会長 山﨑十生
事務局長 岡田一夫
事務局
郵便番号 350-0214
所在地 坂戸市千代田4-7-26-703
TEL 0492-84-5416

 

【 地区の紹介 】

 現代俳句協会の埼玉県における地区組織です。

【 行事 】

◇第四十一回埼玉俳句大会

 

第四十一回埼玉俳句大会は、令和元年六月二十九日(土)に川口総合文化センター・リリアにて開催された。梅雨前線のそしてG20の朝、続々と来場。当日の参加者は九十七名であった。また、事前投句数は七百七十六句となった。

 講演は、神野紗希氏。「偶然、他者、肯定の詩」というテーマでお話を頂いた。

 まず、子育ての話から言葉の力を子供を通して感じる、そして、師や結社を持たずに周囲の先輩に聞いて学んできたと話される。

 「俳句は、偶然を受け入れ、新しい他者との出会いを受け入れる、肯定の力に満ちた詩ではないか」。山本健吉は、俳句を「滑稽、挨拶、即興」としたが、「偶然、他者、肯定」が俳句である。写生ではリアルな感覚が大切で、偶然を受け入れる姿勢が名句を創る。新しい他者との偶然の出会いを受け入れることで新たな世界を作る。そして、新しい世界観を導く俳句の肯定力を信じたいと話される。(後藤よしみ記) 

事前投句

1位  風葬で逝きたし霞に紛れたし    折原野歩留

2位  春寒し角のつっ張る紙袋      石井 喜恵

3位  逆上がりしたくて揺れるカラスウリ 浜田 桐花

4位  のんびりと亀鳴くを待つ余生かな  小池  溢

5位  膝に小僧喉に仏や青き踏む     石口  榮

6位  三月や海鳴り地鳴り耳鳴りす    益子さとし

7位  逃水を追ひ東京に行きしまま    古橋 淑子

8位  遠くで戦浅蜊一気に砂を吐く    森川 義子

9位  缶と瓶分ける音する雨水の日    宮  沢子

10位 街を行くおしゃれなリュック敗戦日 原田 寿美

11位 雛の前でんぐり返ししてゐる子   大塚 茂子

12位 何ごともなかったやうに落椿    斉藤 たみ

13位 廻しては言葉をさがす春日傘    服部みどり

14位 三人の一人が歩き出す枯野     益子さとし

15位 ゐる振りをして如月の帽子掛    岡田 一夫

16位 開花宣言洗濯機が回ってる     清水たまき

17位 霾や駱駝のやうな付け睫毛     本田 岳凰

18位 蛸の足食べて火星の近づく日    岩淵喜代子

19位 産土の山河は春を咀嚼する     西本 明未

20位 寒の雨とびらは音もなく開く    久下 晴美

当日雑詠句

1位  緑さす椅子を誰かに空けておく   岡村 行雄

2位  早苗饗や置きどころなく足二本   小山 敏男

3位  約束はしていないけれど河鹿笛   原  博子

4位  したたりの一滴づつに目が開く   山﨑 十生

5位  透きとほるものを磨けり青時雨   渡辺 智恵

6位  梅雨の蝶こつんとあたる空の端   加藤いさむ

7位  水澄まし今日の自分を肯定する   広瀬三知代

8位  今朝のこと明日からのこと冷奴   星野 和葉

9位  緑陰に入り人はみな哲学者     新村 長門

10位 姉ふたり蛍袋を出てこない     島村 治子

11位 六月が終る読まずに返す本     田中 朋子

12位 十薬や境界線がみつからぬ     田守 三里

13位 紫陽花を見ていて利尿剤が効き   藤倉  忍

14位 閂の朽ちたる奥の枇杷たわわ    加藤でん治

15位 いつからかひとりの時間山椒魚   杉本清三郎

16位 道化師で生きてゆきます蟇     大平 寿江

17位 人はみな獣の匂い半夏生      奥山 雷火

18位 万緑の呼吸が響く峡の空      渡邊 樹音

19位 蛍袋に実らぬ恋の一つ棲む     中村 香苗

20位 よく笑ふ嫁が本気で水喧嘩     折原野歩留

平成三十一年度埼玉現代俳句協会総会

日時 平成三十一年三月十日
場所 桶川 さいたま文学館

参加者五十八名、夜の懇親会には三十九名が参加した。会長の挨拶に続き、第十六回埼玉現代俳句大賞の表彰が行われ、大賞は「兜太逝く」小泉信氏に、準賞は「身に入むや」井上燈女氏、「明るくて」松本誠司氏にそれぞれ贈られ、佳作作品も順次表彰された。続いて定期総会の議事に入り、平成三十年度事業報告・会計報告、平成三十一年事業計画・予算案、一部役員改正などが討議され、異議なく可決された。その後、休憩をはさみ恒例の一句会の披講が行われ、大いに盛り上がり、会は盛況の裡に終了した。

一句会上位入賞者

第一位 桶川市俳句連盟会長賞
  海に出て布のようなり雪解川    岡田一夫

第二位 埼玉県俳句連盟会長賞
  住み慣れし闇へと雛を戻しやる   高橋邦夫

第三位埼玉県現代俳句会長賞
  風はまだ匂ひを知らず初桜     藤澤晴美

第四位
  浮遊する目玉の染みや鳥雲に    小野綾子

第五位
  如月や昨日のわたし脱ぎすてる   飛鳥 慧

第六位
  春眠のざらついている空と海    田中朋子

第七位
  野に佇てば上半身はもう朧     茂里美絵

第八位
  秩父往還あの少年は猫柳      堀之内長一

第九位
  パントマイムで春を迎えに行く   金子 功

第十位
  蜃気楼いずれ火星に住むつもり   小川紫翠

第十一位
  結び目を春より解く少女かな    渡邉樹音

第十二位
  犬ふぐり瓦礫に後押しされて出づ  山崎十生

第十三位
  白鳥帰る王林・紅玉・さんつがる  田中美佐子

第十四位
  遠足の土手の輪唱止まらない    岡村行雄

第十五位
  先駆けて地を目覚めさす蕗のたう  茂木和子