弘前城雪燈籠まつり
👤青森*大瀬響史

平和かな雪像つくる自衛隊
             大瀬響史

陸上自衛隊員が作った洋館雪像(弘前市観光協会提供)

弘前城雪燈籠まつりは、昭和52年にスタートしました。
雪燈籠は、長くて辛い北国の冬を楽しく演出しようと市民手作りで行われます。
約150基に及ぶ大小様々な雪燈籠や雪像が公園内に配置されます。
灯りがともされたミニカマクラ群や雪像は照明に浮かぶ弘前城とあいまって幽玄の世界へ誘います。
メイン会場の四の丸には、歴史的建造物などをかたどった大雪像や、大きな滑り台も作られます。
特に大型雪像は、陸上自衛隊弘前駐屯地の隊員が毎年企画し、雪の少ない年は岩木山麓から重機で運んで来て完成させ好評を博しています。


国宝高田本山専修寺(せんじゅじ)
👤三重*平賀節代

内陣の金箔くもり雪催
             岡本千尋

御影堂と如来堂(撮影:坂中徳子)

真宗高田派の本山。
津市の北部、一身田寺内町にある。
今も昔のままの環濠と古い町並みを残している。
本瓦葺二階建ての巨大な山門を潜ると、威厳ある御影堂と如来堂が並び建つ。
圧巻は御影堂である。
拝観は無料、自由に入ることができる。
引戸を開けると739畳の空間がひろがり、金襴巻の太柱や天井画、祭壇の金箔や瓔珞が眩しく輝く、そこに座せば、おのずとありがたい気持ちになってくるから不思議だ。
如来堂は唐様の建物。
この二つは通天橋と呼ぶ廊下で結ばれている。
一月のお七夜や、境内に並ぶ大鉢に蓮が咲く頃は参詣の人々で賑わう。


五木村(五木の子守唄)
👤熊本*中山宙虫

五木へとこだまを送る薄氷
             中山宙虫

撮影:中山宙虫

おどま盆ぎり盆ぎり
盆から先ゃおらんど
盆が早よくりゃ早よもどる

おどま勧進勧進
あん人たちゃ良か衆(しゅ)
良か衆良か帯良か着物(きもん)

熊本県球磨郡五木村に伝わる「五木の子守唄」は、熊本県を代表する民謡のひとつとなっている。
幼子をあやしつける「子守唄」ではなく、子守をする子の悲哀を歌った「子守の唄」である。

私は仕事は盆まで
盆から先はここにいない
盆が早く来たなら早く帰りたい

私は貧乏
あの人たちは良い人たち(金持ち)
金持ちは良い帯の良い着物着て

と歌っている。

熊本県の南部の山深くに位置する五木村。
貧しい小作の家に生まれた少女たちは、10歳になると大地主などの金持ちの家へと子守として出された少女たちの姿が哀しい。

五木村は、60年以上に亘って、ダム建設に翻弄されている。
球磨川の支流である川辺川にダムを建設する計画が1966(昭和41)年に策定されたが、その計画は、環境保護団体等の反対運動が続き、計画から40年ほど過ぎた2008(平成20)年に白紙撤回された。
川辺川沿いにあった村へ続く主要道路は山の中腹に新設され、ダム湖に沈む予定だった村の中心施設は山の法面を切り開いて高台へ全て移転している。
ダムの計画が進んで撤回されるまでの間に村の人口は5分の1ほどの700人あまりまで減少していった。
ようやくダム問題が落ち着いた矢先、2020(令和2)年に起きた豪雨による球磨川流域の大水害により再びダム建設の計画が持ち上がり、2027(令和9)年に着工、その8年後の完成を目指している。

村の中心部に立って、かつては役場や学校や商店などがあった場所を見下ろす。
道の駅から「五木の子守唄」が常時流れている。
児童合唱団の歌声が、五木村の背負ってきた歴史と相まって胸に響く。