佐藤 久 第一句集『呼鈴のあと』

gh-b-73

佐藤久『呼鈴のあと』  (gh-b-73)

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佐藤 久 第一句集「呼鈴のあと」 
  
 一行で書かれた小説のような句だと感じる。勿論、実際には存在しない小説だ。それでも私はその小説を読んだことがあるように思えるし、何より想像できるのは、それを読む自分自身の姿なのである。そんな想像ができるとは、なんとも不思議な魅力のある俳句である。― 尾澤慧璃(跋より)

自選12句
呼鈴のあとの永遠夏木立
母にだけ内緒の話桃を剝く
補助輪を外して帰る麦の秋
鳥渡るひとりで卵かけご飯
橋を吊る鋼線の束冬来る
廃業の湯屋の貼紙クリスマス
極月の底やエレベーター開く
初桜もう来ることのないオフィス
濡れてゐる木馬の背中花菜風
ソーダ水すべてが未来だつた頃
栗を剝く何もなかつたやうに雨
くれなゐを解き白梅咲きにけり

佐藤 久
1956年 神奈川県横浜市生まれ
2012年 現代俳句協会入会
2013年 「蛮の会」入会 主宰・鹿又英一に師事
2017年 「俳句の杜2017」精選アンソロジー(本阿弥書店)
2023年 第一句集「呼鈴のあと」上梓
現 在 「蛮」編集長(「蛮の会」ホームページ https://ban-haiku.com)
    現代俳句協会会員、神奈川県現代俳句協会幹事
    横浜俳話会会員、全国俳誌協会会員、超結社「天晴」同人
    NPO法人「未来塾」俳句講師

句集「呼鈴のあと」
2023年12月11日発行   四六判・200ページ/全307句  
株式会社東京四季出版 
【販売価格】2,700円(送料込み) *定価2970円(本体2700円+税10%)

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