第77回現代俳句協会賞決定のお知らせ

当協会は6月25日(土)協会事務所に於いて、第77回現代俳句協会賞の選考委員会を開催し、以下のとおり決定しましたのでお知らせいたします。

本賞は、2021年中に刊行された協会会員の句集の中から、第一次選考(22編)及び最終選考(11編)を経て、決定されたものです。

 

◎第77回現代俳句協会賞(氏名50音順) 
      林桂・句集『百花控帖』(現代俳句協会)
      堀田季何・句集『人類の午後』(邑書林)

 

◎受賞者のプロフィールは次のとおりです。

◇林桂(はやし・けい)
1953年、群馬県生まれ、69歳。

◆俳句歴:
1967年 授業の句会を機に句作開始し、学習雑誌に投稿。
「歯車」(1970・鈴木石夫代表)、「寒雷」(1971・加藤楸邨主宰)に句を投じ、師事。
1974年 新潟日報俳壇賞(加藤楸邨選)受賞。
1977年 第5回五十句競作(俳句研究・高柳重信選)1席。
同人誌「未定」(1978・澤好摩代表)、「吟遊」(1998・夏石番矢代表)創刊に同人参加。
1988年 俳句評論集『船長の行方』で、群馬県文学賞(評論部門)受賞。
2001年 同人誌「鬣TATEGAMI」を創刊し代表同人、現在に至る。
2022年 群馬県功労者(文化)受賞。

◆現在:
「鬣TATEGAMI」代表同人、現代俳句協会会員、現代俳句評論賞選考委員、口語詩句新人賞(公益財団法人佐々木泰樹育英会)審査員長、上毛俳壇(上毛新聞社)選者、群馬県文学会議副会長、NHK前橋カルチャーセンター講師、群馬大学非常勤講師、日本文藝家協会会員、群馬ペンクラブ理事。

◆句集:
『黄昏の薔薇』(1984)『銅の時代』(1985)『銀の蟬』(1994)『風の國』(2004)
『はなのの絵本りょうの空』(2013)『雪中父母』(2015)『ことのはひらひら』(2015)
『動詞』(2017)『百句控帖』(2021)

『百花控帖』より自選5句
花(はな)薄(すすき)巨石(きよせき)は神(かみ)となりにけり
水仙(すいせん)や青(あお)戻(もど)りつつ日本海(にほんかい)
出征(しゆつせい)の日(ひ)の父(ちち)麦(むぎ)の花(はな)一列(いちれつ)
十一人(じふいちにん)ゐて夏(なつ)萩(はぎ)に風(かぜ)止(や)まず
薔薇(ばら)を愛(あい)す力石(りきいし)徹(とほる)のごとく痩(や)せ

 

◇堀田季何(ほった・きか)
1975年、東京都生まれ、46歳。

◆詩歌歴:
2009年 第2回石川啄木賞(短歌部門)受賞。
2010年 第3回芝不器男俳句新人賞齋藤愼爾奨励賞受賞。
2016年 歌集『惑亂』により平成28年度日本歌人クラブ東京ブロック優良歌集賞受賞。
2018年、「俳句王国がゆく」北海道浦河町編俳句チャンピオン。
2020年 楽園俳句会を結社。
2021年 俳誌「楽園」創刊、主宰、現在に至る。
2022年 句集『人類の午後』で2021年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
国内外の文学祭や詩祭に参加する他、俳句を中心に、多言語多形式で執筆。

◆現在:
「楽園」主宰、「短歌」同人。現代俳句協会会員、同協会幹事、兜太現代俳句新人賞選考委員、全国俳誌協会新人賞審査員、センバツ!全国高校生即吟俳句選手権審査員、詩歌トライアスロン選者。現代歌人協会、日本歌人クラブ、日本国際詩人協会各会員。

◆詩歌集:
句集に『亞剌比亞』(2016年)、『星貌』(2021年)、『人類の午後』(2021年)、
歌集に『惑亂』(2015年)。他に訳書や共著。

『人類の午後』より自選5句
人間を乗り継いでゆく神の旅
息白く唄ふガス室までの距離
戦争と戦争の間の朧かな
吾よりも高きに蠅や五六億七千万年(ころな)後も
タイムマシン着くどこまでも夏の海

 

○選考委員氏名(五十音順)
恩田侑布子、塩野谷仁、高岡修、照井翠、前川弘明、渡辺誠一郎

○表彰式
2022年11月12日(土)午後1時より「JR九州ステーションホテル小倉」にて開催の第59回現代俳句全国大会席上にて。

以上