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汽笛まだ筑紫の中に残りいて
すみれ愛す臍下丹田まで降りて
草餅や雲になるため汽車に乗り
反目の白い蛾となり夜つくる
ありありと日蔭の月日石蕗の花
炎天の声とならねば鎖鳴る
いたむ傷もてば菖蒲の葉に力
蛞蝓やひとの世の底あかり吸う
ふと父の匂い旱の蝶くれば
薄日や身のうちに散る遠桜
走ればみどり子の髪に住む小鳥たち
欅立つ雲の五月は咲くごとく
陽の枯葉透いてまぶたの沖にあり
気管支のもっとも奥の枯葉の咳
冬空があましたパンの耳である
錠剤おとす胃の腑烏まで
内田 啓『雲の五月』(うちだ・けい/『くものごがつ』)
[目次]
口笛抄 5頁
黒猫抄 35頁
丹田抄 53頁
一木衆抄(一) 75頁
一木衆抄(二) 97頁
俳句以前 119頁
種茅の一句
なんきんむしの町
未来への架橋 阿部誠文 131頁
年譜 148頁
あとがき 156頁
写真撮影 田沼武能(2019年文化勲章受賞)
平成11年初版 B6判 156頁
協会在庫管理の新古本。良好な状態です。
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