2018年8月10日 / 最終更新日 : 2019年1月6日 admin 現代俳句コラム 梅咲いて庭中に青鮫が来ている 金子兜太 評者: 柿本多映 『遊牧集』所収。掲句を初めて読んだとき、その強靭なイメージに息を飲んだのだった。一句の中の青鮫と白梅、シュールな絵画を眼の前にしているような不思議な感動におそわれたのを覚えている。 兜太氏は掲句について「戸を開けると […]
2018年7月9日 / 最終更新日 : 2019年1月6日 admin 現代俳句コラム 鳴き終えて蟬がきれいになっておる 森下草城子 評者: 伊藤政美 この作品は、毎月行われている「中日総合俳句会」の平成24年8月例会に出されたものである。そのとき、私が推薦5句のうちの1句として選んだこともあって、会報に小評を書くことになった。 以下、そのまま引用する。 俳句はリ […]
2018年6月1日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 谷に鯉もみ合う夜の歓喜かな 金子兜太 評者: 大畑等 金子兜太自身色紙によく書く句。今日多くの人の眼に触れている。エネルギッシュな印象もあいまって、「性的なほのめかしも感じられる」との評も見受けられる。しかし、それは違う。この句は性歌なのである。この句は金子兜太句集『暗黒地 […]
2018年5月20日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 無神の旅あかつき岬をマッチで燃し 金子兜太 評者: 松田ひろむ 母親にとって、子供はいくつになっても子供という。 ここでは「与太」といいながら、わが子を眼を細めて見ている様がうかがわれる。 作者もまた「与太」と言われることに満足している風が楽しい。 「夏の山国」と、ややぶっきら […]
2018年5月7日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 夏の山国母いてわれを与太と言う 金子兜太 評者: 松田ひろむ 母親にとって、子供はいくつになっても子供という。 ここでは「与太」といいながら、わが子を眼を細めて見ている様がうかがわれる。 作者もまた「与太」と言われることに満足している風が楽しい。 「夏の山国」と、ややぶっきら […]
2018年4月18日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム おおかみに螢が一つ付いていた 金子兜太 評者: 大石雄鬼 ぶっきらぼうで野太い俳句。まさに金子兜太らしい金子兜太だからできる俳句。おおかみという巨大な存在感。そこにぽつんと螢がくっついている。「付いていた」という言い方から、誰かが語りかけている印象があるが、それは兜太自身の声 […]
2018年4月1日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 奈良七重七堂伽藍八重ざくら 松尾芭蕉 評者: 四ッ谷龍 【数学俳句 その3】 歴史上、もっとも偉大な数学俳人は誰でしょうか。じゃーん、答えは松尾芭蕉さんです(私の独断)。 芭蕉が数学的感覚にすぐれた人だったのではないかと思われる理由はいくつかあるが、ここでは「数列への関心」と […]
2018年3月16日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 片陰にのみこまれゆく六本木 今井肖子 評者: 四ッ谷龍 【数学俳句 その2】 数学俳句には、私見では三通りぐらいの種類のものがあると思っている。 1. 数学用語や数学者の名前を折りこんだ俳句 2. 数学理論や数学者の業績を賛美した俳句 3. 必ずしも数学用語が出てくるわ […]
2018年3月1日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム フィボナッチ指数のごとく蝌蚪生まる 矢野玲奈 評者: 四ッ谷龍 【数学俳句 その1】 昨今、「数学俳句」なるものが話題になっていて、ときおり数学をテーマとした俳句を目にするようになりつつある。数学俳句をもっとも精力的に発表し、数学イベントにも参加して普及に一役買っているのは関悦史氏だ […]
2018年2月15日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 帚木に影といふものありにけり 高浜虚子 評者: 小野裕三 僕は、俳句史上もっとも「クレイジー」な俳人は虚子だと思っていて、これは長い間の僕の持論でもある。一般的には守旧派の親玉みたいに見られているのだろうが、ところがどっこい、彼はその守旧の果てみたいなところでメビウスの輪みた […]