豊山千蔭『心空なり』現代俳句の100冊[50]

現代俳句協会会員の方は、お客様情報の「*お名前」の欄に、協会にご登録のお名前(俳号)を入力して下さい。 縄綯ひて夜乃耳白らむ結氷音 風化の観音妻一本の杖となる 初夢の白牡丹なる失明感 箸置いて聞こゆるはただ冬来る音 遠き […]

山口素人閑『松籟』現代俳句の100冊[49]

現代俳句協会会員の方は、お客様情報の「*お名前」の欄に、協会にご登録のお名前(俳号)を入力して下さい。 歌に生き幸多き春八十路かな 血は枯れず蓬髪北風に白けれど 芸の壁又壁壁や木の芽吹く ひとつひとつの重荷おろして枯野行 […]

東川紀志男『胸の樹』現代俳句の100冊[46]

現代俳句協会会員の方は、お客様情報の「*お名前」の欄に、協会にご登録のお名前(俳号)を入力して下さい。 胸の樹の手足が泳ぐ鈍い音楽 真珠の海の蛎くいすぐに黄昏の仲間 坐して争う素足の童子緑陰にて 朝の鶏童女の丈までとびあ […]

深谷雄大『方今』(自筆サイン入)現代俳句の100冊[48]

現代俳句協会会員の方は、お客様情報の「*お名前」の欄に、協会にご登録のお名前(俳号)を入力して下さい。 六根のしなざるものを雪地獄 今生の負に立ち向かふ雪無尽 露の世に露の身ひとつ宇宙塵 四菩薩や雪後の天に雪の花 妻に文 […]

林 桂『百花控帖』

  花という装置の不思議を改めて思う。地球は水の星と言われるが、また花の星であろう。喪失を癒やす花がなかったら、地球はどんなに淋しい星になっていただろう。──林 桂(あとがきより) 花薄(はなすすき)巨石(きよ […]

関口比良男『蓬萊』(自筆サイン入)現代俳句の100冊[42]

現代俳句協会会員の方は、お客様情報の「*お名前」の欄に、協会にご登録のお名前(俳号)を入力して下さい。 名園の水光に耐ゆ薄化粧 蛇の尾に残心ありて穴を離る 迅速の雲ならばこそ月影よ 波の数だけの初日が寄せてくる 首鼠今や […]

相葉有流『水月』(自筆サイン入り)現代俳句の100冊[36]

現代俳句協会会員の方は、お客様情報の「*お名前」の欄に、協会にご登録のお名前(俳号)を入力して下さい。 もくせいの径にちらばる修羅ごころ 積みし刈り草抱けば月明ぬくみもつ 三国路や鯉飼えば雪音もなし 山河あり師走の護符の […]

小檜山繁子『紙衣』現代俳句の100冊[53]

現代俳句協会会員の方は、お客様情報の「*お名前」の欄に、協会にご登録のお名前(俳号)を入力して下さい。 鉄条網の長き残像蝶舞へり 故郷は轍にかゝる蝶の翅 針刃物鏡ひかがみ熱沙越ゆ 痛がりて青年が選る冬の薔薇 落葉掃く日暮 […]

橋本直『符籙』

  知的でワイルドでスマートだけれど、どこかに下世話な優しさの漂う「中年」句にしばし耽溺してもらいたい――阪西敦子 『符籙』の一句一句には、思わぬ枠取りの魅力があり、それらは、根底にあるクールなまなざしによって […]