協会員様の本妻恋坂書房

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曾根毅『十翼』(じゅうよく)

第4回芝不器男俳句新人賞受賞!
第8回俳句四季新人賞受賞!

第4回芝不器男俳句新人賞・第8回俳句四季新人賞受賞者、待望の第二句集。
骨太にしてスケールの大きな俳句世界を展開する。

何でもないただの五七五で表された言葉が、技術を超えて、または抜きにして主張するとき、俳句そのものが機能しているといえるのではないでしょうか。
その俳句の骨格を踏まえて、既存の俳句に収斂しないことを意識しています。
──「後記」から(東京四季出版サイトより引用)

作品紹介

客観の一つは影や百日紅
鬼灯の内に骨やら髪の毛やら
英霊の犇めき合っている稲穂
アオザイの膨らんでいる蓮かな
ただ黒い輪郭のあるダリアの夜
囀りを返す淀屋の金襖
太陽の沈まぬ夜の傾斜かな
腰掛けて牡丹に近くなりにけり
青葉闇土偶の孔と繋がれり
寒月光松に習えば松に消え

【著者紹介】
曾根 毅(そね・つよし)
鈴木六林男に師事、「花曜」「光芒」「LOTUS」同人を経て現在無所属。
第四回芝不器男俳句新人賞、第八回俳句四季新人賞。
第一句集『花修』(深夜叢書社・2015年)


百瀬一兎『句集 酸欠の蝶』

第42回兜太現代俳句新人賞受賞!

第42回兜太現代俳句新人賞受賞の百瀬一兎による、待望の第一句集!
受賞作「火の聲」を含む全337句収録。

「句材や文体などに統一感がないことは自覚していますが、この”あっちこっちいく”句柄が、いろいろなことに興味がある自分のらしさだと思い込むようにしています。」―著者あとがきより

作品紹介

【自選10句】
ビー玉を失くしたままの二学期来
飴嚙めば鋭くなりて藤の下
蠛蠓のひとつひとつに有る引力
さくらさくら祖母を燃やした火はどんな
蛾の骸掃くうらがへる掃く毀れる
暖房を早めにつけるだけの愛
眠らざる嬰はひとすくひの銀河
風邪心地わたしの龍を見失ふ
たくさんの神ゐる地球しほまねき
この猿の腰掛から街が腐る

【目次】
鳥の重心
右利き
それぞれの太陽
君やうやく
陽の色
消失点
跋 ―句集『酸欠の蝶』に寄せて 田島健一
あとがき

【著者紹介】
百瀬一兎(ももせ・いっと) 
1997年 千葉県生まれ
2020年 作句開始
2024年 「炎環」入会
 第42回兜太現代俳句新人賞 受賞
2025年 炎環賞 受賞
 炎環新人賞 受賞


【角川俳句コレクション】
昭和俳句史 モダン化、戦中戦後~寺山修司と「牧羊神」

川名 大 著

俳句表現の新風の更新、軌跡としての俳句史
昭和前期の俳句を対象とし、これまでの論稿・作家論・俳壇史的な論考等が大幅に加筆修正された本作。
俳句は「何を」「如何に」表現してきたのか。
内なる表現的史眼による俳句表現史。
前著「昭和俳句史」第二段。
(角川書店サイトより引用)


大井恒行句集『水月伝』

第80回現代俳句協会賞受賞!
第23回鬣TATEGAMI俳句賞受賞!

句集『水月伝』は、現代俳句文庫『大井恒行句集』(1999年12月)以後、2000年から2023年に至る23年間の作品から選びとった。

作品紹介

明るい尾花につながる星や黒い骨
〈近い帰国(スコーラダモイ)〉いくたびも聞き日本海
光の粒の蘇生す済州島(チェジュド)ヤブツバキ
猪飼野は風の道なり風の道
触れているこの世の手には地震の風
原子炉に咲く必ずの夏の花
叫びは立ちこめ土砂より速く飲み込む海
鳥かひかりか昼の木に移りたる
雨を掬いて水になりきる手のひらよ
くるぶしを上げて見えざる春を踏む

(ふらんす堂HPより転載)


なつはづき句集『人魚のころ』

第26回現代俳句協会年度作品賞!

第一句集『ぴったりの箱』から5年。
研ぎ澄まされた作者のことばは、読む者の「内なる記憶」に触れて、心の余白をそっと広げてくれる。
特有の身体感覚は健在、その表現は一層しなやかに、ますます自在に羽ばたく。
鮮烈かつ繊細な280句を収めた注目の俳人・なつはづき待望の第二句集!

◆自選12句

ドッジボールずどんとバレンタインの日
鉄屑になるまで鉄でいる穀雨
八十八夜少し透けたくなる体
臨月の腹万緑に押し返す
かぶと虫かさりと父の戻る夜
髪洗う人魚の頃を思い出す
蛇いちご母をまっすぐ見られぬ日
思い出を常温にして桃を剝く
絶叫のような吸い殻幸彦忌
シングルマザー銃のようなる葱提げて
息ふたつ交わす真冬の爆心地
心から遠い指先あすは雪


鈴木牛後『句集 鄙の色』(ひなのいろ)

前句集『にれかめる』で牛飼詩人としてその名を全国に知らしめた著者の、現在までの集大成となる第4句集。
2019年から2023年までの5年間を、白・黒・緑・銀・青の彩りに謳いあげました。

◆自選12句

春来る尾の有るものに無いものに
白樺の樹皮のしらりと春雪光
母牛の喰らふ春闇色の胞衣
蝦夷梅雨の牛の涎のやうな空
沖とほき息夏草を胸に漕ぎ
黒牛に黒い反芻熱波来る
いとど出てくる住み古りし貌をして
露に牛追ふ棒切れも露に濡れ
鹿の屍を穿る鴉の芯まで黒
吹かれをる枯蜘蛛足八本無欠
青空を重石と思ふ寒さかな
雪の夜の牛の眼の底知れず


中村和弘句集『荊棘』(おどろ)

第40回詩歌文学館賞受賞
第17回小野市詩歌文学賞受賞
第24回俳句四季大賞受賞

◆第四句集

人間の影こそ荊棘夜の秋

地球温暖化による自然災害、さらにコロナ感染拡大と世はまことにおどろおどろしい。

◆自選十五句

張子の岩は燻銀なり初芝居
深海魚渚に崩れ春暑し
激震の断層に垂れ蚯蚓かな
大凧の骨の刺りし砂丘かな
*インドネシアにて
鮫撃つ銛砂に睡らせ梯梧咲く
稲雀大き一羽となりて飛ぶ
夏場所の鬢付油匂いたつ
舟板に蛸の吸盤乾きおり
大寒の畑と磧の境消ゆ
台風のまん中に垂れ自在鉤
鱶吊られどどと夏潮垂らしけり
  ギリシャの島にて
檸檬のみ巨大なりしよ神の島
掌の現れて菊人形の髪を梳く
ランボーも月の輪熊も撃たれたり
海底に白き蟹群れ良夜かな
(ふらんす堂サイトより引用)


董振華句集『静涵』(せいかん)

第80回現代俳句協会賞 特別賞受賞作

◆日中対訳最新句集

黄河秋声その漣のその延々

中国の豪胆と
日本の繊細、
董振華氏の俳句は
その幸福な結婚である。

長谷川櫂


武藤紀子著『雨畑硯』(あめはたすずり)
売り切れ

第80回現代俳句協会賞 特別賞受賞作

来し方行く末
全ての俳句はつねに、詠まれた場所とともにいた人々との思い出に繫がっている。
一句に秘められた背景を、晴れやかに、また軽やかに明かしながら、魂の行方に思いを馳せる最新句集。

魚目逝く木賊の青を忘れめや
囀りに触れしと思ふ楡に触れ
金色の目の猫と会ふ竹酔日
雪だるまほのかに杉の匂ひして
大湯屋の松葉が雪に刺さりけり
昼寝して木賊の色に染まりをる
真つ直ぐに髪を梳くとき小鳥来る
思ひ出は秋明菊と共にあり
煙茸我は何処にゆかんとす
木枯を恋ひ風狂を恋ひにけり


岡田一実著『篠原梵の百句』
売り切れ

篠原梵は、俳句という短い形式の中で多くの可能性を探究した稀有な作家であった。

俳句という短詩において多くの新しい地平を切り開いたにも拘わらず、その作品の多くが埋もれたままになっている。

しかし、その作品たちは今日まで色褪せていない。梵の俳句には書き方の斬新さに加え、現代的なテーマも多く含まれる。

今後、より多くの俳人や文学愛好者にその作品が愛されるように祈ってやまない。

 


小西瞬夏 第三句集『けむりの木』

メロンにナイフ樹海を進むやうに   

あたらしき風くれば鳴る蝶の骨    

眠るなり狼は血を傾けて        

読初の折られてゐたる白頁       

葱坊主空の丸さを言ひにけり      

老女より水の音して螢籠


小山正見 句集『大花野』

ここはどこあなたはだあれ大花野
十二月八日CTスキャンの脳画像
「あなたのは」とばかり訊く妻さくらんぼ
梅雨明けてわたしにできることは何
家中に蟲身体中に蟲蟬時雨

愛する人が病になったとき、何ができるのか――。アルツハイマー型認知症を患う妻と暮らして10年。ありのままの命を見つめ、明滅する心の瞬間をとどめた俳句集。人間の在り方を問う感動の36句。


朴美代子 句集『母(オモニ)』

蝶とまる母(オモニ)の声のひくければ
足の指そらしてさみし蝶の昼
一本のぜんまいとなり昏睡す
虹きえて眼つめたく帰りけり
夕顔の種をくれたる人も病む

母(オモニ)を慕う、それは同時に母郷への想いと重なり切ないほどに強い
この句集は句数は少ないが在日韓国人としての生涯が滲み、心うたれる(中村和弘)


栗原かつ代 第一句集 『母は水色』

この一巻、第一句集にしてすでに詩的自在性と無限の可能性を秘めており、かつ代さんの天性の詩境が光る珠玉のきらめきを感受。さらなる開花を、そして伸展を期待してやまない。山本敏倖(序文より)

冒険の始めはこの木巣立鳥
女みなイヴの末裔林檎食む
極上の噓が聴きたい薔薇の園
伊勢海老や百歳だって脱皮する
すすき原誰か合図をくれないか


高橋透水 第一句集 『水の音』

「水鳥の水一枚を分け合へり」
透水さんは今年喜寿を迎えられた。俳句は年季が物を言う文芸であると私は思っている。人生の年輪が俳句の味わいを深めるのである。この飄々とした俳人はこのあとまた一仕事するのではないか、と私は期待しているところである。伊藤伊那男(序文より)

紅梅に飽き白梅を観てをりぬ
春光を縦糸として杼(ひ)の走る
行く春を掃き戻したる竹箒
紫陽花に夢といふ色加へけり
まづ足があほになりゆく阿波踊


中内火星 第一句集『SURREALISME(シュルレアリスム)』

「いかなるものにも属さない詩がある」

 当初は全作品「書き下ろし」でと考えたが、さすがにそれは及ばなかった。数句は古い句もあるが、大半の句はここ2~3年の句だ。 勿論「書き下ろし」も多々ある。また、カバー絵はピカソ、マチスのデッサン画を参考に描いたもので、ヌードと蛸の遊びである。(「あとがき」より)

いかなるものにも属さない詩がある
海を見ていた帰り道はもうない
つよい女にきれいな男おんだん化
着ぶくれて妥協しっぱなしなんだ
あれ以来みんな岩手が好きなのさ


加藤知子 第4句集『情死一擲』

俳句が穏やかなもの、誰にでもわかるもの、存問の詩となってから、どのくらい経っただろう。それは俳句が生き残る手段でもあったように思う。それはそれで良い。俳句が穏やかに懐かしく、心を慰めるものである事に、何の間違いもない。しかし、…(竹岡一郎跋文)

ほと深きところに卍春は傷
鏡像は花咲く森の死のむこう
人体のかけらが明りほうほたる
首筋に情死一擲の白百合
月影のゆれつとがりつ藻の花へ