銀河
風邪心地わたしの龍を見失ふ
たくさんの神ゐる地球しほまねき
この猿の腰掛から街が腐る
【目次】
鳥の重心
右利き
それぞれの太陽
君やうやく
陽の色
消失点
跋 ―句集『酸欠の蝶』に寄せて 田島健一
あとがき
【著者紹介】
百瀬一兎(ももせ・いっと)
1997年 千葉県生まれ
2020年 作句開始
2024年 「炎環」入会
第42回兜太現代俳句新人賞 受賞
2025年 炎環賞 受賞
炎環新人賞 受賞
【角川俳句コレクション】
昭和俳句史 モダン化、戦中戦後~寺山修司と「牧羊神」
川名 大 著
俳句表現の新風の更新、軌跡としての俳句史
昭和前期の俳句を対象とし、これまでの論稿・作家論・俳壇史的な論考等が大幅に加筆修正された本作。
俳句は「何を」「如何に」表現してきたのか。
内なる表現的史眼による俳句表現史。
前著「昭和俳句史」第二段。
(角川書店サイトより引用)
大井恒行句集『水月伝』
第80回現代俳句協会賞受賞
第23回鬣TATEGAMI俳句賞受賞
句集『水月伝』は、現代俳句文庫『大井恒行句集』(1999年12月)以後、2000年から2023年に至る23年間の作品から選びとった。
なつはづき句集『人魚のころ』
第26回現代俳句協会年度作品賞
第一句集『ぴったりの箱』から5年。
研ぎ澄まされた作者のことばは、読む者の「内なる記憶」に触れて、心の余白をそっと広げてくれる。
特有の身体感覚は健在、その表現は一層しなやかに、ますます自在に羽ばたく。
鮮烈かつ繊細な280句を収めた注目の俳人・なつはづき待望の第二句集!
鈴木牛後『句集 鄙の色』(ひなのいろ)
前句集『にれかめる』で牛飼詩人としてその名を全国に知らしめた著者の、現在までの集大成となる第4句集。
2019年から2023年までの5年間を、白・黒・緑・銀・青の彩りに謳いあげました。
中村和弘句集『荊棘』(おどろ)
第40回詩歌文学館賞受賞
第17回小野市詩歌文学賞受賞
第24回俳句四季大賞受賞
◆第四句集
人間の影こそ荊棘夜の秋
地球温暖化による自然災害、さらにコロナ感染拡大と世はまことにおどろおどろしい。
董振華句集『静涵』(せいかん)
第80回現代俳句協会賞 特別賞受賞作
◆日中対訳最新句集
黄河秋声その漣のその延々
中国の豪胆と
日本の繊細、
董振華氏の俳句は
その幸福な結婚である。
長谷川櫂

メロンにナイフ樹海を進むやうに
あたらしき風くれば鳴る蝶の骨
眠るなり狼は血を傾けて
読初の折られてゐたる白頁
葱坊主空の丸さを言ひにけり
老女より水の音して螢籠

ここはどこあなたはだあれ大花野
十二月八日CTスキャンの脳画像
「あなたのは」とばかり訊く妻さくらんぼ
梅雨明けてわたしにできることは何
家中に蟲身体中に蟲蟬時雨
愛する人が病になったとき、何ができるのか――。アルツハイマー型認知症を患う妻と暮らして10年。ありのままの命を見つめ、明滅する心の瞬間をとどめた俳句集。人間の在り方を問う感動の36句。
朴美代子 句集『母(オモニ)』

蝶とまる母(オモニ)の声のひくければ
足の指そらしてさみし蝶の昼
一本のぜんまいとなり昏睡す
虹きえて眼つめたく帰りけり
夕顔の種をくれたる人も病む
母(オモニ)を慕う、それは同時に母郷への想いと重なり切ないほどに強い
この句集は句数は少ないが在日韓国人としての生涯が滲み、心うたれる(中村和弘)
栗原かつ代 第一句集『母は水色』

この一巻、第一句集にしてすでに詩的自在性と無限の可能性を秘めており、かつ代さんの天性の詩境が光る珠玉のきらめきを感受。さらなる開花を、そして伸展を期待してやまない。山本敏倖(序文より)
冒険の始めはこの木巣立鳥
女みなイヴの末裔林檎食む
極上の噓が聴きたい薔薇の園
伊勢海老や百歳だって脱皮する
すすき原誰か合図をくれないか
高橋透水 第一句集『水の音』
「水鳥の水一枚を分け合へり」
透水さんは今年喜寿を迎えられた。俳句は年季が物を言う文芸であると私は思っている。人生の年輪が俳句の味わいを深めるのである。この飄々とした俳人はこのあとまた一仕事するのではないか、と私は期待しているところである。伊藤伊那男(序文より)
紅梅に飽き白梅を観てをりぬ
春光を縦糸として杼(ひ)の走る
行く春を掃き戻したる竹箒
紫陽花に夢といふ色加へけり
まづ足があほになりゆく阿波踊
中内火星 第一句集『SURREALISME(シュルレアリスム)』
売り切れ

「いかなるものにも属さない詩がある」
当初は全作品「書き下ろし」でと考えたが、さすがにそれは及ばなかった。数句は古い句もあるが、大半の句はここ2~3年の句だ。 勿論「書き下ろし」も多々ある。また、カバー絵はピカソ、マチスのデッサン画を参考に描いたもので、ヌードと蛸の遊びである。(「あとがき」より)
いかなるものにも属さない詩がある
海を見ていた帰り道はもうない
つよい女にきれいな男おんだん化
着ぶくれて妥協しっぱなしなんだ
あれ以来みんな岩手が好きなのさ
加藤知子 第4句集『情死一擲』
売り切れ
俳句が穏やかなもの、誰にでもわかるもの、存問の詩となってから、どのくらい経っただろう。それは俳句が生き残る手段でもあったように思う。それはそれで良い。俳句が穏やかに懐かしく、心を慰めるものである事に、何の間違いもない。しかし、…(竹岡一郎跋文)
ほと深きところに卍春は傷
鏡像は花咲く森の死のむこう
人体のかけらが明りほうほたる
首筋に情死一擲の白百合
月影のゆれつとがりつ藻の花へ










