2001年5月31日 / 最終更新日 : 2019年2月22日 gendaihaiku 現代俳句コラム 木にのぼりあざやかあざやかアフリカなど 阿部完市 評者: 村井和一 無季の作品です。雲の上まで伸びる豆の木に登ったジャックには、遥かアフリカも望見できたでしょう。これは、宇宙時代の眺望です。「あざやかあざやか」が快いリズムを作っています。一方、「万葉集」開巻第2首目の「登り立ち国見をす […]
2001年5月7日 / 最終更新日 : 2019年2月22日 gendaihaiku 現代俳句コラム 春はあけぼのみなさんの忘れもの 松澤 昭 評者: 村井和一 『枕草子』を踏んでいます。作者は「春は曙・・・のような音感のすばらしさは、ぜひ忘れないでほしい」といいます。音感だけではありません。先行文芸に唱和するという方法も近代の俳句が忘れてきた方法の一つです。こんな読み方もあり […]
2001年2月26日 / 最終更新日 : 2019年2月22日 gendaihaiku 現代俳句コラム 猪がきて空気を食べる春の峠 金子兜太 評者: 村井和一 空気を食べる猪。山の彼方の青空まで食べそうです。猪は満足そうです。 猪のねに行くかたや明の月 去来 に対して芭蕉は、人里へ下りた猪が明け方に山へ帰るのは古人も知っていたことだ。優美を旨とする和歌でさえそれを〈帰る […]