2007年3月9日 / 最終更新日 : 2019年2月21日 gendaihaiku 現代俳句コラム 夜ざくらの坂より座敷の中見ゆる 横山房子 評者: 寺井谷子 夜桜の下のそぞろ歩き。「座敷の中」の措辞が、一邸とでもいうような佇まいや、それまでそこを占めていたろう宴の気配まで想像させる。「坂」の設定もよく働く。夜桜の闇の先にはそこに居た客の姿があるかもしれない。ちらと目にした景 […]
2007年2月5日 / 最終更新日 : 2019年2月21日 gendaihaiku 現代俳句コラム 鎌倉を驚かしたる餘寒あり 高濱虚子 評者: 寺井谷子 「定本虚子全集」の第五巻(昭和23年、創元社発行)の「自句自解」には、〈俳句外國語譯註釋原文〉〈俳句朗讀原文〉〈音楽を背景としての俳句朗讀原文〉の三本があり、虚子の仕事の巾を伝える。中でも〈俳句外國語譯註釋原文〉は、訳 […]
2007年1月15日 / 最終更新日 : 2019年2月21日 gendaihaiku 現代俳句コラム 獏枕なにがなんでも吉夢とす 宇多喜代子 評者: 寺井谷子 めでたくも新しき年を迎えられたこと思う。掲句、会長職を引き受けられてからの怱忙を重ねると(勿論、この一句は会長就任以前の作だが)、身につまされるものがある。 それにしても、現代の女流作家(これも昨今「女流」ではなく、 […]