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◆第二句集
水鳥に会ふときいつも同じ靴
三十代までに十数回の転居をしましたが、
気が付くと、今の住居での暮らしが十九年ほどにもなります。
都会でもなく、本当の田舎でもない、
当地での生活にいつしか馴染んだようです。
(あとがきより)
◆作品紹介
一〇〇〇トンの水槽の前西行忌
自宅から土筆の範囲にて暮らす
雉の駆け込みし玉ねぎ小屋の裏
県庁と噴水おなじ古さかな
甘藍に囲まれ天使幼稚園
歌仙巻く女たちみな素足かな
集まらぬ日の椋鳥の楽しさう
初鴨の油の抜けしやうな顔
かいつぶり毎日無理をしてゐたり
水鳥に会ふときいつも同じ靴
水仙の先へ廊下を継ぎ足せる
法螺貝の素の音の出る春隣
岡田由季(おかだ・ゆき)
1998年 炎環入会
2007年 第一回週刊俳句賞受賞
2014年 句集『犬の眉』
2021年 第67回 角川俳句賞受賞
現在 「炎環」同人、「豆の木」「ユプシロン」参加
装画:吉永直子
装丁:和兔
四六判並製カバー装
184頁 2023/06/02刊行
ふらんす堂
【販売価格】2,750円(送料込み) *定価2,750円(本体2,500円+税10%)