第74回現代俳句協会賞決定のお知らせ

当協会は6月29日(土)協会事務所に於いて、第74回現代俳句協会賞の選考委員会を開催し、以下のとおり決定しましたのでお知らせいたします。

本賞は、平成30年中に刊行された協会会員の句集の中から、第一次選考(29編)及び最終選考(11編)を経て、決定されたものです。

 

◎第74回現代俳句協会賞(氏名50音順) 
      佐怒賀正美・句集『無二』
      永瀬十悟・句集『三日月湖』

 

◎受賞者のプロフィールは次のとおりです。

◇佐怒賀正美(さぬか・まさみ)
1956年(昭和31年)、茨城県生まれ。63歳。

◆俳句歴:
学生時代「東大学生俳句会」にて、山口青邨・小佐田哲男・有馬朗人の指導を受ける。
1978年(昭和53年)、「秋」に入会、石原八束(のちに文挾夫佐恵)に師事。
1990年(平成2年)、「天為」(主宰有馬朗人)創刊から参加。
2006年(平成18年)~現在、「秋」主宰、「天為」特別同人。

◆現在:
現代俳句協会副幹事長・広報部長、東京都区現代俳句協会副会長、全国俳誌協会顧問。
専修大学文学部客員教授(俳句創作講座)。日本文藝家協会、日本ペンクラブ各会員。

◆句集:
第1句集『意中の湖』(1998)・第2句集『光塵』(1996)・第3句集『青こだま』(2000)・第4句集『椨(たぶ)の木』(2003)・第5句集『悪食の獏』(2008)(以上、角川書店刊)・第6句集『天樹』(2012)(現代俳句協会刊)・第7句集『無二』(2018)(ふらんす堂刊)

『無二』より自選5句
星芒や砂漠をすべる春の蛇
空豆にファラオの眉の如きもの
初空やましら渡りは虚もつかみ
ごきぶりの仮死より覚めて頼りきぬ
マフラーの長きが散らす宇宙塵

 

◇永瀬十悟(ながせ・とおご)
1953年(昭和28年)福島県生まれ。66歳。

◆俳句歴:
2003年(平成15年)第56回福島県文学賞受賞
2011年(平成23年)第57回角川俳句賞受賞
2013年(平成25年)句集『橋朧―ふくしま記』(コールサック社)
2018年(平成30年)句集『三日月湖』(コールサック社)

◆現在:
俳句同人誌「桔槹」、「群青」所属。
福島県文学賞俳句部門審査委員。
福島民報・民報俳句選者。

『三日月湖』より自選5句
鴨引くや十万年は三日月湖
除染袋すみれまでもう二メートル
牡丹焚火照らされてゐる我が無明
かなかなのここは宇宙の渚かな
泥土より生れて春の神となる

 

○選考委員氏名(五十音順)
恩田侑布子、塩野谷仁、高岡修、照井翠、前川弘明、渡辺誠一郎

○表彰式
令和元年11月16日(土)午後1時より「東天紅・上野店」にて開催の第56回現代俳句全国大会席上にて。

以上