青年部【ゼロ句会】

49才以下の若手句会として、毎月第3土曜の午後・現代俳句協会事務所にて開催している【ゼロ句会】。 現代俳句協会青年部アンケート「俳句の未来の多様性のために、今、現代俳句協会ができること」の結果を受けてはじめました。 有季定型から無季破調まで、合評がフラットに飛び交う句会です。 協会員に限らずどうぞお気軽にご参加ください。

【日時】毎月第三土曜 13:30〜16:30 (投句締切は13:50です)
【場所】現代俳句協会事務所
【参加対象】49才以下の方
【出句】持ち寄り5句出し(当季雑詠)+席題若干句
【参加費】500円
【申込・問い合わせ】 要申込(定員20名、受付順) 青年部アドレス 

研修通信俳句会

令和元年度(第26期)
全国の熱心な会員の作品交流の場として好評の「研修通信俳句会」は、2019年9月から第26期に入りました。

◎俳句会 通信(郵便)で隔月、年6回
 ・投句 毎回5句
 ・選句 毎回10句相互選
 ・講師 伊藤 眠(神奈川県現代俳句協会幹事。横浜俳話会副会長)
     
大井 恒行 (「豈」編集人。年度作品賞選考委員)(五十音順)
 ・会報 毎回講師選評と互選結果掲載。
◎協会員のみ 定員100名程度(三組に編成)
◎期間 令和年9月から一年間(お申込みは毎年6月~7月末)
◎会費 一期7,200円
◎行事 講師・会員が一堂に会する「特別研修会」年一回。
※添削指導はありません。互選による通信形式の句会となります。
スタッフ:宮崎斗士、長谷川はるか、小髙沙羅、栗原かつ代、鈴木砂紅、久下晴美、利光知惠子、植田いく子、芹沢愛子、磯部薫子

研修通信俳句会  「第二十六期・第一回」

Aグループ高点句

 秋思ふと半透明になりすます  村木ノブヒロ

 毒茸そ知らぬ貌で生えており  鴫原さき子

 字足らずの生き方よけれ草の花  鷺山珀眉

 カフェテーブル銀貨のやうに置く秋思 西本明未

 小鳥來る何か告げたき埴輪の目  越前春生

Bグループ高点句

 どのドアも人待つかたち鰯雲  宮澤雅子

 真実の少し崩れて新豆腐   髙石まゆみ

 月光を充電したる月夜茸   山本則男

 村の子はこれで全員盆踊   岩成天風

大井 恒行 講師特選句

Aグループ

朗朗と歌ふ「ふるさと」敬老日  稲葉晶子
 敬老日に唄うには、いかにも相応しい唱歌「ふるさと」。うさぎ追いしかの山♪~とくれば、それだけで生まれ育った故郷、歩んで来た人生の来し方行方が脳裏を駆け巡ることだろう。そして、誰もが胸を熱くする。作詞の高野辰之、作曲の中山晋平は共に長野県出身。

新米を花と一緒に供へけり  矢野二十四
 下句「花と一緒に供へけり」のフレーズに新米の収穫の喜びが表現されている。と同時に、新米を炊いて神棚か仏壇に、花ととともに供えたのだ。豊穣な稔りに対しての感謝と、先祖への祈りの気持がよく顕れている。

葉鶏頭音なき水に今日の空  荻野樹美
 葉鶏頭の葉の美しい季節。「音なき水に」が、澄んだ水と澄みわたった空を想像させる。葉鶏頭の葉の色合いもそこに映えていよう。天と地と水を統べる味わいがある。

Bグループ

車椅子段差の度の秋の空  尾家國昭
 この秋の空は、少し複雑な心境をもたらす。それは上句「車椅子段差の度の」のフレーズがそう感じ、考えさせる。清澄な秋空の空気をどのように呼吸しているのだろうか。段差の度に揺れるのだ。澄みわたるだけではない何かがあろう。

歴史とは戦争のことかなかなかな  畑 佳与
 人類の歴史はまさに戦争の歴史である。人間の理性がそれをさせているのだから、ある意味救いがない。作者は「かなかなかな」に、その心情を表現し、理屈を消しながらも、「かな?」の疑問符を掛詞にしたのだろう。「その日暮し」の意も隠されているかもしれない。

吹く風に彩をつくして大花野  宮澤雅子
 花野には、もともと淋しさとはなやかさが同居している。ならば「大花野」には一層の趣が加わろうというもの。中句「彩をつくして」とあれば、なおさらである。もちろん、秋晴れの大空もそこにある。吹く風はその天地の彩を演出しているのだ。

伊藤 眠 講師特選句

Aグループ

園児らのホップステップ秋高し  髙原信子
 元気に飛び跳ねる園児たちの姿が浮ぶ。ホップステップの次のジャンプでよく晴れた空の高みまで飛んでいくかのよう。子供達は無論のこと、その一日までもが健やかな佳きものとなった。

小鳥來る何か告げたき埴輪の目  越前春生
 埴輪の目は穴が開いているだけで眸が無いので返って色々な事を想像させる。小鳥に止まられた埴輪には伝えたいことが沢山あるのだろう。下五を体言でしっかり止められたのが効果的。

十六夜や生き尽きて母おだやかに  森下睦子
 この句の眼目は何といっても「生き尽きて」の措辞。そこへ、ためらいがちに出てくる「十六夜」を配し、美しいレクイエムを創り上げた。母上に対する作者の想いが、読者の心にも静かに響く。

Bグループ

車椅子段差の度の秋の空  尾家國昭
 車椅子の操作は中々難しく、段差の昇降を自分で行うのも人にやって貰うのも容易ではない。その度にガクガクして空を仰ぐことになる。作者はそれを極力感情を抑えてあっさりと詠まれた。

靴紐を結び直せる厄日かな  村山恭子
 厄日は二百十日など暴風雨を警戒する日。転ばぬ先の杖のごとく靴紐をしっかり結び直すのも厄日への対処の一つになるだろう。厄日とは言え大袈裟にせず、さり気なく表現されたのが魅力。

入港の汽笛新米炊き上がる  石川義倫
 新米と港は一見繋がり様がないと思われるが、家族がフェリー等で帰ってくると考えれば新米を炊いて迎える準備をしているシーンだと分る。異質なものを合わせて日常的な光景に仕立てられた。
(長谷川はるか報)

現代俳句のつどい

司会 前田弘
場所 現代俳句協会事務所
開催予定 毎月第1土曜日(PM1:00~5:00)
当協会員による相互批評句会。

「現代俳句のつどい」は、昭和58年、当時の事業部長の田沼文雄氏から提案され、協会の話し合いを経て協会の看板句会として発足いたしました。超結社で、講師は置かず、闊達な意見交流をし、俳句表現を追求しようという趣旨の会です。通算で400回を超えています。

第414回現代俳句のつどい(元年11月2日)

両親も鞄も重し花野道          相沢 幹代

父を開けば山河なり鳥渡る        岡田 一夫

秋思なしロールシャッハは河馬の貌    川名つぎお

世渡りは予習復習ねこじゃらし      石山 正子

烏瓜垣の向こうへ嫁にいく        中内 火星

穴まどい大人のための粉ミルク      藤方さくら

時効なき痛みあります文化の日      鍬守 裕子

天高くあずける肢体眼福や        ダイゴ鉄哉

また検査目黒の秋刀魚はやせている    大川 竜水

洋梨のかたち日暮の鳩の声        吉田香津代

わが腕(かいな)表も裏も干し大根     小町  圭

姿なきひとかたまって冬の沖       若林つる子

ピアノに映るゆうぐれのラガーたち    楠見 惠子

産土の秋や無邪気に歩くだけ       前田  弘

真打ちは台風でした寄席の夜       普川  洋

秋深し赤本持っている僧侶        小湊こぎく

憎しみを少し残して林檎食む       秋谷 菊野

共に生きる虫と人間大気圏        劔物 劔二

疑うということ知らず返り花       杉本青三郎