講評
(高校生の部)
本当にいろいろな意味で、暑く熱い夏でしたね。ようやく新涼です。句の作りやすい季節です。お友達をさそってどんどんネットに句を送ってください。待ってます。
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1お散歩の猫と外寝の屋根の上六雪花 
面白い風景ですね。散歩してた猫と一緒に屋根に上って空を見上げていたのでしょうか。小さい頃から先生も屋根に上るのが好きでしたからこの気持ちよさはよくわかります。ただ俳句としてはやはり季語がほしかったですね。そうすれば、時間とか景がもっとはっきりしてきます。
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2爽やかさ窓に吹き込む帰納法六雪花 
「窓に吹き込む帰納法」・・いいですね。ようやく涼風を感じさせる季節。その風を帰納法という表現にしたのがお手柄です。絶対演繹法じゃないもんね。
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3短夜や心臓の音だけ聴こえ六雪花 
なんかドキドキすることがあったのでしょうか。恋の予感か・・それとも。眠れないままにもう夜明けがきてしまう。そんな体験が遠い日にあったなあ!
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5頬と頬寄せても心は遠きけり百川蘭
たとえば「頬と頬寄せても心は遠い秋」としたらどうでしょうか。季語も入りますし、深い寂しさもこめられると思いますよ。あえて「遠きけり」と文語表現をする必要はないですよ。
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7夏の夜のけだるい風に吹かれつつ百川蘭
本当に今年の夏は、風までも暑く余計にけだるさがましてしまいましたね。そのけだるさに吹かれながら何を思っていたのでしょうか。
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8憂さ晴らし倒立前転して五月六雪花 
ちょっと季節外れですが、「五月」という季語が効果的です。すくっと立ったとき、一瞬でも「憂さ」が晴れたのでしょうね。はじめて逆上がりできた幼い日のことを思いだしました。たしかあれも五月だったな。