まつぴるま河豚の料理と書いてある 京極杞陽 評者: 宇多喜代子

 「書いてある」が「食いに行く」ではまことにつまらなくなる。この「書いてある」のおかしさ。この作者の天然のおおらかさが、おかしさがサラリとでていて、じつに好もしい。さてさて、京極杞陽は「まつぴるま」にこの「河豚の料理」を食べたのかどうか。こんな洒落た句をつくる方、そんなこと、きくだけ野暮だろう。
句集『くくたち』上巻所収。
 
評者: 宇多喜代子
平成20年12月1日