現代俳句　令和6年 1月号 通巻 699号 グラビア　俳句ひらく わたしの一句　宇多喜代子 百景共吟　江中真弓、橋本　直 第60回現代俳句全国大会・協会各賞表彰式 列島春秋　6 新春に寄せて　俳諧自由こそ尊し　中村和弘　 […]

降りしきる平成令和昭和の日　　　　岩佐　久 今日の水今日の音して初桜　　　　　中村　春 山眠る目線の位置を変へてみる　　　野々風子 呼んでゐるやうに落葉の頻りなり　　二口わこう 小春日や母の形見のよろけ縞　　　　古畑　和 […]

作品十句 春の海大腿骨の湾の中　　　　　　　おおしろ房 一人づつのベンチにひとりづつの春　塩見かず子 どうしても思い出せないわれもこう　田中一良 二〇三〇年蜩は鳴いてゐるか　　　　⻆田大定 春の雪恥づかしさうに消えていく […]

作品10句 吾亦紅わたしは此処が好きで住む　　　伊藤俊二 ものの芽や童の未来限りなく　　　　　宇川清英　 青大将逆光という全長感　　　　　　　大沢輝一　 揺れながら蜘蛛の囲らしくなつてくる　大堀祐𠮷 心にも大波小波涅槃西 […]

作品 10 句 農地今夏草のもの死者のもの　武山　平 逢ひたしの賀状にゆるる旅心　早川千鶴子 櫻闇　ほんのり見えた終着駅　松下けん 曼珠沙華真直に遠き白き道　　三木星童 衰えぬ峡のおなかの滝の音　　八尾とおる 現代俳句目 […]

ポケットにポケット図鑑草青む　阿部郁恵 赤紙の怖れなき世の成人式　　　伊達天 かなかなや心はるかに誘はるる　近藤喜子 鴉はもう来ない開戦日の森　　　田口美喜江 猫の恋地球に誰もいないのか　　丹生千賀 早春のレールの先の消 […]

裸木叩く深いところで眠っている　井上俊一 帰雁の軋み三角定規の角つかう　　髙橋公子 春一番軍拡大へ舵をきる　　　　　永井淑子 跳躍者取って食われる日本晴　　　馬場佳世 うららかや太陽の塔浮くごとし　　葊畑昌子 元日の希望 […]

囀りや空ごとたたむパイプ椅子　　　伊藤二三子 閂をはずし春風入れてやる　　　　　大石壽美 春愁や勢語の段の食い違う　　　　　妹尾　健 工房に鳥類図鑑木の根明く　　　　　長﨑玲子 新茶淹れひとりの午後のながきこと　中村昭苑 […]

予定表はみ出す三月の談話　　草野眞理子 原子炉に蛇蝎棲みたる春の闇　坂下遊馬 埴輪の口薄く開いて桃の花　　松原君代 風鈴の音を入れ遠き子へ動画　山口富雄 湯豆腐を四角に崩し閉塞感　　吉野　敏 現代俳句 目次 令和 5年5 […]

シリウスに照準合わされており　　麻生明 山下りて男米とぐ妹背鳥　　　　　飯土井志乃 初鏡わが歳月の山と河　　　　　　宇田篤子 畔焼きや煙にこもる地の願い　　　奈都薫子 たぷたぷと浪の寄せくる朝寝かな　村松二本 春障子する […]