帆手祭
👤宮城*渡辺誠一郎
三月十日火伏の町は鎮まりて
渡辺誠一郎

東日本大震災(平成23年)前日の神輿渡御の様子 撮影:三浦一泰
帆手祭は、毎年3月10日に行われる奥州一之宮鹽竈神社の氏子祭。
この祭は、天和2(1682)年に、大火によって町が衰退したことで、火伏と復興を願って始まった。
芭蕉が塩竈を訪れた6年前である。
町内への神輿渡御は、享保18(1733)年から始まり、戦時下でも中止することなく行われてきた。
見どころは、氏子16人が1トンの神輿を担ぎ、表参道の202段の急な石段を一気に下る場面。
荒れ神輿としても知られ、戦時中には警察署の建物にまでぶつかり、裁判沙汰にすらなったほどだ。
神輿の後には、大勢の着飾った稚児行列が続き、祭りに華やかさを添える。
町に春を呼ぶ祭である。
枝垂れ桜
👤茨城*安藤玲子
三百余年の垂れ桜よ尚生きよ
安藤玲子

枝垂桜 撮影:安藤玲子
茨城県南部の龍ヶ崎市根町の般若院境内に、樹齢数百年の枝垂れ桜がある。
天台宗般若院は、貝原塚町に開基され、後に現在の根町に移されたそうである。
昭和28年、天然記念物茨城県指定文化財に指定され、老木ながら地面すれすれに枝垂れる様は、美しいの一言につきる。
彼岸の頃に咲き始め、花に合わせて多くの人々が訪れる。
本堂の裏庭に在る桜は、昼は般若院の銅葺きの屋根を美しく飾り、夜はライトアップされる。
勿論露天も所狭しと並び、老いも若きも一年に一度の「さくら祭」を楽しみにしている。
宍道湖七珍
👤島根*黒崎柊二
白魚も宍道湖七珍も死語か
黒崎柊二

宍道湖七珍 写真提供:宍道湖漁協
宍道湖七珍とは、スズキ・モロゲエビ(ヨシエビ)・ウナギ・アマサギ(ワカサギ)・シラウオ・コイ・シジミのことを言います。
スモウアシコシ(相撲足腰)と覚えます。
しかし、近年は状況が変わりました。
アマサギは最も重要な漁業資源でしたが、平成6年の大量へい死後はほとんど宍道湖から姿を消してしまいました。
更にモロゲエビとウナギも近年漁獲量が激減しました。
またスズキやコイは漁獲しても、食する人が無いので魚屋には並びません。
シラウオは、豊漁・不良がありますが、冬季の重要な味覚としてかろうじて健在です。
シジミは漁獲量日本一を誇り、唯一宍道湖の特産品となっております。