カラフトマス
🗾東北海道・花林音
かけ昇れカラフトマスの力瘤
花林音(かりんと)

カラフトマス 提供:北の大地の水族館
カラフトマスはサケ科の回遊魚で、特に産卵期のオスのカラフトマスは背が張って瘤のように盛り上がっているのが特徴です。
オホーツクサーモンとも呼ばれ、広い太平洋を回遊して子孫を残すために生まれた川に戻ってきます。
鼻が大きくせり出して背が盛り上がり、見た目には美しくないのですが、荒々しく力強さを感じます。
この背中の盛り上がりが大きいほどオス同士の争いで有利になり、メスを獲得しやすいそうです。

カラフトマス 提供:北の大地の水族館
しかし背中が大きく盛り上がるほど遊泳力が低くなり、浅瀬で熊などに捕食されやすく繁殖地にたどり着けないなど、生存と繁殖が拮抗した厳しい自然を生きるためのギリギリの姿なのでしょう。
今までは姿形の美しい鮭ばかりに目がいっていましたが、大海に揉まれ鼻が大きく曲がり、メス獲得の為に背中の瘤が張り出すほどの鮭の営みにエールを送ります。
堂々の富士・富士山本宮浅間大社
🗾静岡・永井千恵子
堂々の富士の黝(くろ)さや秋麗ら
永井千恵子

撮影:永井千恵子
富士山は古くから幾度となく噴火を繰り返す活火山で、荒ぶる火山である富士山を鎮める目的で浅間神社が創建されたと言われている。
全国に1300余社ある浅間神社の総本宮で、ご神体は富士山、御祭神は木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)、駿河国一宮であり東海地方最古の社である。
徳川家康が造営したこの壮麗な社殿は二層構造の「浅間造」と呼ばれ本殿、拝殿、楼門は国の重要文化財である。
また境内に湧出する富士山の雪解け水からなる湧玉池は国の特別天然記念物であり、富士山の噴火を湧水によって鎮め、富士山を聖なる水源の山として崇めるという役目もあるようだ。
渡岸寺(向源寺)の十一面観世音
🗾滋賀・金山桜子
観音の怒相の眉根きりぎりす
金山桜子

渡岸寺山門 撮影:金山桜子
「怒相」とは、正確には「瞋怒相(しんぬそう)」のことで、「慈悲から生じる怒りの表情」のこと。
渡岸寺のボランティアガイドさんは、観音像の頭部の、向かって右側の三面の化仏は「(私たちを)励ましておられるお顔です」とわかりやすく解説された。
国宝にも指定されているこの像は、平安時代初期の特徴を持ち、およそ四百五十年前の織田信長と浅井長政の戦いのときには村人により土中に埋められ、守られた。
井上靖の小説「星と祭」でもこの像について語られている。
そして時を経て、自然豊かな湖北の町で観音像は今も地元の人により守られている。
信仰の対象として。

井上靖の文学碑 撮影:金山桜子