現代俳句2019年11月号所収分

『地球の花』関根 道豊
埼玉在住「港」・角川文化振興財団
  「九条俳句」掲載まぢか女正月

『発火点』江島 照美
大阪在住「槐」・文學の森
  情熱の矛先狂ふ春の闇

『蛇眠る』谷口 智子
愛知在住「韻」・現代俳句の躍動Ⅱ・1
  蛇眠る椎の木樹齢八百年

『海へ』九鬼あきゑ
遺句集「椎」・角川文化振興財団
  激励の愛の色紙は花に満つ

『青き小さき魚』有坂 花野
東京在住「麦」・現代俳句の躍動Ⅰ・6
  紙吹雪ながきその後の敗戦忌

『剝製師』高岡 修
鹿児島在住「形象」・深夜叢書社
  虫となりし我か狂いて火蛾である

『百年』金子 兜太
埼玉在住「遺句集」・朔出版
  陽の柔わら歩ききれない遠い家

俳句詞華集
『多行形式百句』林 桂
群馬在住「鬣」・鬣の会

『金子兜太俳句選訳』董 振華
東京在住「海原」

『健一&久仁裕の目からうろこの俳句の授業』武馬久仁裕 中村健一
黎明書房

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現代俳句2019年10月号所収分

句集とその一句

『火を放つ』佐川 盟子
福島在住「鏡」・現代俳句の躍動Ⅱ・5
  朝寝してもう遠い日の遠いこと

『にれかめる』鈴木 牛後
北海道在住「雪華」「藍生」・角川文化振興財団
  節分の牛舎に雪の小さき階

『遊神』今村たかし
東京在住「杉」「かるがも俳句会」・ふらんす堂
  重力のいまゆつたりと木の葉かな

『水鉄砲』新井 秋芳
千葉在住・文學の森
  破魔矢の子夢のロマンに生きるべし

自由律句集

『ガラス』本間 とろ
兵庫在住「青い地球」・牧歌舎
  夢の中の恋が海鮮丼に変わる

評 論

『「句碑・標石」探索の旅日記』國田  充
愛知在住

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現代俳句2019年9月号所収分

句集とその一句

『終着駅』小池つと夢
茨城在住「秋」・現代俳句の躍動Ⅰ・10
  花の種生きる希望を混ぜて蒔く

『まほらの月』阪本 君江
東京在住・現代俳句の躍動Ⅱ・2
  かの女やまほらの夕焼描くという

『体感』横須賀洋子
千葉在住「未完現実」・文學の森
  ことばに芽ありいきいきとつまむ

『帰去来』星野 昌彦
愛知在住「景象」・春夏秋冬叢書
  帰りなむいざ明鴉雪の中

『遍路』吉住 光彌
埼玉在住「水明」・文學の森
  刈田道むかし人買ひ赤紙も

『九月になれば』伏見 芳村
東京在住「港」・私家版
  春待つや戸締りゆるきわが家郷

作品集

『鎌倉彫 遊心集』小園 葉舟
神奈川在住「ぬかるみ」・私家版
  春陰に沈む漆の朱を塗れり

評 論

『冬の落暉を』永島 靖子
東京在住「鷹」・邑書林

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現代俳句2019年8月号所収分

句集とその一句

『水尾のかたち』黒澤 雅代
千葉在住「遊牧」・本阿弥書店
 ▽オリオンの加わっている指定席
『うさぎの話』栗林 浩
神奈川在住「遊牧 小熊座 円錐 街」・(株)KADOKAWA
 ▽この先は雪だと言うて干鱈割く
『春夢』河村 正浩
山口在住「山彦」・やまびこ出版
 ▽枯るる中にんげん魚雷暮れ残る
『春の楽器』平川扶久美
山口在住「山彦」・やまびこ出版
 ▽寒月や赤絵の皿に鯛の透く
『枇杷の花』藤井 康文
山口在住「山彦」・やまびこ出版
 ▽残る虫決めているらし阿弥陀籤
『八重桜』三野 公子
山口在住「山彦」・やまびこ出版
 ▽鮫のやうな目で極月の街を行く
『遠方』𠮷岡 一三
千葉在住「遊牧」・研究社印刷
 ▽コロンブスの卵が一つ冷蔵庫

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現代俳句2019年7月号所収分

句集とその一句

『そして、今』大牧 広
遺句集・ふらんす堂
 ▽なんとなく心緊まりて大晦日
『降りつぐ』長友 巖
宮崎在住「錆」・あすか企画
 ▽寒茜その向うから新元号
『アイビーんすかい』
親泊 ちゅうしん
沖縄在住「WA」・アローブックス
 ▽天井に掃除機かけて粉雪に
『心の振り子』宮川 夏
東京在住「花藻 貂」・文學の森
 ▽春を待つ身のせせらぎを聞きにけり
『一双』新井 温子
東京在住・現代俳句協会 躍動第2期・3
 ▽佐保姫といっしょに入る小間物屋
『俳句納経應聖寺』伊丹三樹彦
兵庫在住「青群」・應聖寺
 ▽わが身には近くて遠し句碑巡り

評論

『イヌピアット語のレッスン』宮嵜 亀
大阪在住「船団の会」・株式会社シンラ 象の森書房
『俳句必携 1000句を楽しむ』宮坂 静生
長野在住「岳」・平凡社

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現代俳句2019年6月号所収分

句集とその一句

『はいくんろーる』浜脇 不如帰
兵庫在住「子燕」・私家版
 ▽去年今年時計は時計まわり哉
『霧中吟Ⅰ』星野 雅良
神奈川在住・東京図書出版
 ▽朝まだき紅梅薫る門を出づ
『天球儀』春日 石疼
福島在住「小熊座」・朔出版
 ▽一宇宙一生命体虫の闇
『薯の花』相澤 礼子
群馬在住・私家版
 ▽永き日に倦みてこの世にまだ倦まず
『定点観測―櫻まみれ』久保 純夫
大阪在住「儒艮」・儒艮の会
 ▽櫻染みなる青春の『火門集』
『火を抱いて』有馬 英子
東京在住「白」・白俳句会
 ▽老いてゆく夢の浅瀬を蝸牛
『赤石岳』岡田 春人
千葉在住「ロマネコンテ」・現代俳句協会躍動第Ⅰ期・4
 ▽万物の箍絞め付ける寒さかな
『渋』堀 節誉
山口在住「歯車」・現代俳句協会躍動第Ⅰ期・7
 ▽行けるまで行ってみようと葛を掘る
『共鳴り』小野 功
千葉在住「遊牧」・現代俳句協会躍動第Ⅰ期・8
 ▽桐一葉闘志どこかに置き忘れ
『聊楽』童 振華
東京在住「海原」・ふらんす堂
 ▽感嘆に回声溢るる寒紅梅
『旅信』蝦名 石蔵
青森在住「郭公」・私家版
 ▽こがらしのあと矍鑠と夕べの日
『沈黙は距離』中村 克子
栃木在住「響焔」「地祷圏」・文學の森
 ▽晩年のここより先は冬青空

評論

『たてがみの摑み方』武藤 紀子
愛知在住「円座」・ふらんす堂
『宮崎の自然と私の俳句』福富 健男
宮崎在住「海原」「流域」「形象」「吟遊」・みやざき自然塾

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現代俳句2019年5月号所収分

句集とその一句

『f字孔』竹内洋平
東京在住「炎環」「銀漢」・紅書房
 ▽しづかさや二日の朝の潦
『お寄りなさい』稲葉晶子
埼玉在住「あすか」・ふらんす堂
 ▽地図に無き道書き加へ春隣
『葛の花』中野貴美
徳島在住「青海波」・俳句アトラス
 ▽青海波と在りし歳月福寿草
『奉る』荒井八雪
神奈川在住・ふらんす堂
 ▽寒明けの飛び六方や讃へたる
『点睛』松田抱空
東京在住「四季」・四季書房
 ▽散り花や落とし話を聞く間合ひ
『既視感』千葉芳醇
青森在住「黒艦隊」「海原」・私家
 ▽目覚めれば餅焼くにおい入歯締め
『花木槿』光吉高子
岡山在住「樫」・邑書林
 ▽この村を一歩も出ざり竜の玉
『石鼎のこゑ』永島理江子
東京在住「岳」・現代俳句協会躍動第Ⅰ期・5
 ▽昏れそめしわが体内に眠る山
『翅音』関千賀子
千葉在住「岳」・ふらんす堂
 ▽秋灯夫の奏でるレット・イット・ビー
『星野庄介 俳句集成』星野庄介
神奈川在住「炎天」・俳句集団炎天
 ▽告げられし余命一年梨を剥く
『俳句の片隅で いま、ここ、われ』松本秀紀
東京在住・アマゾン電子書籍
 ▽青田風すやすや寝入る母白寿
『夏の蝶』山田 和
京都在住「京鹿子」・文學の森
 ▽起き上る竹の響や雪解光
『柿本多映俳句集成』柿本多映
滋賀在住・深夜叢書社
 ▽この世から水かげろふに加はりぬ

合同句集

『青い風Ⅱ』安城青の会
安城青の会
『寒潮 創刊三百号記念合同句集』
寒潮
寒潮俳句会

エッセイ集

『釜石の風』照井 翠
岩手在住「暖響」「草笛」・コールサック社

評論

『わき道・より道 おくのほそ道を遊ぶ』望月哲土
東京在住「麦」・文芸社

その他

『イラストレーションで奏でる童謡・唱歌の道づれ』松田抱空
東京在住「四季」・文芸社

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現代俳句2019年3月号所収分

句集とその一句

『蟻の影』柳澤二重
埼玉在住「野火」・壱岐坂書房
  空蟬のすなはち仏透きとほる
『羊水の』片山 蓉
愛知在住「円座」「韻」・ふらんす堂
  聖夜とは捨てきれぬ片ピアスなり
『瞭』林 亮
高知在住「草樹」・私家版
  厄落ちし火勢となりて薪燃ゆ
『森へ』宇多喜代子
大阪在住「草樹」・青磁社
  ごまかせぬ蜻蛉の眼人間の眼
『囀の器』中井洋子
栃木在住「小熊座」「地祷圏」・ふらんす堂
  遠くあれば光を帯びし蓮根掘
『花かしら風かしら』河村正浩
山口在住「山彦」「四季」「草炎」・四季書房
  見馴れたる鴉柿の木にはためく
『現在』我妻民雄
東京在住「小熊座」・現代俳句協会展開第Ⅳ期・8
  現在はつまり生前笹子鳴く
『波の戯れ』後藤淑子
大阪在住「藍」・文學の森
  故郷の墓の引越し神の留守
『櫂の音』塚本洋子
埼玉在住「形象」・ジャプラン
  花すすき動きはじめし終列車
『身体髪膚』伊丹三樹彦
兵庫在住「青群」・沖積舎
  蒲の穂に 仏恋期の三樹彦来
『落慶』竹市 漣
群馬在住「炎環」・文學の森
  生くること俳句にありし年惜しむ
『真昼の座礁』宮城正勝
沖縄在住「WA」・ボーダーインク
  供花下げ死はすみやかに北風の中
『我呼ぶ母』森田幸子
東京在住「秋」「昴」・本阿弥書店
  晩秋や一人相撲に敗れさう

合同句集

『阪神心景』伊丹三樹彦七種句会
ビレッジプレス

評論集・俳文集

『定本・虚子全句』松田ひろむ
東京在住「鷗座」・第三書館

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現代俳句2019年1月号所収分

句集とその一句

『無二』佐怒賀正美
東京在住「秋」・ふらんす堂
  あめんぼの息に彩色してみたし
『游神』川口ますみ
大阪在住「俳句人」・新俳句人連盟
  秋桜わたくしずっと揺れてます
『自註現代俳句シリーズ12期 岩淵喜代子集』岩淵喜代子
埼玉在住「ににん」・俳人協会
  原子炉の今は廃炉に葉鶏頭
『朝の森』大牧 広
東京在住「港」・ふらんす堂
  敗戦の年に案山子は立つてゐたか
『遺跡野』松山 好江
静岡在住「宇宙」・文學の森
  天の配剤妙齢の雪女郎
『里山』亀山 公一
栃木在住・石田書房
  老いて打つパソコンの文字文化の日
『緋の目高』山本あかね
兵庫在住「百鳥」・ふらんす堂
  院展に行く秋袷選びけり
『ランゲージ・ダンス』上野 一子
福岡在住「天籟通信」・ふらんす堂
  奈落では重宝がられいる海鼠
『流星』松本 鷹根
京都在住「京鹿子」・東京四季出版
  干柿や谺和みの峡日和
『シリーズ自句自解Ⅱベスト100 桑原三郎』桑原 三郎
埼玉在住「犀」・ふらんす堂
  バスを待つ青首大根畑前
『河鹿笛』大里 卓司
東京在住・現代俳句協会躍動第Ⅰ期・1
  ヒトラーアベ共謀罪の除夜の鐘
『受け止むる淵』海野 良三
長野在住「岳」・現代俳句協会躍動第Ⅰ期・2
  暮れゆける浅間山近かり籾殻火
『犬も歩けば』矢澤 賢一
静岡在住「宇宙」・遺句集・宇宙俳句会
  上昇の凧にはだかるもののなし

写俳集

『奏Ⅱ』渡部波海子(共著)
東京在住「紫」「八千草」・めぐみ工房
  寒夕焼いつかひとりになるふたり

評論集・俳文集

『俳句ロマン チヒロの世界旅』畑本 千尋
京都在住・文芸社
『笙の風』出口 善子
大阪在住「六曜」・東方出版
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現代俳句2018年12月号所収分
 
句集とその一句
 
『俳縁写縁の友垣』伊丹三樹彦
兵庫在住「青群」・青群俳句会
  正視され しかも赤シャツで老いてやる
『バタ付きパン』田川ひろ子
熊本在住「WA」・文學の森
  冬菫質問したきことばかり
『回帰』川名 将義
神奈川在住「銀化」・ふらんす堂
  春といふ去りやすきもの来たりけり
『二人への卒業証書』石栗 小六
神奈川在住・銀河書籍
  金メダル受く小柄なる防寒着
『宙の音』佐藤 清美
群馬在住「鬣」・六花書林
  山眠る頭上の青空と暮らす
『俺、猫だから』前田吐実男
神奈川在住「夢」・歴史探訪社
  ねずみ巣を出て師走の空を見る
『けものの苗』竹岡 一郎
大阪在住「鷹」・ふらんす堂
  花よ如何に誦し山伏は火のかたち
『あれも詩これも詩』村上 和巳・村上 春美
奈良在住「幻」・幻俳句会
  秋風や地平線の果てまで同じ果樹
  漢・匈奴溶岩(ラバ)山杏の花盛り
 
評論集
 
『語り継ぐいのちの俳句』高野ムツオ
宮城在住「小熊座」・朔出版
 
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現代俳句2018年11月号所収分
 
句集とその一句
 
『東京の地下鉄』白戸麻奈
東京在住「紫」・ふらんす堂
▷ 鼻と鼻つけ寒見舞いするネズミ
『HIDEAWAY』久保純夫
大阪在住「儒艮」・儒艮の会
▷ 優婆塞の呪禁を倣う大旦
『木椅子』稲村茂樹
宮城在住「陸」・紅書房
▷ 中空に菩薩あるらし枯銀杏
『少年期』キム・チャンヒ
愛媛在住・マルコボ・コム
▷ お別れも出会いも春のピアノから
『記憶における沼とその他の在処』岡田一実
愛媛在住「らん」・青磁社
▷ 白藤や此の世を続く水の音
『七分の嘘』細田慶子
鹿児島在住「形象」・ジャプラン
▷ 蛍にはなれない私ほたる飼う
『春暁』桑田和子
大阪在住「暁」・角川文化振興財団
▷ この畦のここに今年も若菜摘み
『季風吟』星野雅良
神奈川在住・忍世房
▷ 来る年も屹度咲かせよ百日紅
『秋日和』関根道豊
埼玉在住「港」・私家版
▷ どうしても九十歳へと目刺焼く
『大田螺』小林春代
長野在住「岳」・現代俳句協会展開第4期・9
▷ おてんと様が見てると春のぼやきかな
『ことばの芽』関根洋子
神奈川在住「草樹」・現代俳句協会展開第4期・10
▷ 時時は砂を零して山眠る
 
評論集

『わたくし的俳句の読み方』服部修一
宮崎在住「海原流域」・鉱脈社
『俳句の不思議、楽しさ、面白さ』武馬久仁裕
岐阜在住「船団」・黎明書房
 
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現代俳句2018年10月号所収分
 
句集とその一句
 
『櫂の音』杉 美春
神奈川在住「小熊座」「天為」・ふらんす堂
▷ 大白鳥ウラルの果てへ首伸ばす
『野遊び』次井義泰
大阪在住「花苑」・文學の森
▷ 万緑へ変はる夜明けのシルエット
『奔流』新野祐子
山形在住「海程」・スタジオ・マージン
▷ 人と熊襲い襲われ桃源郷果つ
『田舎教師』鴨下 昭
茨城在住「あしはら」「亜」「鶏鳴」
▷ 梅雨ばさと水面に木橋崩れ落つ
『風典』夏木 久
福岡在住「連衆」「豈」・風詠社
▷ 木石に風雅染みこませ永久
エッセイ・評論集
『田中裕明の思い出』四ッ谷龍
東京在住「むしめがね」・ふらんす堂
 
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現代俳句2018年9月号所収分
 
句集とその一句
 
『三連音符』一井魁仙
東京在住「山河」・山河俳句会
▷ ウィーンから音楽切手冬すみれ
『城』徳弘 純
大阪在住・株式会社編集工房ノア
▷ 南へシーラカンスの夢の中へ
『水脈』?田南舟子
神奈川在住・朝文社
▷ 今しもの力満ちゆく梅の園
『祝祭』中村重義
福岡在住「天籟通信」・文學の森
▷ しんしんと雪降る音符の優しさで
『夜蟻』赤野四羽
三重在住・邑書林
▷ 鍵として針として詠む一句あり
『東海道即悠々』星野昌彦
愛知在住「景象」・春夏秋冬叢書
▷ いまはのとき誰を呼びしか鳶の笛
『子音』田中葉月
福岡在住「豈」・ふらんす堂
▷ 風花す銀紙ほどのやさしさに
『管制塔』内田 茂
大阪在住「青垣」・ふらんす堂
▷ 雪蛍花街の門をくぐりたる
『るん』辻村麻乃
埼玉在住「篠」「ににん」・俳句アトラス
▷ 初大師馬の仁王の立ち上がる
『星野雅良句集』星野雅良
神奈川在住・東京図書出版
▷ 碧空や静寂(しじま)冷たき石の壇
『薔薇果』青木澄江
長野在住「鬣」・角川文化振興財団
▷ 山吹は二度咲き半跏思惟菩薩
『流沙』山崎 聰
千葉在住「響焔」・本阿弥書店
▷ 大寒波もとより誰のせいでもなく
『ジュークボックスよりタンゴ』池谷秀子
兵庫在住「青垣」・本阿弥書店
▷ 置炬燵夫も私も少し古り
『四郷村抄』伊藤政美
三重在住「菜の花」・菜の花会
▷ 稲刈が終り大きな闇となる
評論集・俳文集
『日めくり子規・漱石 俳句でめぐる365日』神野紗希
東京在住・愛媛新聞社
『伊丹三樹彦白寿記念誌』伊丹三樹彦
大阪在住「青玄」・沖積舎
『一茶を読む やけ土の浄土』松林尚志
東京在住「木魂」「海程」・鳥影社
 
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現代俳句2018年8月号所収分
句集とその一句
 
『ゆきあひ』外山安龍
大阪在住「半夜」・半夜俳句会
▷ 晩夏光さよならよりもありがたう
『遠い目で咲く』徳森凉子
鹿児島在住「形象」・ジャプラン
▷ 星満天星屑一つここに在り
『月球儀』山本 掌
群馬在住「海程」・Dips.A
▷ 神遊ぶ朱のひとしずく寒牡丹
『飛鳥』野木桃花
神奈川在住「あすか」・深夜叢書社
▷ 対岸の不毛な論争いわし雲
『夏草』米川五山子
愛知在住「陸」・現代俳句協会展開第4期・1
▷ 猫じやらし下手な口笛吹いてみる
『鳥の手紙』白石喜久子
愛知在住「晨」「円座」・角川文化振興財団
▷ 高炉の火はるかな父へ露の秋
『白髪』堀越胡流
群馬在住「鬣」「ロマネコンティ」・現代俳句協会展開第4期・7
▷ 棕櫚の花散り終えている缶コーヒー
『月の呟き』茂里美絵
埼玉在住「海程」「遊牧」・現代俳句協会展開第4期・2
▷ 夢に父寒紅梅と睦みおり
『ふくらんで』伴場とく子
東京在住「麦」・文學の森
▷ あれはもうおとといのこと鳥雲に
『球殻』花谷 清
京都在住「藍」・ふらんす堂
▷ 水仙の一邑ゆたかなる暮色
『水平線』中嶋三雄
千葉在住「好日」・東京四季出版
▷ 山粧ふ数多の古墳懐に
『憤怒』松下道臣
東京在住「萱」・ふらんす堂
▷ 冬怒濤砕けてからも襲ひ来る
『喜望峰』小泉瀬衣子
千葉在住「港」・角川文化振興財団
▷ 北風やひとりに一つづつ背中
『水辺のスケッチ』金山桜子
滋賀在住「quatre」・ふらんす堂
▷ 大岩に天の鳥船麦青む
『もういいかい』浅井通江
北海道在住「艀通信」・三和印刷
▷ 文鎮の下をはみ出す春隣
『高木一惠句集』高木一惠
千葉在住「海程」・角川文化振興財団
▷ 定住漂泊おぼろ狐の尾の千切れ
『雪蛍』越前唯人
北海道在住「道」・株式会社アイワード
▷ もう二度と犬は飼うまい冬の月
『サボテンの花』塩谷美津子
福井在住「水明」「頂点」「幹」・著者
▷ 凩や脛のあたりの静けさは
 
 
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現代俳句2018年5月号所収分
句集とその一句
『原始楽器』狩野康子
宮城県在住「海程」・文學の森
▷ 異教徒にゴルゴダの丘春眩し
『北国の四季』千葉芳醇
青森県在住「黒艦隊」「海程」・私家版
▷ 御神酒だけ忘れぬオヤジ年用意
『人地球』川島一夫
東京都在住「花」・現代俳句協会展開第Ⅲ期・10
▷ 前をゆく日傘の列よ不戦の詩
『しゅろの木』永田タヱ子
宮崎県在住「海程」・ジャプラン
▷ 踊りの輪抜けてふるさと後にする
『無中心』日野百草
東京都在住「玉藻」「鷗座」「軸」・第三書館
▷ 玉砕の島より鷲の羽ばたけり
『花合歓』西前千恵
東京都在住「野の会」・現代俳句協会展開第Ⅳ期・4
▷ 山茶花やつくづく平和資料館
『人に火に足跡』諏訪洋子
山口県在住「歯車」・現代俳句協会展開第Ⅳ期・3
▷ 遠くに象あっけらかんと山つつじ
『花薺』村本なずな
埼玉県在住「海程」・現代俳句協会展開第Ⅲ期・9
▷ 秋天へピカソ素描の鳩放つ
『美しい夜』浜岡紀子
千葉県在住「寒雷」「ににん」・現代俳句協会展開第Ⅳ期・5
▷ 葛湯とく明日が透けて見ゆるまで
『旅』山﨑幸子
千葉県在住「好日」・現代俳句協会展開第Ⅳ期・6
▷ 橋ありてこの道続く冬銀河
『夢祝』塩野谷仁
千葉県在住「遊牧」・邑書林
▷ 竜の玉海の色否雌伏の色
『成木責』草場白岬
神奈川県在住・ふらんす堂
▷ 鬼逃がす闇やはらかし節分会
『怪しい雑貨店』前野砥水
愛知県在住「韻」・(株)ブイツーソリューション
▷ 晩成の櫻がさそふ余生かな
評論集・俳文集
『蕪村・山頭火・三鬼の魅力』成井惠子
茨城県在住「薫」「海程」・文學の森
『俳句・人間の居る風景(続)』市川榮次
山梨県在住「昴」・ウエップ
『『おくのほそ道』を読む』石 寒太
埼玉県在住「炎環」・毎日新聞出版
 
 
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現代俳句2018年4月号所収分
句集とその一句
『日常』亀田虎童子

東京都在住「萱」・文學の森
▷ 苦笑ひするほど小さき鏡餅
 
『風の声』多胡たかし
千葉県在住「あざみ」・文學の森
▷ 若葉燃ゆ古都山の風海の風
 
『紙風船』谷川彰啓
大分県在住「九州俳句作家協会」・ジャ プラン
▷ 耳の底へ海鳴りつづく枯母郷
 
『赤鬼の腕』中内亮玄
福井県在住「海程」「狼」・狐尽出版
▷ 鼻水をすすって菜花まみれかな
 
『百句鈔 山・蜩・蝸牛』中根唯生
愛知県在住「氷点」・安井印刷
▷ 落日を目指しておりぬ蝸牛
 
『「七洋」俳句エッセー』中里 良
福岡県在住「天籟通信」・天籟俳句会
▷ 船上に匂うものなし油照り
 
『出雲、うちなるトポス』森田 廣
島根県在住 ・霧工房
▷ 蝶結びして凍蝶となりし姉よ
 
『影を大事に』髙橋俊彦
神奈川県在住「顔」・文學の森
▷ 三途より呼び戻されて冬銀河
 
『風の刻』行川行人
東京都在住「かまつか」・かまつか俳句会
▷ 平成の確かな時間初山河
 
『半』市川榮次
山梨県在住「昴」・株式会社ウエップ
▷ 矢継ぎ早くすり大尽大晦日
 
『櫨の実の混沌より始む』加藤知子
熊本県在住「豈」「連衆」・ジャプラン
▷ 秋は愛 雨の中ゆく雨やどり
 
『へえとかほおとか』石川まゆみ
広島県在住「海程」「夕凪」・文學の森
▷ 漏刻に沓の音する緑夜かな
 
『風韻』石 寒太
埼玉県在住「炎環」・紅書房
▷ みちのくのたちまち消えし寒夕焼
 
『シリーズ自句自解Ⅱベスト 100 武藤紀子』武藤紀子
愛知県在住「円座」「古志」「晨」・ふ らんす堂
▷ またも来むあふちの花の咲く頃に
 
『壺の耳』山口彩子
千葉県在住「響焰」・角川文化振興財団
▷ もうすこしこちらにいます花筏
 
『花縁の写俳亭』伊丹三樹彦
兵庫県在住「青群」・青群俳句会
▷ 牡丹に紅葉に 三千句業の最晩年
 
評論集・俳文集
 
『この世佳し―桂信子の百句』宇多喜代子
大阪府在住「草樹」・ふらんす堂
▷ 冬真昼わが影不意に生れたり
 

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現代俳句2018年3月号所収分

 
句集とその一句
 
『獏枕』二上貴夫
神奈川県在住「詩あきんど」・ハイク&レンク出版
  カレンダーに書き込み多し夏隣
『建立 橋口等全句集』橋口 等
鹿児島県在住「九州俳句」・風詠社
  宙巡礼星星をして祈らしめ
『人間賛歌』西谷剛周
奈良県在住「幻」「斑鳩吟社」・幻俳句会
  おおかたは灰になるもの年詰まる
『遍路杖』岡村清子
山口県在住「草炎」「山彦」・やまびこ出版
  どの声も岩に弾けて牡蠣を打つ
『いきものの息』常盤 優
神奈川県在住「炎環」・紅書房
  花一匁さくらのひらくまたひらく
『山火の勢』奥山源丘
静岡県在住「岳」・角川文化振興財団
  憂国忌浪が怒濤となる夕べ
『花、わたしたちは…』姥澤愛水
東京都在住「野の会」・ふらんす堂
  暮れかねる『天地創造』のヴァイオリン
『情の帆』篠田悦子
埼玉県在住「海程」・深夜叢書社
  栖み古りて武州のみどり情の帆
『竜の玉』小池 溢
埼玉県在住「港」・文學の森
  真葛原呆けないために詠む・歩く
『穀象』岩淵喜代子
埼玉県在住「ににん」・ふらんす堂
  永き日や水にまぎるる鯉の群
『青』田中青志
岐阜県在住「菜の花」・文學の森
  年忘れなどと忘れぬこと作る
『鴨緑』上田昭子
神奈川県在住「麦」・本阿弥書店
  春星座人生ときに立ち止まる
『草蛍』畠山濁水
岩手県在住「秀」・著者
  旅人はけふを大事に曼珠沙華
『素秋』安西 篤
東京都在住「海程」・東京四季出版
  見るべきは見つ海牛の遠まなざし
『農詩人』尾堤輝義
埼玉県在住「寒雷」・文學の森
  俳号は持たず放てる野火を詠む
『三餘』畠山カツ子
山形県在住・現代俳句協会展開第三期―8
  ねんごろに足湯を使う昭和の日
 
エッセイ集
 
『あさがや千夜一夜』三輪初子
東京都在住「炎環」・朔出版
 
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現代俳句2017年12月号所収分
 
句集とその一句
 
『道草』五明 昇  埼玉県在住「鳥羽谷」「水明」・文學の森
  ▽黒富士を残し冬至の大落暉
 
『宙つかむ』江原玲子  東京都在住「海鳥」・海鳥の会
  ▽豆撒の声のひとつは変声期
 
『青岬』衣川次郎  神奈川県在住「港」・角川文化振興財団
  ▽春遠しテロが茶の間に入り込む
 
『石の記憶』髙橋亜紀彦  東京都在住「紫」「金木星」「銀化」・破殻出版
  ▽身に付きし噓を水母に見破らる
 
『俳句のアジール』望月至高  大阪府在住「六曜」・現代企画室
  ▽影消えて白いパラソル残しけり
 
『烏瓜』竹鼻瑠璃男  青森県在住「寒雷」「雪天」・文學の森
  ▽かまくらてふ雪塊に灯が生延びぞ
 
『自句自解Ⅱベスト100大牧広』大牧 広  東京都在住「港」・ふらんす堂
  ▽いとほしき雛が居る筈かの巣箱
 
『葛根湯』佐藤映二  千葉県在住「岳」・現代俳句協会コレクション第2期・6
  ▽佇つ鷺の嘴刺す代田水輪かな
 
『動詞』林  桂  群馬県在住「鬣」・現代俳句協会コレクション第2期・7
  ▽星の終はりは/風吹く/さくら/さくらかな
 
『人類』安田中彦  北海道在住「香天」・邑書林
  ▽人類の進化事典と冬瓜かな
 
『旧街道』小熊未央  神奈川県在住「野の会」・文學の森
  ▽桜咲くタップダンスは似合わない
 
『青いりんご』戸川 晟  東京都在住「野の会」・現代俳句協会展開第3期・7
  ▽数え日やしきりに誰かが呼んでいる
 
『二人の珈琲』平島俊子  東京都在住・創言社
  ▽計らずも十日の菊の香りかな
 
評論集・俳文集
 
『俳句愛のわが友垣』伊丹三樹彦  兵庫県在住「青群」・青群俳句会
 
『季語体系の背景』宮坂静生  長野県在住「岳」・岩波書店
 
『抑留紀』平島一郎  遺作集・創言社
 
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現代俳句2017年10月号所収分
 
句集とその一句
 
『十三月』東村美代子  愛知県在住「潮騒」・私家版
  ▽松葉杖霞の籬跳び越えよ
 
『時のほころび』宇都宮華水  鹿児島県在住「形象」・ジャプラン
  ▽命とは一つの記憶合歓の花
 
『オパール世代』宇佐見輝子  神奈川県在住「草樹」「好日」・文學の森
  ▽細胞の有効期限梅盛り
 
『雪解川』松本詩葉子  石川県在住「雪華」「秋」・現代俳句協会展開第3期・6
  ▽獅子舞に歯応への良き子の頭
 
『告白』瀬戸優理子  北海道在住「WA」・株式会社パレード
  ▽その先は言葉を継がぬ牡丹雪
 
『森の在所』井上けい子  千葉県在住「遊牧」・文學の森
  ▽天に伸ぶ木の芽微かに烟り居て
 
『百会』今村たかし  東京都在住「杉」・ウエップ
  ▽それぞれの旅の最中や草もみぢ
 
『秦夕美句集』秦 夕美  福岡県在住「豈」・ふらんす堂
  ▽あの世とは爽籟のなか鳥が鳴く
 
『不壊』島村 正  静岡県在住「宇宙」・文學の森
  ▽生得の天分はなし日脚伸ぶ
 
『句游』佐藤榮一  神奈川県在住「響」「波」・角川文化振興財団
  ▽日あたりて色の膨らむ福寿草
 
『緑陰』近藤亜沙美  愛媛県在住「海程」・文學の森
  ▽コットンに含ます秋思画布へ青
 
『秋の蜂』川崎益太郎  広島県在住「海程」「夕凪」「明」・文學の森
  ▽静物が生物となる霜夜かな
 
『恋のぶぎぶぎ』川崎千鶴子  広島県在住「海程」「夕凪」「明」・文學の森
  ▽錆びていく山をびょうぶに大根畑
 
評論集・俳文集
 
『戦後俳句の民主的運動の展開』 鴨下 昭
 茨城県在住「あしはら」「亜」・岡光印刷
 
『昭和・平成を詠んで―伝えたい俳人の時代と作品―』 栗林 浩
 神奈川県在住「遊牧」「小熊座」「円錐」「街」・株式会社書肆アリス
 
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現代俳句2017年9月号所収分
 
句集とその一句
 
『緑林』前川弘明 長崎県在住「海程」・拓思舎
  ▽眠るまで止まぬつもりの雪がふる
 
『月のレクイエム』國安愛子 広島県在住「海程」・文學の森
  ▽猫ミイは母の膝にて月の舟
 
『遠花火』中村和男 福岡県在住「自鳴鐘」・文學の森
  ▽冬すみれ幼き日々のなつかしく
 
『光陰』大山夏子 東京都在住・文學の森
  ▽八重桜今咲き満ちて八十路かな
 
『ぴあにしも』川村研治 神奈川県在住「寒雷」「ににん」・現代俳句協会 展開第3期・5
  ▽わが指なりや手袋の中のゆび
 
『中川肇句集Ⅲ』中川 肇 東京都在住「円座」「宙」・㈱ミューズ・コーポレーション
  ▽身にしむや六十年の魚ごころ
 
『琥珀』渡邉樹音 埼玉県在住「岳」「頂点」「夢座」・深夜叢書社
  ▽初春のドールハウスを開けておく
 
『丸太小屋』桶上照男 長野県在住「岳」・現代俳句協会 展開第3期・4
  ▽桔梗咲き何か覚悟のやうなもの
 
『山の陽』伊澤二三子 宮城県在住「小熊座」・本阿弥書店
  ▽にはとりは羽を温めて春を待つ
 
『星狩』清水 伶 千葉県在住「遊牧」・本阿弥書店
  ▽たましいを華とおもえば霰ふる
 
『偐紫今様源氏』鈴木砂紅 埼玉県在住・文學の森
  ▽捨てに捨てついに蠟梅あかりかな
 
『往還』横山康夫 大分県在住・私家版
  ▽夭き死の今もまぶしく水草生ふ
 
『般若心経』星野昌彦 愛知県在住「景象」・春夏秋冬叢書
  ▽菩提薩婆訶声細りゆく法師蟬
 
遺句集
 
『小林一昭句集』小林一昭 新潟県・山彦吟社
  ▽枯れてなどたまるか酸素ガリガリ吸う
 
評論集・俳文集
 
『俳句の底力』秋尾敏  千葉県在住「軸」・東京四季出版
 
合同句集・他
 
『星辰図ゆるやかなれば』中永公子  兵庫県在住「青群」「球」ビレッジプレス
 
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現代俳句20177月号所収分
 
句集とその一句
 
『和草』矢田和子 福岡県在住「ロマネコンティ」・文學の森
 ▽寒昴金と銀との鞍が行く
 
『日脚』岡田耕治 大阪府在住「香天」・邑書林
 ▽それからは悟朗の未来風車
 
『遠州灘』大場弌子 静岡県在住「港」・角川文化振興財団
 ▽美しく老いて行きたし酔芙蓉
 
『羽のある亀』髙野公一 東京都在住「山河」・㈱ネクサスライフ
 ▽天地のしじま糺して鶴歩む
 
『四照花亭日乗』久保純夫 大阪府在住・儒艮
 ▽折紙を解くことなく居ずなりぬ
 
『黄鶺鴒』鈴木修一 秋田県在住「海程」・文學の森
 ▽人の名の胸にこだます十三夜
 
『静かな時間』山中正己 東京都在住「野の会」「船団の会」・ふらんす堂
 ▽青ざめたダビデの裸像冬に入る
 
『開封』武山 平 宮城県在住「港」・文學の森
 ▽骨太き大正の祖母扇置く
 
『一日十句』松田ひろむ 東京都在住「鷗座」・第三書館
 ▽人間にお結び芥菜を刻む
 
『霜柱』若林波留美 埼玉県在住「紫の會」・東京四季出版
 ▽ふたたびの呼氣すこやかに靑き踏む
 
『朝桜』鈴木征子 埼玉県在住・ふらんす堂
 ▽走り去るマフラーを背に靡かせて
 
『小町圭選集』小町 圭 神奈川県在住「夢」・ふらんす堂
 ▽ローマから昼下がりまで去年今年
 
『満ち欠け 自由律句集』いまきいれ尚夫
 東京都在住「層雲自由律」「群妙」・層雲自由律事業部
 ▽雨止んで夜が地面に貼り付いた
 
『俘虜語り』百瀬石涛子 長野県在住「岳」・花神社
 ▽若桜少年兵が今卒寿
 
『長嶺千晶句集』長嶺千晶 東京都在住「晶」・ふらんす堂
 ▽残生といふ斑雪野へ出でにけり
 
『普陀洛記』大畑 等 遺句集・中山デザイン事務所
 ▽尻上がりに木魚の狂う桜かな
 
『青』杉本青三郎 埼玉県在住「歯車」「豈」・現代俳句協会 展開第3期・3
 ▽みかん箱の机遠くなる正座
 
『花まつり』城 寿子 遺句集・現代俳句協会 展開第2期・10
 ▽蛍とぶ源泉ぬるき下部の湯
 
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現代俳句2017年5月号所収分
 
句集とその一句
 
『蜷の道』高橋将夫 大阪府在住「槐」・文學の森
 ▽良き時代を生きて蒲団で大往生
 
評論集・俳文集
 
『拝啓 静生百句』宮坂静生・小林貴子
 長野県在住「岳」・花神社
 
合同句集・他
『俳句・その地平』大牧 広
 東京都在住「港」・文學の森
 
『続・自習室』小島良子

 東京都在住「萱」・文學の森
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現代俳句20174月号所収分
 
句集とその一句
 
『青羊歯』倉田明彦 長崎県在住「梟」・紅書房
 ▽冬晴やわれら系統樹の梢
 
『古稀の余白』千葉芳醇 青森県在住「黒艦隊」「海程」・私家版
 ▽颱風に家流された影法師
 
『双樹の欅』河野哲也 神奈川県在住「澪」「三田俳句丘の会」・文學の森
 ▽男同士膝つき合はす漱石忌
 
『青葉潮』景山而遊 埼玉県在住「鷹」・文學の森
 ▽杖とめて太き息せり冬銀河
 
『器量』上村ツネ子 東京都在住「秋」・本阿弥書店
 ▽B面にそつと期すもの草の花
 
『少年のやうな蜻蛉』田川節子 長野県在住「岳」・本阿弥書店
 ▽手造りの本の工房小鳥来る
 
『しをり草』田邉幸子 東京都在住「波」・本阿弥書店
 ▽脱線の己が意のうち蝸牛
 
『素心』塚田佳都子 神奈川県在住「草樹」「好日」・本阿弥書店
 ▽古刀禰の中洲一叢行々子
 
『冬干潟』武藤紀子 愛知県在住「円座」「晨」「古志」・角川文化振興財団
 ▽またも来むあふちの花の咲く頃に
 
『天の道 多行俳句+写真』山口可久實 愛知県在住「未定」・私家版
 ▽亀が鳴く「申し分ない秋日和」
 
『明日も生きてゐる感じ』中村 國司 栃木県在住「白魚火」・文學の森
 ▽七日粥明日も生きてゐる感じ
 
俳文集・他
 
『福島晶子写真集withHAIKU Family in 鎌倉』福島晶子
神奈川県在住「鬼」・コールサック社
 
『猫俳句パラダイス』倉阪鬼一郎 神奈川県在住「豈」・幻冬舎
 
『わが心の自叙伝』伊丹三樹彦 兵庫県在住「青群」・沖積舎
 
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現代俳句2017年3月号所収分
 
句集とその一句
『高遠』林 亮 高知県在住「草樹」・私家版
▽いつまでも髪の匂へり厄の櫛
 
『父の木』伊藤政美 三重県在住「菜の花」・菜の花会
▽枯野行く誰にも何も問はれずに
 
『針突』大城あつこ 沖縄県在住「WA」・現代俳句協会
▽アラーム泣く観音開きの冷蔵庫
 
『春の泥』藤冨万亀子 大阪府在住「花筐」
     尾家國昭 大阪府在住「花筐」「頂点」・文學の森
▽幼子と同じ歩幅や春の泥(藤冨)
▽老若の議論の果てや春の泥(尾家)
 
『緑の時間』岡田恵子 神奈川県在住「山河」「西北の森」・喜怒哀楽書房
▽空海がここにも在す青葉光
 
『虎の夜食』中村安伸 東京都在住「豈」・邑書林
▽十万億土に秋の団扇がひとつきり
 
『句集游庵・文集敬天』藤川游子 大阪府在住・朔出版
▽秋霖のなか敗北の碑を建てる
 
『鳥心地』岩井かりん 長野県在住「岳」・角川文化振興財団
▽口笛を吹きつつ枯れてゆく男
 
『口語俳句集椰子並木』羽田知行 静岡県在住「主流」・主流社
▽句碑遺す先祖もあって若葉照る
 
『山の子』境 延昭 埼玉県在住「水明」・文學の森
▽冬の霧散骨のぞむ友の遺書
 
『虚(空)無』米岡隆文 大阪府在住「藍」「里」「杭」・邑書林
▽魂を浮かべ水鳥水平へ
 
『囀り』草花一泉 岩手県在住「樹氷」「寒雷」「みちのく」・私家版
▽子育てや蹴爪を研ぐ峯の鷹
 
『黄落』並河 洋 神奈川県在住「野の会」「ロマネコンティ」・私家版
▽歩を継いで君の好みし萩を見に
 
『晩白柚』小南千賀子 愛知県在住「氷点」・東京四季出版
▽草の罠ほどの躓き幾度も
 
『水の容』木村和也 大阪府在住「船団の会」・創風社出版
▽星座解く音水鳥の目覚める音
 
『青い絵タイル(アズレージョ)』斉藤すみれ 神奈川県在住「岳」・現代俳句協会
▽水に浮く河馬の目鼻や風は秋
 
『砂川』西村智治 東京都在住・現代俳句協会
▽暗き山つらねて滋賀というらしき
 
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現代俳句2017年1月号所収分
 
句集とその一句
 
『螢火の塔』柏田浪雅 東京都在住「岳」・角川文化振興財団
▽人間も狼も火を恋ひてきし
『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』瀬戸正洋 神奈川県在住・邑書林
▽おばさんに嫌はれました日の盛
『プレイ・オブ・カラー』森澤 奈良県在住「藍」・ふらんす堂
▽にわとりは走りマグノリアのみどり
『水陽炎』長井 千葉県在住「遊牧」・現代俳句協会
▽一羽づつ曇天になるゆりかもめ
『レインボーズ エンド』前田霧人 大阪府在住「天街」「草樹」「杭」・霧工房
▽おぼろ夜の夢追いそのうちグッドバイ
『風の言葉』武藤あい子 群馬県在住「草林」・東京四季出版
▽青空にタンゴのリズム秋深し
『安心』森田公司 埼玉県在住「寒雷」・私家版
▽ふだん着に教師の時の冬服を
『喜神』山田貴世 神奈川県在住「波」・東京四季出版
▽人生の午後や斯くまで空澄めり
『妙聲』天野光暉 岡山県在住・私家版
▽天帝の子がもてあそぶ凧
『星籠』千葉信子 千葉県在住「草笛」・深夜叢書社
獺祭忌潮より雨のみどりなる
『然るべく』岡村知昭 滋賀県在住「豈」「狼」「蛮」・人間社
▽鯉幟けむり少なくなりにけり
『蟬氷』春田千歳 東京都在住「歯車」・現代俳句協会
▽鰭あれば死者とふれ合ふ青水無月
『不思議の国』萩山栄一 静岡県在住「豈」「主流」・文學の森
▽チェス盤の白のクイーンはアリスである
『練』中井嘉文 東京都在住・広研印刷
▽生き得たる八十五年や敗蓮
『雲南の凍星』たむら 神奈川県在住「炎環」・文學の森
▽洞庭の月ざわめきの岳陽楼
 
評論集・俳文集
『詩の旅』鳴戸奈菜 千葉県在住「らん」・現代俳句協会
『よしのずいから PART(4)』城取信平 長野県在住「みすず」・私家版
 
合同句集・他
『くらしの歳時記』亀山公一 栃木県在住・随想舎
 
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現代俳句2016年11月号所収分

句集とその一句

『トランスフォルム』鴇沢正道 東京都在住「麦」・紅書房
 稚児の頰静かに燃えて夜長かな

 
『思ってます』池田澄子 東京都在住「豈」「船団」「面」・ふらんす堂
 ▽わが句あり秋の素足に似て恥ずかし
 
『石鏃抄』矢田  兵庫県在住「らん」・露工房
 ▽たまきはる命なりけり露零る
 
『虚数』増田  神奈川県在住「桜蔭」「炎環」・角川文化振興財団
 ▽原発は無限の虚数寒の星
 
風と歩く』安田淳子 東京都在住「海鳥」・海鳥の会
 ▽幕の間に立ち飲みシャンパン大晦日
 
『文様』鳴戸奈菜 千葉県在住「らん」・角川文化振興財団
 ▽戦争せぬための戦争ありか春は来るか
 
『断片以前』山本敏倖 東京都在住「山河」「豈」・山河俳句会
 ▽一瞬にやっと近づく枯蓮
 
『光滴々』新出朝子 北海道在住「かでる」・かでる俳句会
 ▽晩年を懐紙に包み花うぐひ
 
『蟬しぐれ』小島裕子 埼玉県在住「軸」・俳句図書館鳴弦文庫
 ▽夢を翼に早春の山河越ゆ
 
『夢洗ひ』恩田侑布子 静岡県在住「豈」「樸」・角川文化振興財団
 ▽夭夭とみづまなこにもさくらにも
 
『夢想の大地におがたまの花が降る』四ッ谷  東京都在住「むしめがね」・書肆山田
 ▽おがたまは散り裸婦像は鳩を掌に
 
谷と村の行程』白井重之 富山県在住「海程」・文學の森
 ▽細い弟川原で焼いて冬の骨
 
『筆の穂先』今井千穂子 神奈川県在住「秋」「昴」・本阿弥書店
 ▽メサイアを友と親しみ冬銀河
 
噴井』宮坂静生 長野県在住「岳」・花神社
 ▽来る歳へ子が寝返りぬ火のからだ
 
宿題』足立喜美子 東京都在住「秋」・現代俳句協会
 ▽銀漢や寒山拾得励み出す
 
『天心』櫛部天思 愛媛県在住「櫟」・角川文化振興財団
 ▽雪嶺のかくもしづかに師を憶ふ