三月の甘納豆のうふふふふ 坪内稔典 評者: 鈴木石夫

 作者は京都の大学の先生なのだが、こういう、いわば遊びの句を好んで書いている。掲句は、そうした作者の代表作の一つといってもいいだろう。実はこの手の甘納豆俳句は三月だけではなく、一月から十二月まで、一種の連作として作られているのだった。
  一月の甘納豆はやせてます
  三月の甘納豆のうふふふふ
  甘納豆六月ごろはごろついて
  十二月をどうするどうする甘納豆
 
評者: 鈴木石夫
平成17年12月8日