2018年4月18日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム おおかみに螢が一つ付いていた 金子兜太 評者: 大石雄鬼 ぶっきらぼうで野太い俳句。まさに金子兜太らしい金子兜太だからできる俳句。おおかみという巨大な存在感。そこにぽつんと螢がくっついている。「付いていた」という言い方から、誰かが語りかけている印象があるが、それは兜太自身の声 […]
2018年4月1日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 奈良七重七堂伽藍八重ざくら 松尾芭蕉 評者: 四ッ谷龍 【数学俳句 その3】 歴史上、もっとも偉大な数学俳人は誰でしょうか。じゃーん、答えは松尾芭蕉さんです(私の独断)。 芭蕉が数学的感覚にすぐれた人だったのではないかと思われる理由はいくつかあるが、ここでは「数列への関心」と […]
2018年3月16日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 片陰にのみこまれゆく六本木 今井肖子 評者: 四ッ谷龍 【数学俳句 その2】 数学俳句には、私見では三通りぐらいの種類のものがあると思っている。 1. 数学用語や数学者の名前を折りこんだ俳句 2. 数学理論や数学者の業績を賛美した俳句 3. 必ずしも数学用語が出てくるわ […]
2018年3月1日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム フィボナッチ指数のごとく蝌蚪生まる 矢野玲奈 評者: 四ッ谷龍 【数学俳句 その1】 昨今、「数学俳句」なるものが話題になっていて、ときおり数学をテーマとした俳句を目にするようになりつつある。数学俳句をもっとも精力的に発表し、数学イベントにも参加して普及に一役買っているのは関悦史氏だ […]
2018年2月15日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 帚木に影といふものありにけり 高浜虚子 評者: 小野裕三 僕は、俳句史上もっとも「クレイジー」な俳人は虚子だと思っていて、これは長い間の僕の持論でもある。一般的には守旧派の親玉みたいに見られているのだろうが、ところがどっこい、彼はその守旧の果てみたいなところでメビウスの輪みた […]
2018年2月1日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム ローソクもつてみんなはなれてゆきむほん 阿部完市 評者: 小野裕三 僕自身が俳句初学の頃に、もっとも憧れた現役の俳人はこの人物だった。いや、憧れたというより、嫉妬に近いものを感じた、というのがより正確かも知れない。どうやったらこんなめくるめく世界が作れるのか、という不思議は今も僕にとっ […]
2018年1月6日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 半円をかきおそろしくなりぬ 阿部青鞋 評者: 小野裕三 一般的にはそれほど知名度は高くないけれど、もっと名前が知られてもいいのになあ、と思う俳人が幾人かいる。阿部青鞋は僕にとって、そのような俳人の筆頭である。この空恐ろしいほど卓越した独特のセンスを持った俳人を、もっと多くの […]
2018年1月1日 / 最終更新日 : 2019年1月11日 admin 現代俳句コラム 夏夕焼授乳の母を円心に 宇多喜代子 評者: 高橋修宏 「三月十一日以降 原発を円心として」という詞書の記された三十句の中の作品。 句集名ともなった「円心」とは、大辞林によれば「円の中心」という意味のほかに、仏教用語で「完全な涅槃を求める心」という意味をもつとされる。 ひとつ […]