2013年2月20日 / 最終更新日 : 2019年1月31日 gendaihaiku 現代俳句コラム 春風や闘志抱きて丘に佇つ 高浜虚子 評者: 山口木浦木 大正二年の作と言われている。西暦で言えば一九一三年であり、今からちょうど百年前の作品となる。 いい句には時代を超えた説得力があるのだろう。この句に接すると元気が出てくる。激励の要素が少なからずあるのだ。しかもユーモア […]
2013年2月10日 / 最終更新日 : 2019年1月31日 gendaihaiku 現代俳句コラム 春山の腰のあたりを越えゆけり橋 閒石 評者: 山口木浦木 この句の魅力は何か。一言でいえば、艶やかな擬人法だろう。 「春山の腰のあたり」という表現がポイント。「春山」と「腰」を他の言葉に置き換えてみたらどうなるか。 春山ではなく夏山、秋山、冬山ならどうか。この句の主眼が艶 […]
2013年1月31日 / 最終更新日 : 2019年1月31日 gendaihaiku 現代俳句コラム けふぞはや見ぬ世の旅の更衣 大淀三千風 評者: 瀧 春樹 信徳や桃青を「小短冊」と斬って捨てる理由の一つに次のようなことが喧伝されていた。 桃青は行脚の際、三ヶ月しか仙台に逗留しなかった。これは三千風の勢力が強くてあまり歓待されなかったのではあるまいか、と――。 三千風の […]
2013年1月21日 / 最終更新日 : 2019年1月31日 gendaihaiku 現代俳句コラム 金風の心(しん)の柱や御本山 大淀三千風 評者: 瀧 春樹 日本行脚の旅に出た大淀三千風は、一六八四(貞享元)年六月二十一日、豊前小倉に上陸し、豊後、肥後と引杖の旅を続ける。 長崎における僧侶たちの三千風評は面白い。「情愛は兼好に勝る」とか「歌は赤人に隣す」などと言われ、西行 […]
2013年1月11日 / 最終更新日 : 2019年1月31日 gendaihaiku 現代俳句コラム 柳髪も世を秋風の手剃りかな 大淀三千風 評者: 瀧 春樹 井原西鶴の「西鶴大箭数」を意識していたか否かは不明であるが、大淀三千風は第二の故郷とも言うべき仙台に滞在した折に 空花を射る矢数や一念三千句 三千風 を巻頭とする「仙台大箭数」を著し、大箭数の号を用いてもいた。江 […]
2013年1月1日 / 最終更新日 : 2019年1月31日 gendaihaiku 現代俳句コラム 便所より青空見えて啄木忌 寺山修司 評者: 松岡耕作 昭和二十八年、受験誌「蛍雪時代」の文芸欄中村草田男選二席の作品、寺山の初期の代表作の一つ。簡明ながらも便所と青空の見事な設定、フレッシュな感覚で、啄木への思いが込められた。次も同時期の作品。 花売車どこへ押せども母 […]