令和8年度(2026)
第32期 研修通信俳句会

現代俳句協会員が俳句を通じて交流する通信句会です。
全国の協会員の作品交流の場としてご好評いただいています。
みなさまのご参加お待ちしています!

概要

◆対象
現代俳句協会員(定員50名)
※一般の方はご参加いただけません

◆日程
2026年4月~2027年3月(全6回)
第1回投句締切:2026/04/15(水)
第2回投句締切:2026/06/19(金)
第3回投句締切:2026/08/20(木)
第4回投句締切:2026/10/20(火)
第5回投句締切:2026/12/16(水)
第6回投句締切:2027/02/19(金)

◆投句・選句方法
投句:4句
投句方法:郵便・FAX・メール
選句:毎回10句相互選(講師は別途 特選3句あり)
結果:作品集として送付

◆参加費
7,800円(全6回)

途中回からのご参加大歓迎です!
受講料は月割りで計算させていただきます
例)2回目からご参加の場合の参加費
一般料金:1,300円×5回=6,500円
👉お申込みは「お問合せフォーム」から

講師紹介

👤花谷清(はなたにきよし)
「藍」主宰・関西現代俳句協会副会長
現代俳句協会評議員
第15回西東三鬼賞(2008年)
句集『森は聖堂』『球殻』

👤月野ぽぽな
第28回現代俳句新人賞、第63回角川俳句賞受賞
ニューヨーク市在住
金子兜太に師事
星の島句会代表
句集『人のかたち』

※互選による通信形式の句会ですので、講師による添削指導はございません


研修通信俳句会 第32期
第3回 結果発表🎉

互選高点句

降りそそぐ音なき音や星月夜
             坂川花蓮

星月夜湖底に眠る貝の歌
             張籠二三枝

地に降ろす大きな荷物終戦日
             弓場あす華

👤花谷清講師 特選句

秋の空こころの鬼を解き放つ
             田中充

この句の〈こころの鬼〉とは、恐れや怒り、悔いのようなものであろうか。そうしたものを秋の空へ放つところに、内なる重さが軽くなってゆく響きがある。〈こころの鬼〉は放たれ、澄明な空の広がりが、その解放感を際立たせる。胸のわだかまりがほどけて、読後にカタルシスにも似た晴れやかさが残る。

旅鞄へ『センス・オブ・ワンダー』夏休み
             近藤詩寿代

子どものような感受性を抱いて旅にでる明るさがある。『センス・オブ・ワンダー』はレイチェル・カーソンの著作。自然の不思議さに驚く気持ちを大切にする本として知られる。その本を旅鞄へ入れるとき、旅先で出合うものへの期待が高まる。〈夏休み〉は、世界を見つめ直す時間となるだろう。

白シャツの乾くあいまを生きている
             木村寛伸

夏の光と乾いた風のなかに干す白シャツが乾いてゆく。〈乾くあいまを生きている〉と言い切ったところが、この句の魅力である。〈乾くあいま〉に流れるのは、何かを成し遂げるのではなく、ただ過ぎてゆくような時間だ。何気ないひとときを〈生きている〉と捉えることで、日々の生活の確かさが浮かび上がる。


👤月野ぽぽな講師 特選句

降りそそぐ音なき音や星月夜
             坂川花蓮

〈星月夜〉とは、月がなく星の光で月夜のように明るい夜のことをいう。本句の魅力は、満天の星々が光を放つ視覚的な光景を、〈音なき音〉が降り注いでいるという聴覚的な世界として捉え直した、詩的感覚の冴えにある。〈音なき音〉が降りそそぐにつれて深まる静寂が〈星月夜〉の美しさを際立たせている。

向日葵に覗かれてゐる駐在所
             沼尻世江子

〈駐在所〉の脇に咲く向日葵だろうか。地域の安全を守る警察官へ、感謝の印に近所の子どもたちが植えたものかもしれない。向日葵の持つのびのびとした明るさに加え、地域を見守る側の警察官が、逆に向日葵に〈覗かれてゐる〉という主客逆転の面白さも手伝い、ほのぼのとした独特の諧謔味が漂う作品となっている。

星月夜知覧の空を抱くように
             弓場あす華

 「〈星月夜〉が〈知覧の空を抱くように〉広がっている」 ——〈知覧〉の地が背負う歴史を優しく包み込むかのような、ダイナミック且つ繊細な描写が秀逸だ。満天の星の輝きは、特攻隊として飛び立ち命を落とした多くの若い兵士たちへの、絶えることのない鎮魂の祈りそのもののようであり、読む者の心に深く染み入ってくる。

(長谷川はるか報)