会長/中内亮玄(事務局長兼任)

福井県現代俳句協会
第一回春季俳句大会

会報 (2022年3月8日更新)

福井県現代俳句協会会報第41号

行事 (2022年9月12日追加更新)

第7回福井県現代俳句秋季大会
日 時 令和4年9月10日(土)9時半~
会 場 福井県民活動・総合ボランティアセンター

司会:副会長 小山柴門

参加者 36名 
投句数 238句

特選
秋来たる逃げ足早い記憶力     前川康子

入選
切り口に固い意志みる冷奴     白﨑寿美子
海底に黙あり八月の波頭      津田道代
回診の白靴ときに闇を裂く     西又利子

佳作
後悔を内に日傘を畳みけり     石田 秋桜
ポケットは小さな宇宙夏休み    髙石まゆみ
曼珠沙華寄り添いつつもみな孤独  横川 一子
キリトリ線裂くように鳴き出して蝉 小林 史於
あの世までのぞく仕草や墓洗う   久保ふみ子
落ち蝉を根方に寄せる少年よ    中田 良一
すこやかに人を愛して生身魂    塩谷美津子
吾が足へまず一杓の水を打つ    佐々木潤子

特別賞
青木かよ子、松島可奈、春木美智子、若林園枝、笠松信子、張籠二三枝、柄谷せつ、山田冨裕、小山柴門 以上9名

参加者のうち、協会員のみ選ができる互選により顕彰した。

第6回福井県現代俳句春季大会 令和4年5月28日 午前10時より
県民活動ボランティアセンター

参加者41名 246句

特選 副賞『寺田京子全句集』
早苗田や幾たび風を脱ぎすてる  中田良一

入選 副賞『日めくり子規・漱石 俳句でめぐる365日』
啓蟄や爪整える日曜日  小林史於

巨石にも命芽吹くや苔の花  松島かな

春風を細かく切って二重飛び  河口花芯

佳作
菜の花に紛れ一日風になる  蜂谷純江

少年の言葉直角夏燕  横川一子

飛花落花いつでも母は誉め上手  白﨑寿美子

大空に力をもらい春田打つ  久保ふみ子

春愁を留めたる画鋲甘くなる  西又利子

短夜のピカソを裁くゲルニカ論  前川康子

ガウディの歪や燕巣作り中  石田秋桜

菜の花忌昭和の匂う古本屋  髙石まゆみ

イヤホンがふさぐ小言や春の雪  田谷 悠

通信制ではない2年ぶりの大会は、8名の選考委員による得点順で入賞者が決定しました。講演は、中内会長による全作品246句の講評で、一句ごとに成る程と頷いたり、笑いあり、80分、時間が過ぎるのも忘れてしまいました。故吉田透思朗会長も、大会で全句講評して下さったことがあることを思い出し、懐かしくなりました。

(報告:髙石まゆみ)

福井県現代俳句協会 総会 令和4年2月26日(土)10時

福井県民活動ボランティアセンター 参加者20名(委任状24名)


右・司会・藤坪憲雄 左・副会長・開式の辞・小山柴門

春の訪れを感じる日、福井県の総会が開催された。小山柴門副会長の開会の辞、黙祷の後、会計報告、事業報告、続いて中内亮玄会長より今年度の行事案、会計案が出され、全会一致で可決した。本年度の春季大会は選考委員にて選句、秋季大会は互選にて開催の予定。県の現代俳句協会賞と並び、新企画として、6年間12大会の皆勤会員に表彰状が授与された。

役員改正について、北陸現代俳句大会開催の為に任命された副幹事は令和3年度一杯で解任。また、会計の山田冨裕氏と幹句会幹事の水上啓治氏が退任の挨拶をされた。新会計に髙石まゆみ、新幹事に山本正雄が任命された。その他は留任。

春木美智子幹事の閉会の辞にて終了。

○第6回福井県現代俳句協会賞 西又利子

○福井県主催俳句大会(過去6年間全12回皆勤賞)
塩谷美津子・西又利子・山田冨裕・石田秋桜・村田淑子 以上5名

(報告:髙石まゆみ)

 

第6回福井県現代俳句春季大会
令和3年9月18日結果発表 参加者32名 投句218句
特別選者 宇多喜代子

特選

この道と決めて急がずかたつむり  蜂谷澄江

入選

端居して記憶の底へもぐり込む  中山慶子

謝れば済む事なれど山椒の実  山田冨裕

サーファーは北斎ほどの波を待つ  髙石まゆみ

佳作 投句順

秋刀魚焼く海の痛みを聴きながら  横川一子

空缶はちちろ一匹分の闇  塩谷美津子

霧の街哲学的と思いけり  塩谷美津子

ガラス拭く僅かな涼気見えてくる  河口花芯

満員の紫陽花ゆるやかに錆びて  松島可奈

ストローで吸いあげてみた話し  久保ふみ子

むりやりに背筋を正し炎天へ  西又利子

かなかなや仏間に生きる少年兵  前川康子

秋霖や句集に偲ぶ師の姿  佐藤節子

夏草や親しき人の住居跡  田島惠子

遠くなる昭和 八月の風澱む  田中哲夫

水落し福井平野の風入れる  髙石まゆみ

露草や胸中にある花ことば  中田良一

宇多喜代子特選 

枝涼しげ花涼しげに百日紅  中内亮玄

*特別選者に宇多喜代子先生を招き、選考委員7名の合計点数で競った。良くも悪くも1点の作品が多い大会となり、2点以上を佳作、3点以上を入選とした。コロナにより、またもや通信制の大会となってしまったが、宇多喜代子先生のご厚情により、充実した大会となった。

※顕彰:【特選】賞状及び宇多喜代子直筆色紙、【入選】賞状及び宇多喜代子句集『森へ』、【佳作】賞状

 

第30回記念北陸現代俳句大会(紙上大会)

主催 福井県現代俳句協会
委員長 山本正雄大会実行委員長 髙石まゆみ同副委員長
後援 福井県(知事賞)・福井県議会(県議会長賞)・福井県教育委員会(県教育委員長賞)・福井市(市長賞)・福井市教育委員会(市教育委員長賞)

過去最高の後援・副賞:北陸の俳人76名の頂点!
2021年5月9日開催を予定していたが、紙上大会で行った。
*選を1点、特選を2点として計算し、合計点数で競った。
合計得点が同点の場合は特選の数が多い方。次に一句の最高点がより高い方。次に各県会長・講師の選を、多く得ている方。

【北陸現代俳句大賞】福井県 中山慶子
圧倒的44点!副賞:大賞認定証(桐箱入り純金1g)
【福井県知事賞】    37点 富山県 森川敬三
【福井県議会賞】    35点 福井県 柄谷せつ (一句13点)
【福井県現代俳句協会賞】35点 富山県 森野 稔 (一句10点)
【福井県教育委員会賞】 33点 福井県 髙石まゆみ(会長選6)
【福井市長賞】     33点 福井県 若林園枝 (会長選5) 
【福井市教育委員会賞】 28点 福井県 松島可奈 (特選数3)
以上、副賞:銀の耳かき(福井県現代俳句協会賞のみ神野紗希直筆色紙付)
【一句賞】人賞、1句10点が他に2句。162番・575番、いずれも特選0。
天 14点 ポケットに握るものなき寒さかな    石川県 森川敬三
地 13点 だんまりを形にすれば大海鼠      福井県 柄谷せつ
人 10点 死者数を棒読みしてる寒の雨(特選1) 福井県 中山慶子
【入賞】合計27点以上の7名
28点 福井県 水上啓治(特選1)
28点 福井県 塩谷美津子(特選0)
27点 福井県 山田冨裕(特選1)
27点 福井県 横川一子(特選1)
27点 福井県 小林史於(特選1)
27点 石川県 梅木俊平(特選1)
27点 福井県 前川康子(特選0)
一句賞・入賞副賞:神野紗希サイン入り句集『すみれそよぐ』朔出版(2020)
【佳作】合計21点以上の7名 
25点富山県 櫻打伸子(1句7点)
25点石川県 村木ノブヒロ(1句4点)
23点富山県 小池弘子(特1)
25点福井県 中野慶子
24点富山県 坂田紀枝 
23点富山県 坂田直彦
21点石川県 関戸美智子
(記載無は特選0)
副賞:神野紗希サイン入り『日めくり子規・漱石: 俳句でめぐる365日』愛媛新聞社(2018)愛媛出版文化賞
【奨励賞】多くの作品を意欲的に詠まれた俳人を顕彰
福井県 江守美千代
福井県 村田淑子
富山県 高木昭夫
福井県 津田道代
福井県 中田良一
福井県 藤坪憲雄
石川県 松本詩葉子
富山県 細野千里
福井県 小山柴門
石川県 村田 巴
福井県 佐藤節子
福井県 山本正雄
福井県 山下 博
副賞:佳作に同じ
*福井県は頑張った方が報われるような組織運営を目指しています。

第30回記念 北陸現代俳句大会 県内入賞者表彰式写真

第30回記念北陸現代俳句大会の県内入賞者のみの入選者表彰式を、大会が予定されていた5月9日、福井市のアオッサで、午前10時より執り行った(参加者10名)。
十分なコロナ対策(密を避け、換気、マスク、消毒、検温)をとり、30分程で終了。地元の中日新聞に大きく取り上げられた。

令和3年度福井県現代俳句協会総会

ふくい県民活動・ボランティアセンター
令和3年2月27日(土)午前10時 出席者22名
◇物故者への黙祷(出席者全員)物故者 石本志明
◇会計、会計監査報告
◇令和三年の年間行事および第三十回記念北陸現代俳句大会に向けての準備、協力についての呼びかけ。また、若年層の地区会費無料化について、今まで入会金・会費等全て払っている現在の会員の皆様へのお詫びと、無料化の請願、規約改正承認。(中内会長より)
◇決算報告(会計より)
行事計画・予算案提示(中内会長より)以上承認
◇第五回 福井県現代俳句協会賞

 副会長小山柴門氏 長年の俳句実作・人材育成等の尽力により表彰。(藤坪憲雄)

第5回福井県現代俳句春季大会 令和2年9月25日結果発表 参加者34名 投句222

特選 前川康子  代表句 母で無き妻でなき日のサングラス

入選 中山慶子      行き先を決めず飛び出す鳳仙花

   髙石まゆみ     水打ちて少し地球を落ち着かす

   塩谷美津子     鍵束は孤独の重さ薄衣

佳作 横川一子      少年は全身酸素今朝の秋

   津田道代      吹き込んだ嘘がはじけるシャボン玉

   西又利子      その真意聞きたくて脱ぐ夏帽子

   藤坪憲雄      球児等の闘志は明日へ雲の峰

   白﨑寿美子     空蝉のしっかりこの世見た眼

   中田良一      寝袋の胸をおどらす星降る夜

   山田冨裕      絵手紙へ戻るつもりの毛虫です

*コロナ禍のため通信制で、互選の合計点数で競った。

第30回記念北陸現代俳句大会 選考委員選抜大会

小山柴門 山本 正雄 髙石まゆみ 塩谷美津子 前川康子 津田道代 青木かよ子 蜂谷純江 村田淑子 石田秋桜 張籠二三枝

*秋季俳句大会の互選の際、句の講評を募集。会長の採点により、役職、俳歴を無視し、点数の高い応募者から順に11名の選考委員が選抜された。

第5回福井県現代俳句春季大会

令和2年5月31日(通信制)
参加者30名 投句186句

大賞(副賞:金子兜太『百年』&ブックレット)
 いつだって蝶の背中に乗りたくて 中山慶子 

入賞(副賞:金子兜太『百年』&ブックレット)
 足音を聞き分けている木の芽和え 山田冨裕
 春灯し家族の時間という不安     石田秋桜

佳作(副賞:ブックレット)
 乱れなき竿の林立サクラマス   山本正雄
 違う風吹いて今年の鯉のぼり   中田良一
 日本を飛びだすつもりゴム風船  久保ふみ子
 朝光が隣りに座わる初電車    北潟敬一
 万緑に絵具たっぷり使い切る   河口花芯
 病む夫へ麦ストローのスープかな 青木かよ子

コロナ禍によって、5月8日の時点で大会会場閉鎖の連絡があり、残念ながら講演や表彰式は取り止め、大会は結果発表のみの郵送による通信制となりました。その後、緊急事態宣言はいち早く解除されましたが、駅前の立地や高齢者多数のため対策がとれませんでした。しかし、今後の緊急事態対処の前例となる有意義な経験ともなりました。

秋の大会は9月19日(土)午後2時、その後、協会懇親会も予定されています。

福井県現代俳句協会総会

日時 令和2年2月23日(日)出席者 23名

先人への黙祷、続いて中内亮玄会長より、昨年度の行事活動報告及び来年の北陸大会へ向けての準備等の講演を頂く。
福井県の俳壇において活躍または、協会の発展のために尽力をされた方を表彰する「福井県現代俳句協会賞」を、会員増加にご尽力され続けている、前川康子氏が受賞された。
会計報告、会計監査報告、令和2年度の事業計画の発表等おだやかに進行する事ができた。(報告 西又利子)

第4回 福井県現代俳句秋季大会
日 時 9月28日(土)午後2時半~
会 場 福井市総合ボランティアセンター
参加者 35名 投句190句
講 師 林 和清先生(現代歌人集会理事長)「ほんとうは怖い俳句と短歌」

 歌人の林和清先生が、中内会長との友情出演で京都から来て下さいました。講演では、俳句、短歌、川柳、幅広い作品を楽しく、怖がりつつ学び、作句へのヒントを頂きました。今大会は互選、作者の合計点数にて賞が決定する新しい企画で、固定観念にとらわれない新鮮な大会になりました。(髙石まゆみ)

大会成績
・特選(賞状・林和清サイン入りの著書)
滝壺をでてより滝の音平ら     塩谷美津子

・入賞(賞状・林和清サイン入りの著書)
朱は堪える色かも知れず曼珠沙華  横川 一子
ソーダ水話してくれるまで待とう  前川 康子
ささくれし手に夕焼のひっかかる  久保ふみ子

・佳作(賞状・林和清サイン入りの著書)
秋風や気を抜き易き椅子ひとつ   中田 良一
賞味期限無かりし頃の冷奴     若林 園枝
夏空を飲み干す少年ペットボトル  髙石まゆみ
沖縄忌夜は生臭き闇に触れ     はばたみち恵
香取渦ぽとりと時間灰になる    北潟 敬一
雲の峰自分の殻を脱ぐ力      中山 慶子

◇第4回福井県現代俳句春季大会

現代俳句春季大会の様子

現代俳句春季大会の様子

日時 令和元年6月9日(日)10時
会場 県総合ボランティアセンター
参加者35名 投句148句
講演 「俳句と比喩」
講師 佐孝石画
 前川康子幹事が司会で、小山柴門副会長の挨拶に続き、佐孝先生の講演をお聴きしました。
 いかに五感を揺さぶるか、書き手と読み手の共鳴、共感、俳句の必殺技は季語と切れ字であること、イメージを重複させ、季語は舞台装置の役割も果たすこと等々、あらためて初心に戻り教えて頂きました。(春木美智子)
特選
春夕焼私の企画途中です    髙田美峰子
入賞
本心を語らずじまい散る桜   久保ふみ子
畑返す土の息吐くところまで  森内定子
佳作
八重桜嘘秘めしまま夫と居て   山田冨裕
過ぎし日は美しきもの桜闇    塩谷美津子
花万朶はんなり夕焼け消して行く 横川一子
スポーツ紙敷いて筍飯の昼    中田良一
リラ匂ふ夜は叶わぬ夢も見る   佐々木潤子
レシートも私も猫背花冷える   西又利子
選考委員特別賞
霾や玻璃ごしに見る拉致の海    白﨑寿美子
あいの風神楽舞うなか笛を吹く   出見隆晟
お弁当覗いて飛んでさくらかな   前川康子
メーデーに勇気を貰ふ車椅子    山下 博
花換えやフォークダンスの離さぬ手 若林園枝
成長を知らせてくれる夕桜     小山尚貴
ふるさとと思えば近し春満月    江守美千代
参道へ歩巾の丸太余花の風     青木かよ子

◇第3回福井県現代俳句春季大会

(県現代俳句協会創立25周年記念大会)
日時 平成30年6月16日(土)10時開会
場所 県民活動ボランティアセンター
大会講演『俳句の題材について』 県副会長 小山柴門
応募作品全句講評(136句)  県会長 中内亮玄
参加人数 23名
選考委員(県役員)による無記名審査
小山柴門副会長の講演は、詩情が汲み取れるのであれば句材は無限、万葉集の一節を引用されたり、道元や高野素十、又加藤楸邨の俳句の心得等、本当に勉強になり、有意義な講演となりました。その後は中内亮玄会長の大会作品のご講評を戴きました。一三六句全部を刀でスパッと切ったような的を得た講評で、晴々とした気持ちでお聞きすることが出来ました。(春木美智子)

特選(全国大会御招待)
手のひらをひらけば夕焼乗って来る 久保ふみ子
入賞
雨もいい無口な詩人蝸牛    横川一子
田水引き青空どっと流れ込む  森内定子
佳作
病む母の素直が哀しアマリリス 木幡嘉子 
字足らずの生き方が好き麦の秋 松宮日登美
花筏どこでもいいの連れ出して 春木美智子
退屈なベンチを探す夏帽子   高石まゆみ (高ははしごだか)
葱坊主先生いつも誉め上手   蜂谷純江
曖昧さ良きこともあり朧月   中山慶子

*ちなみに、特選の全国大会招待については、当選者の諸事情により辞退されました。