妹を泣かせて上がる絵双六 黛まどか 評者: 坂田直彦

 退職が近づいたころ「こどもはいく」という小冊子をまとめるため、小・中学校の国語科の教科書を全部集めた。俳句がどう扱われているか確認したかったからである。
 小学校では六年生または五年生が俳句の勉強をすることになっている。小学校国語科の教科書を発行している出版社は五社ある。そして、取り上げた俳句は、芭蕉・一茶・誓子(四社)、蕪村・汀女(三社)、子規(二社)、碧悟桐など五名が一社となっていた。
  雪解けて村いつぱいの子供かな   一茶
を三社が載せている。また、
  菜の花や月は東に日は西に     蕪村
  赤とんぼ筑波に雲もなかりけり   子規
  スケートのひも結ぶ間もはやりつつ 誓子
を二社が取り上げている。
 芭蕉、一茶、蕪村ではなく、現代のもの、さらには子供の俳句が教科書に載ればいいと思っていた。
 現存している方で採用されていたのは、この「妹を」と、
  白葱のひかりの棒をいま刻む    黒田杏子
だけであった。
 また、教科書では、季語の場合、「季語を入れるという約束がある」「季語といって、季節を表す言葉を入れるのが決まりになっています」「季節を表す季語をいれるのがふつうです」「季節を表す季語というものをよみこのむのが約束になっています」などと書かれている。
  弟にようしゃはしないカルタ取り (小・四)

出典:小学校教科書
評者: 坂田直彦
平成23年1月1日