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前句集『にれかめる』で牛飼詩人としてその名を全国に知らしめた著者の、現在までの集大成となる第4句集。
2019年から2023年までの5年間を、白・黒・緑・銀・青の彩りに謳いあげました。
◆自選12句
春来る尾の有るものに無いものに
白樺の樹皮のしらりと春雪光
母牛の喰らふ春闇色の胞衣
蝦夷梅雨の牛の涎のやうな空
沖とほき息夏草を胸に漕ぎ
黒牛に黒い反芻熱波来る
いとど出てくる住み古りし貌をして
露に牛追ふ棒切れも露に濡れ
鹿の屍を穿る鴉の芯まで黒
吹かれをる枯蜘蛛足八本無欠
青空を重石と思ふ寒さかな
雪の夜の牛の眼の底知れず
目次
白樺の樹皮 二〇一九年
黒い反芻 二〇二〇年
緑の呼吸 二〇二一年
銀の凍 二〇二二年
青の深度 二〇二三年
あとがき
著者プロフィール
鈴木牛後(すずき・ぎゅうご)
1961年 北海道生まれ
2009年 iモード俳壇「俳句の缶づめ」(夏井いつき選)に投句を始める
2011年 「藍生」入会
2012年 「第1回大人のための俳句を作ろうコンテスト」(現・百年俳句賞)最優秀賞受賞
俳句集団【itak】の旗揚げに幹事として参画
2016年 「雪華」入会
2017年 藍生賞受賞
2018年 第64回角川俳句賞受賞
2019年 第34回北海道新聞俳句賞受賞(『にれかめる』にて)
2023年 「藍生」終刊
2024年 「アジール」に参加
(版元ドットコムより引用)
発行日:2025年5月30日
書肆アルス
【販売価格】2,410円(送料込)(本体価格2,200円+送料210円)