鎌倉を驚かしたる餘寒あり 高濱虚子 評者: 寺井谷子
「定本虚子全集」の第五巻(昭和23年、創元社発行)の「自句自解」には、〈俳句外國語譯註釋原文〉〈俳句朗讀原文〉〈音楽を背景としての俳句朗讀原文〉の三本があり、虚子の仕事の巾を伝える。中でも〈俳句外國語譯註釋原文〉は、訳の為の
鎌倉を……鎌倉といふ場所を、
驚かしたる……驚かした。
餘寒あり……春の寒さがあった。
と三行、次に自解の三行。それらの短い、ぶっきらぼうな語調が、虚子の声を直に聞くようでめっぽう面白くも、「俳句」の「短さ」「手強さ」を改めて思わせてくれる。
鎌倉を……鎌倉といふ場所を、
驚かしたる……驚かした。
餘寒あり……春の寒さがあった。
と三行、次に自解の三行。それらの短い、ぶっきらぼうな語調が、虚子の声を直に聞くようでめっぽう面白くも、「俳句」の「短さ」「手強さ」を改めて思わせてくれる。
評者: 寺井谷子
平成19年2月5日
平成19年2月5日