葉の化石 石川 森田香月
山滴る億年眠る葉の化石 森田香月
手取川中流域に位置する石川県白山市桑島(旧白峰村桑島)に桑島化石壁はある。
この化石壁からは、植物化石が多数産出したことで知られている。シダ・ソテツ・イチョウ・ナギの他、被子植物の化石も見つかっており、中生代の森の様子が想像できる。四季のある暖温帯の落葉樹林で、あちこちに花が咲いていたそうだ。

ニルソニオクラドゥス・ニッポネソシス(白山市化石調査センター提供)
ドイツ人のライン博士が植物化石を採集したことで知られる桑島化石壁であるが、1986年に恐竜の化石が発見されたことで広く知られるようになった。その後、「白山恐竜パーク白峰」が整備された。パーク内では、恐竜化石をメインに各種の植物化石が展示され、ジオラマやシアターも楽しむことが出来る。
ヒサクニヒコ-1024x401.jpeg)
加賀竜の復元画(制作 ©ヒサクニヒコ)

発掘調査のきっかけとなった肉食恐竜「加賀竜」の歯(白山市化石調査センター提供)
みみっちょさん 茨木 村田妙子
風薫るみみっちょさんの竹の絵馬 村田妙子
「みみっちょさん」は地元の人達の間で親しみを込めて呼ばれている「耳守神社」(みみもりじんじゃ)の事です。耳の聞こえなくなった千代姫様の伝説の残る神社です。
耳守神社では「耳が良くなりますように」と竹筒に穴を開け、願い事を書いて紐を通した絵馬を奉納します。竹筒を用意する事が難しい人は地元の竹職人の工房で作る事が出来ます。
全国でも珍しく県内外から、参拝者や見学に訪れています。参拝後、小川鎮守素鵞神社で御朱印を受け取る事が出来ます。3月3日の「耳の日」には「特別な御朱印を用意しております」との事です。

撮影:村田妙子
海霧 東北海道 鮒橋郁香
海霧に棲む仄白き闇見据えつつ 脇本文子
「海霧」と書いて「じり・ガス・かいむ・うみぎり」の四通りの読み方があり、「じりが降る」「ガスがかかる」と表現も異なるので、句の音数を整えたり作者の想いにより近い使い方ができる。海霧は主に初夏、太平洋高気圧の南風が冷たい親潮に冷やされることで海面より発生する。そのため昼間でも薄暗かったり、七月に暖房を使うことも多い。人々は時に愚痴を言いながらも、海霧もそこにあるべきものの一つとして受け入れ、その白い闇に包まれた季節を過ごしている。
なお小説『挽歌』で有名な作家・原田康子は釧路出身で、小説『海霧』により第三七回吉川英治文学賞を受賞した。