2006年2月9日 / 最終更新日 : 2019年2月21日 gendaihaiku 現代俳句コラム 薄氷の裏を舐めては金魚沈む 西東三鬼 評者: 鈴木石夫 金魚鉢の水面がうっすらと凍っている。その薄氷に閉じこめられたように金魚が居り、その薄氷の下を彼はゆっくり浮き沈みしている。「薄氷の裏を舐める」という意表をついた、そしてユーモラスなフレーズがいかにも三鬼らしくておもしろ […]
2006年1月30日 / 最終更新日 : 2019年2月21日 gendaihaiku 現代俳句コラム みちのくは底知れぬ国大熊(おやじ)生く 佐藤鬼房 評者: 鈴木石夫 作者は大正八年、岩手県釜石の生れ、生粋の東北人である。東北の風土に根ざしたヒューマンな血の温もりを感じさせる作風。陸奥(みちのく)は昔から底知れぬ国であった。その奥州や蝦夷地の山中には、現代も羆(ひぐま)が棲息している […]