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- WEB現代俳句2026年09月号|第27回現代俳句協会年度作品賞 庄子紅子

🏆第27回現代俳句協会年度作品賞
庄子紅子
【受賞作】
仕草
夕暮れのよもぎとなりて蓬摘む
大仏のうしろへ抜けて春の蝶
箸置きといふ春愁のやうなもの
春雨や柿の葉鮨の葉の厚く
受験生らしきにほひとすれ違ふ
鳥雲に入るささくれのくすり指
一日の真中に置かれ桜餅
揺れたくてゆれたくて紐春深し
五月来る厚き書を読む青年に
筍の獣くさきが手に残る
爪立ちて母の覗きし冷蔵庫
暑き日の致し方なき皿の数
虹立つと鋏の螺子の緩くなり
かはほりや母の電話のくる頃か
大暑なりけりつぶやきも叱責も
紅茶派になる蜩の夕べなら
屈強な声が枝豆置いてゆく
言ふなればとんぼも路上生活者
一斉に箱の葡萄の目を覚ます
曼珠沙華空地のあれば咲きにくる
無月より半月どことなくさびし
傘畳む仕草を秋の暮といふ
ふくろふの一筆書きのやうな顔
一艘の船置き湖の暮早し
羚羊のからっぽの顔冬日向
厚すぎるホテルのタオル十二月
餅花を挿しここもまた無人駅
紙の上に紙置くごとく雪積もり
電車より見えちょっとした葱畑
水仙のだれのものでもなかりけり
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