菜の花のどこをくすぐったら光る 村井和一  評者: 安西 篤

 菜の花を擬人化して、そのどこかをくすぐったら光ってくるにちがいないとみている。そこには、作者の遊び心と、菜の花へのアニミスティックな親しみが通う。
 すでに菜の花は、明るい春の光のなかに息づいているのだろうが、一体あの光り方はどこをくすぐったら出てくるのだろうかと問いかけているようでもあるし、さてどこをくすぐって光らせてやろうかとほくそえんでいるようでもある。この意表をつく諧謔味が作者の真骨頂なのだ。こういう句はジュニア層の喝采を浴びること請け合い。
 
評者: 安西 篤
平成19年4月2日