ちゃんみな東京ドーム吟行
👤宮崎斗士

筆者撮影

世代的にどうしても「♪愛されたいから愛したのタリラリラッタタララのコニャニャチワ」となってしまう私だが、7月12日(日)、ちゃんみなの東京ドーム公演「AREA OF DIAMOND FINAL」に出向いた。
チケットは販売後わずか一時間で完売したらしい。
当日の公演は全国の映画館で生中継されたとのこと。
私の席は2階一塁側14列124番。
アリーナの左斜め前にどーんと巨大なステージ、位置的にはまあまあ悪くない。

筆者撮影

場内は派手派手な観客たち。
皆気合いが入っている。
開演の前からドーム内全体に赤白緑紫のペンライトが鮮やかに映える。

ペンライトの四色嵐呼ぶように
             斗士

やがて開演――。

「東京ドーム!相手してやるよ!かかって来いよ!」
「今までどんなもの相手にしてきたと思ってんだよ!」

序盤から、ちゃんみなとダンサーとバックバンドと照明(レーザービーム)とCG映像と観客のテンションとが一体となり、とにかく凄まじい。
東京ドームの擂り鉢で熱狂という名のとろろを掻き混ぜたようだ。
飲み込まれて身動きが取れない。 
3曲目「NG」では会場大合唱。
サングラスを外したちゃんみな。

ちゃんみなの振り向きざまの蝮の眼
             斗士
ちゃんみなの振り向きざまの稲光
             斗士

下五どちらにするか今でも迷っている(大した句じゃないが)。
いずれにせよLEDスクリーンに大写しになったその眼差しは「挑発」「威嚇」というレベルを超え、光線が出て射抜かれるようではあった。

「今日は素晴らしい現実をつくろうね!」

11曲目スローナンバーの「ダリア」。
ふと、つげ義春「ほんやら洞のべんさん」の一シーンが浮かんできた(こんなの観客4万2千人の中で私だけか?)。
「いい音ですね。なんだかしみじみとする音ですね。ぼくはいま……東京ドームでちゃんみなを観ているところなんだな……」

短夜やちゃんみなの声洞(ドーム)の中
             斗士

そして17曲目「WORK HARD」にて気球に吊るされ、ドーム内の上空30メートルに飛び上がったちゃんみな。
そこまでやるか!
歌いつつ、ヨーヨーのように上下しつつ、ドーム内を縦横に飛び回る。

ちゃんみなの揚々(ヨーヨー)として夏の宴
             斗士

公演の終盤、ふと後ろを振り向いて観客たちの顔を見渡すと皆何とも明るく活気に満ちた表情だった。
精神科医中井久夫の言葉に「希望を処方する」というのがあるが、ちゃんみなの音楽活動、パワフルな言動にもそのような作用がきっとあるのだろう。

「あなたは誰かの夢です。私の夢です。ちゃんみなでした!」

終演後、私の前列に座っていた女子二人(高校生ぐらい?)のうちの一人が「私、史上初めてこんな服着た……」と呟いていた。
大胆に両肩を露出したビスチェドレス。
今の自分からさらに一歩踏み出そう!というちゃんみなの精神が確と伝わったのだろうか。
そうだ、私もさらに一歩踏み出したい……でも高所恐怖症なので宙吊りはご勘弁!

筆者撮影

宮崎斗士(みやざきとし)
1962年生まれ
「海原」発行人・会友欄「海原集」選者
「青山俳句工場05」編集発行人
現代俳句協会理事・顕彰部長
東京四季出版「俳句四季」俳句投稿欄「四季吟詠」選者