第26回現代俳句協会年度作品賞決定のお知らせ

当協会は、7月19日(土)協会事務所において第26回現代俳句協会年度作品賞の選考委員会を開催し、応募212編から下記のとおり授賞作品を決定しましたのでお知らせいたします。

この賞は、当協会会員の日頃の作句活動の中から生まれた優れた作品を顕彰するために制定されたもので、他賞及びコンクールでの入選作を除く、昨年1月から12月迄の間の既発表または未発表の作品計30句の募集作品を対象とするものです。

第26回現代俳句協会年度作品賞

なつはづき(なつ・はづき)
「朱夏」30句

(抄出5句)
蛇いちご母をまっすぐ見られぬ日

水を打つふいに寂しきピアス穴
臨月の腹万緑に押し返す
かぶと虫かさりと父の戻る夜
夕立去り点字ブロックから光る

水口圭子(みずぐち・けいこ)
「消えるため」30句

(抄出5句)
葉桜や懺悔にちょうど良い暗さ

大仏のはらわたの無き涼しさよ
消えるため人の世に来る雪螢
けものみち紅椿より始まりぬ
言霊を育てていたる夜の桜

受賞者プロフィール

◇なつはづき
 静岡県出身
 ◆俳句歴
 2018年(平成30年)第36回現代俳句新人賞受賞
 2020年(令和2年)  第一句集『ぴったりの箱』
 2022年(令和4年)  第5回攝津幸彦記念賞正賞受賞
 2025年(令和7年)  第二句集『人魚のころ』
 ◆現在
 「豈」「青山俳句工場05」「天晴」所属
 超結社朱夏句会代表
 一般社団法人現代俳句協会理事 研修部長

◇水口 圭子
 栃木県出身
 ◆俳句歴
 1991年(平成3年)  「響焰」入会、同人を経てのち退会
 1997年(平成9年)   石田よし宏に師事
 1999年(平成11年) 第一句集『現在地』
 2000年(平成12年)  「地祷圏」創刊参加、「頂点」参加
 2012年(平成24年)  「祭演」参加
 2022年(令和4年)  「ペガサス」参加
 2016年(平成28年) 平成28年度栃木県芸術祭文芸賞受賞
 2017年(平成29年) 平成29年度栃木県俳句作家協会賞受賞
 ◆現在
 「地祷圏」、「祭演」、「ペガサス」、いずれも同人
 現代俳句協会会員
 栃木県現代俳句協会事務局長

選考委員・表彰式

◇選考委員氏名(五十音順)
岡田耕治、神田ひろみ、倉田明彦、木暮陶句郎、田中朋子、松本勇二

◇表彰式(予定)
第62回現代俳句全国大会席上
令和7年11月3日(月・祝) 午後1時~「東天紅上野店」